手間が少なく、心理的ストレスが少ないのもメリット
先日、iPhone 15 Proを購入したことをレポートした。その時に、『古いiPhoneをアップルに買い取ってもらった』と書いたのだが、その詳細についてレポートしておこう。
これはApple Trade Inという仕組みで、購入時にアップル自体がiPhoneを下取りしてくれるというもの。手間もかからないし、多少キズが付いたiPhoneでも問題ないし、それなりに損をしない価格で引き取ってくれるのが嬉しい。
もちろん、下取りストアとやり取りすれば、もう少し高く買い取ってくれるかもしれないが、「サイトにはいい値段が書いてあったのに、実際には細いチェックが入って減額された」というようなやり取りをして、心理的にストレスを感じるよりは、手間と心理的ストレスなしに引き取ってもらえることを優先した。
前回の記事でも説明したが、筆者が1年使ってから家族(娘)に譲り、3年間使ったもの。いろんな記事にも登場したし、海外留学をしていた娘の生活を支えてくれたiPhoneではあるが、昨今の高価な新型iPhoneを買うために、足しになるなら……と売却することにした。
もともと、古いデバイスは手元に取って置きたいタイプなのだが、初代〜5sぐらいまではともかく、それ以降のものは中古も容易に入手できるし、取っておく必要性も高くないと判断(ともあれ、先立つものが大事だったりもするw)。
モノはこちらのiPhone 11 Pro。ご覧のように、4年間使ったとは思えないほどの美品だ。私は撮影に使うから慎重に扱うクセがあるが、娘も大事に使ってくれたようだ。
よく見ると、ガラス面に細かなコーティングに対するキズなどはあるが、ほぼ美品といってもいいと思う。iPhoneケースは使ってきたが、ガラス面保護フィルムは使っていない。
免許証などで個人認証が必要
iPhoneを買って、次に買い取りのプロセスに進むと、個人認証のために免許証やパスポートの画像を送り、ピックアップのタイミングなどを設定することになる。盗品だったりしたら困るから、当然のプロセスだろう。途中『下取りパートナー業者』との連携が悪かったのか、先のステップのサイトが表示されず、プロセスを進められないタイミングがあったが、1〜2日待ったら表示されるようになった。
3万6000円という価格は、割と初期から表示されて、キズや不具合がない限り変わらないので、ざっくり買い取り価格を決めて、それでプロセスをシンプルにしているようだ。逆にいうと、今回のようにキズのないiPhoneだと、一般的な買取業者の方が良い値段で買い取ってくれたかもしない。まぁ、手間とストレスが減ったということで、良しとしよう。
ヤマト運輸の方が梱包資材を持って自宅に
指定日時になると、ヤマト運輸の方が来て、iPhoneを梱包して持って帰ってくれた。
そうそう、Apple Trade Inの場合、パッケージや電源ケーブル、アダプターなども不要。裸でそのまま渡せばいい。玄関で箱の中でフローティングマウントされるようなパッケージに入れて、持って帰ってくれた。
ケーブルや、電源アダプター、箱が不要というのは気楽でいい。たぶん、リユースするにしてもアップルは新品を用意できるのだろう。ちまたの情報によると、空箱はメルカリで売ったりもできるらしい(中古で販売する人が使うとのこと)。
あと、念のために書いておくが、初期化はもちろん、SIMを抜くのもお忘れなく。
アップルがこの価格で、iPhoneを引き取れる理由
買い取ったiPhoneは、発展途上国などで安価なリユース品として販売されることもあるし、アップルで分解して、次のiPhoneの部品に生まれ変わることもある。
アップルは、Trade Inで受け取ったiPhoneをデイジー(もしくはその後継機)に分解させて、次のiPhoneなどアップル製品での再生原料として活用する。
雑多な製品を一緒に回収すると破壊して粉々の粉末にしてリサイクルするしかないが、機種の限られているiPhoneだから、組み立ての逆行程をロボットに辿らせて分解できる。
これにより、アルミニウムやステンレスのボディ、ガラス、希土類……などそれぞれの素材をなるべく無駄なく回収することができる。
現在ではアップルは希土類(いわゆるレアアース)の45%を再生素材から取り出しているし、スズは30%、コバルト13%、金や銅さえも再生素材から取り出している。
分解分別した1トンのiPhoneの部品から、通常の鉱石2000トンから取れる量に匹敵する金や銅が回収できるというのだからすごい。
(上記はいずれも2021年の発表値なので、現在ではもっと増えていると思われる)
アップルが古いiPhoneを高値で買ってくれるのは、背後にこういうリサイクルにおけるイノベーションを行っているからでもある。
アップル製品を買い、古い製品をApple Trade Inに出すというのは、環境への負担を減らそうというアップルのアクションに協力するということでもあるのだ。
(村上タクタ)
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