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iPhone 16←15 Proの買い替えは? 15やSE3はどのぐらい性能が違う?

前回、iPhone 16シリーズ同士での性能比較を行なったが、いずれの高性能で差は少なく見えた。では、iPhone 15 Proや、15、SE3と比較して、どのぐらい性能が向上しているのだろうか? ベンチマークを元に考察してみよう。

実際に計測して分かった! iPhone 16シリーズの処理能力差

実際に計測して分かった! iPhone 16シリーズの処理能力差

2025年10月27日

iPhone 15 Pro、15、SE3など過去のモデルと比較

Apple Intelligence対応なのは、今年のiPhone 16シリーズと、昨年のiPhone 15 Proだが、それではiPhone 16とiPhone 15 Proでは、どちらの性能が高いのだろうか?

iPhone 15はApple Intelligence非対応だが、iPhone 15 Proとどのぐらい差があるのだろうか? また、現行モデルで一番性能の低いiPhone SE3とこれらのモデルでは、どのぐらい差があるのだろうか?

Geekbench 6とGeekbench AIを使ってベンチマークテストを行なってみた。

テスト結果の数値はこちら。以下、グラフを見ながら考察しよう。

CPUにおいても、iPhone 15以前とは歴然の差

まず、CPU。

シングルコアだと、iPhone 16の方が高性能で、マルチコアだとiPhone 15 Proの方が性能が高い。どちらも6コアなのだが……。ともあれ、ここに大きな差はないことが分かる。

いっぽう、A17 Proを積むiPhone 15 Proに比べて、前モデルのiPhone 14 Proと同じA16 Bionicを搭載するiPhone 15とは大きく性能差が開く。

iPhone 15をiPhone 16 Proと比較すると、シングルコアで32%減、マルチコアで23%減の性能になる。

iPhone SE3ともなるともっと差は大きく、シングルコアで38%減、マルチコアで43%減。iPhone SEに積んでいるA15 BionicはiPhone 13 Proと同世代のものだ。3世代分の差とはいえ、かなり大きな性能差だ。

GPUも同様の傾向で、16/16 Proは大きく性能向上

続いてGPU。


16Proがグンと速く、16、15 Proが続く。15は、16 Proの36%減、SEに至っては45%減。つまりほぼ半分の性能しか持っていないことになる。

画像や動画の変換、3Dグラフィックや、ゲームなどにおいては、この性能差が大きく効くことになる。

Neural EngineはApple Intelligence適合モデルが大幅に高性能。特にQuantizedに注目

そして、一番気になる(ようになった)Neural Engineの性能。

ここは、16 Proを100として、それぞれの数字を見ていこう。

まず、Single Precision (単精度)。科学技術計算、機械学習モデルのトレーニングに必要な性能だ。

iPhone 16 Proを100%とすると、16が88%、15 Proが90%、15が74%、SE3が72%、となる。こちらは、iPhone 16より、15 Proの方が勝っているのが興味深い。15やSE3も善戦しているように思う。

続いて、Half Precision (半精度)。ニューラルネットワークの推論やトレーニングの一部で、精度をある程度犠牲にしても処理速度を向上させたい場合に有効なスペックだ。

こちらは、iPhone 16 Proを100%とすると、16が97%、15 Proが74%、15が61%、SE3が51%、となる。iPhone 16 Proと16にはさほど差がつかず、対して15 Proはグッと引き離され、15やSE3とはさらに性能差がつく。

Quantized (量子化)ではさらに差が大きくなる。スマートフォンなどエッジデバイスのリソースが限られた環境で、低精度でも十分なリアルタイム推論が必要な場合に有効とのことで、ローカルで動く部分が重視されているApple Intelligenceの場合は、こちらが重要な指標になるような気がする。

iPhone 16 Pro、16、15 ProまでApple Intelligence対応で、iPhone 15以下は非対応とされているのは、このあたりの性能が必要とされているのではないだろうか? つまりここが、3万4135のiPhone 15 ProはApple Intelligenceが利用可能だが、2万2744のiPhone 15では使えない。そのあたりがボーダーラインということだ。

iPhone 16 Proを100%とすると、16が98%、15 Proが73%、15が48%、SE3が41%となる。アップルはApple Intelligenceの採用を決めてから、この部分の性能向上にウェイトを置くようになり、それゆえA17 Pro以降のチップセットでは、Quantizedの性能が向上していると思われる。

iPhoneのみならず、iPadやMac、Vision Proなどにおいても、Quantizedの性能に注目すると、Apple Intelligenceにどのぐらい適応しているのかをチェックすることができそうだ。

やはり、Apple Intelligence適合モデルは、Neural Engineがとても高速化されている

外見上の差違などの少ない、最近のiPhoneだが、チップセットの性能は大幅に上がり続けていることが分かった。

特に、『Apple Intelligence対応』と言われているモデルはでは、Neural EngineのQuantizedの性能が大きく向上しているので、このあたりがApple Intelligence利用時のパフォーマンスに大きく影響していきそうだ。今度のモデルについても注目していきたい。

(村上タクタ)

 

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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