『ヒアリング補助機能』の仕組み
AirPods Pro 2のノイズキャンセリング機能は、外部の音を遮断して、外から聞こえる騒音をマイクで取り込み、内部に逆位相で出力することで、音を消すという仕組み。
さらに、外部音取り込みという機能があり、ノイズキャンセリングしたまま、人と話す際に、会話対象の話し声だけをマイクで取り込み、内部に出力することができる。
この機能をさらに発展させて、難聴の人のために、外部から取り込んだ音のうち、必要な部分だけを内部に再生するのが『ヒアリング補助機能』。
この機能を使う場合は、事前に『ヒアリングチェック』を行い、聞こえにくいと判断された周波数の音が、それぞれ左右のAirPods Pro 2に出力される仕組みとなっている。そのため、より自然に聴力を強化することができる可能性がある。
ちなみに、『管理医療機器』となっており、『軽・中度の難聴の場合にユーザーによる補助のための音の増幅に関する設定を行うために使用される家庭用のプログラム』という扱いだ。
アップル|ヒアリングサポート
https://www.apple.com/jp/airpods-pro/hearing-health/
『とても快適になった』とのこと
飯塚さんは、現在右耳が中等度難聴、左耳が高度難聴。右耳は若い頃のアクシデントで聞こえづらくなった。特に低音が聞こえない。左耳はストレスを受けたことが原因で難聴になったそうで、音程が半音ズレて、音楽が不快な音に聞こえたりとやっかいなものらしい(そのため、飯塚さんのiPhoneからはMusicアプリが削除されている)。
実際に、AirPods Pro 2を試す飯塚さんの様子は、ぜひ動画を見ていただきたいが、かなり効果的、しかも快適なようだ。
この後、日常でも試用して追加の感想を送ってもらっているが、奥様との会話もスムーズになり、人の多い場所や、クルマの運転などでも快適。さらにビデオ会議などにもシームレスに参加できて、そのまま外さずに原稿を書いてたとのこと。
たとえば、テキスト入力するのでも、キーボードの打鍵音などが聞こえて、テキストの打ち込みにリズムができる心地よさを久しぶりに感じたとのこと。
また、混雑した飲食店や、路線バスでも、ノイズキャンセリング、外部音取り込み、適応型ノイズキャンセリングなどの切り替え操作を学ぶと、さらに快適になったとのこと。
通話や音楽の音量と、外部音の音量が別々に調整できるインターフェイスはとても新鮮だそうだ。
アクセシビリティは、我々の未来のために必要な機能
単に『こんなことが可能』だから、追加された機能ではなく、おそらく多くの難聴の方の協力を得て、慎重に開発された機能であることがうかがえる。
今後、我々だって、耳が遠くなっていくし、視力も衰えていく。ヘルスケアや、アクセシビリティの機能に真剣に取り組むアップルは、他ならぬ我々の未来に対して、真剣に取り組んでいるのだと思う。
(村上タクタ)
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