しかし、大きく数値が下がる事態が発生したので、ご報告しておこう。
高山病にかからないかと、常に気にしていた
ルートの中で一番キツかったのは、起きてから夜明けまで。風雨の中を7合目から浅間大社奥宮まで歩いたタイミングだった(夜明け頃には天気が回復する予報だった)。
体力があろうがなかろうが、こればっかりは強く症状が出るとそれ以上登れないそうだ。特に、筆者は頭痛持ちでもあるし、車酔いもする方なので、頭痛や吐き気が激しいという高山病をとても気にしていた。
入山する前にも寝不足に気をつけて(旅行に行く前に仕事を片づけないといけないので、編集者は寝不足になりがち)、宿泊を7合目にしたも、少しずつ気圧が薄いことに身体を慣れさせるためた。また、常に深く呼吸をすることを意識していた。早朝に起きていつもと違う生活サイクルだから、そもそも少し気持ち悪いような気がすることもある。そのたびに「高山病ではにないか?」と意識しながら深く呼吸を繰り返していた。
ちなみに、上り口の富士宮ルート5合目は標高約2,400m。すでに高山病の症状が出てもおかしくない標高なのだ。そして、宿泊した新7合目の標高は約2,800m。いつ高山病になってもおかしくない標高なのだ。
7合目での睡眠時に、なんと血中酸素濃度は88%に
そして、夜中のこと。睡眠中は呼吸が浅くなりがちで、寝て起きたタイミングで高山病を発症することも多いと聞いていたので、眠る前に(そもそも19時頃から寝袋に入っていたのだが、寝つけなかった)Apple Watchで血中酸素濃度を測ってみた。するとなんと、平地では見た事のない88%という数値が!
肺のトラブルではないことをちゃんと示すためにか、「測定は高地環境で行われました」という注釈まで入っている。Apple Watchは本当に良くできている。
2,800mの標高での睡眠は、これほどまでに血中酸素濃度を低下させるのだ! それからも意識して、なるべく深い呼吸をしながら、起床時間の午前1時半まで、なるべく眠ろう、身体を休めようと務めた。
山頂近くで運動していても93%までしか下がらなかった
一番標高の高い剣が峰山頂でもご覧の通り(3,776mより9m低く表示されているが、測定誤差だと思われる)。山頂について、ハァハァしている状態でも93%だった。
というわけで、分かったのは標高が上がると、血中酸素濃度は低下するということ。
そして、睡眠中は呼吸が浅くなり、さらに血中酸素濃度が低下するということだ。
登山をする時、宿泊はなるべく標高の低い場所で行った方が良い。そして、睡眠時はなるべく深い呼吸を意識した方が、高山病予防のためには良さそうだ。
関連する記事
-
- 2024.09.18
10年目のApple Watchは3回目の大型化。大画面のSeries 10は『買い』