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“文具バカ”清水、機能美をまとったキーボードHHKBに惚れる

  • 2023.07.27

ある朝、ThunderVolt編集部の村上タクタ氏が「趣味の文具箱」編集部にやってきた。小脇には小さなキーボードを抱えている。「趣味の文具箱」は超アナログな万年筆やシステム手帳などの情報を集めている雑誌。手書きという行為が帯びている快楽とか趣きを追求し続けている。なぜ、この編集部に、いま、キーボード?

至高のキーボード、HHKBの「絶妙な打ち味」を体感せよ!

趣味の専門誌では、その世界特有の用語がたくさんある。「趣味の文具箱」では、筆記具の使用感を「味」で表現することが多い。例えば、万年筆では「書き味」、消しゴムでは「消し味」など。アナログな道具ならではの指先から伝わる感触を味に例えることが多い。一般的に万年筆では、紙面を滑るようになめらかに書けるペン先が好まれる。ペン先のわずかなすき間からインクが芳醇に流れ出て、筆圧をかけずとも紙に接触した瞬間から筆記する線が濃厚に紙面を走り出すような書き味は「ぬらぬら」と表現されることが多い。万年筆のペン先はとても繊細で、大量生産されたモデルでも先端の形には微妙な違いがある。同じモデルの同じ線幅のペン先でも書き味はみんな微妙に違うのだ。だから、多くの万年筆を店頭で試してみて、自分のペンの持ち方に最適な、ぬらぬら〜とインクが出てくる個体を探す旅を、読者の皆さんは果てしなく続けている。

しかし、紙面でペン先があまりに滑りすぎると書きづらいと感じる方も少なからずいる。中には、ちょっとひっかかりを感じるくらいがちょうどいい、なんて方もいる。このひっかかりの度合いがくせ者なのだ。びっくりするくらい「ガリガリ」な味を好む人もいる。まさに食の味と同じで、万人がおいしい!と感じる書き味なんてないのだ。

で、編集部に持ち込まれたキーボードのお話。村上タクタ氏は「このキーボードのキーの打ち心地をぜひ試して欲しい」と言う。万年筆のように日々持ち運べるくらい小さいし、いつでも、どこでも快適に文字入力ができる。「絶妙な打ち味」を体感せよ!とのこと。上等ではないか。

機能的な道具は美しい。HHKBもまた

良い書き味を体感させてくれる多くのペンは、形やデザインに無駄がない。製図用シャープペンシルやロングセラーのサインペンなどは一切の装飾がなく、握った瞬間にバランスの良さが指から伝わってくる。ドイツのラミーのペンはバウハウスデザインの根本思想を半世紀以上にわたって継承しているが、どのモデルも典型的な機能美を放っている。

自分は筆記具に限らず、身の回りで使う道具には徹底した機能美を求める。タクタ氏が目の前に置いたキーボード、Happy Hacking Keyboad(HHKB)の「Type-S」はまさに機能美の極地。形に無駄がない。自分が日々編集部で愛用しているREALFORCEのキーボードにも似ている。HHKBの手前に自分が愛用しているペンを並べてみたが、佇まいの雰囲気もとても似ている。

自分がキーボードに求めるのは「打ち味」だ。とくにキーを押したときに指を押し戻す反発の調子にこだわる。これはアナログな筆記具を使う時に、ペン先が触れる紙面から反発する力のこだわりとも共通している。ペン先と紙が接触すると、紙から指への反発が生まれる。この反発が生む微細な振動が指、腕、そして脳を刺激して、書く行為をより高ぶらせるのだ。

HHKB独特のタッチは、スマホでも活用できる

HHKBのキーには独特の反発力がある。跳ね返りは強めなのに、キーを打つときのサウンドはやわからく、構造が静電容量無接点なのでキーの空振りがとても少ない。だからある程度の速さで打っても確実に入力ができる。優れたペンの条件は、書き始めたら心地よく感じ、その心地よさがさらに書き続けていたいと思わせること。このキーボードも、優れたペンと同じ効能を秘めている。

HHKBは携帯しやすいので、ぜひスマホで活用したい。スマホの文字入力には、日頃からかなりのストレスを溜めている。つるつるしたガラス板を押すという行為自体が生理的に苦手ということもあり、メールの返信でもメモでも最大で10文字くらいのが限界なのだ。スマホをLeofotoの小型三脚に固定し、HHKBのすぐ上に配置し自由雲台で液晶の角度を微調整したら、シンプルかつ理想的な入力環境が完成。スマホでも、ずーっと書き続けたい「打ち味」が体感できた。

 

(この記事を書いた人)
“文具バカ”兼「趣味の文具箱」統括プロデューサー
清水茂樹

文房具の専門誌「趣味の文具箱」を2004年に立ち上げる。誌面に掲載する新しい万年筆は、できる限り試筆をして(高額なモデルはインクの代わりに水を使って試したりしている)書き味を体感するようにしている。これを約20年続けているので、おそらく「世界で最も多くの万年筆の味を体感した人間」。雑誌作りだけでなく、オリジナルの万年筆や独自規格のシステム手帳などディープな文具を開発し、文具界では“文具バカ”と称されている。

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