圧倒的なパフォーマンスで会場をお祭り騒ぎに。
18時の開演時間近くになると観客から自然と湧きあがってくる手拍子。客電が落ちてステージ中央のスクリーンには、「timeleszの挨拶まわり」というコンセプトに沿って、メンバーがマネージャーに扮し奮闘するシーンが流れる。オープニングナンバー「RUN」のイントロが流れると、観客は一斉に立ち上がる。
「『騒げ!』の菊池の叫びに応えるように、観客は熱狂し早くも会場はヒートアップ状態に。このツアーでは彼らの単独公演としては初のメインステージから中央、後方までをステージごと移動する「ムービングステージ」を使用。そこからセンター席(1階席)をぐるっと1周できるステージにつながる花道やアリーナ席やスタンド席の高さ近くまで上がるリフトなど、どの客席でもメンバーを身近に感じられるステージセットが組まれている。
「みんな会いたかった? 会いたかった!」と素直な気持ちを隠さない佐藤、「みんな大好き! 思い出を作りましょう」と明るい笑顔でムードメーカー的な役割を担う松島、「声出せる? 最後まで走れそう?」とあおりながらも終始客席を気遣う菊池。観客とコミュニケーションをとりながら、Sexy Zone時代のナンバー、6月に発売されたtimeleszの1st EP「timelesz」からのナンバーを取り混ぜて、菊池が考案したセットリストが進んでいく。
16枚の可動LEDを組み合わせた映像演出で盛り上げながら、力強くリズミカルなビートを聴かせるラップタイムや、メンバーそれぞれの個性を生かした趣向を凝らしたソロコーナーも。それぞれのソロコーナーでは、佐藤=赤、菊池=紫、松島=緑と客席のペンライトがメンバーカラー一色になることに、一体となってライブを盛り上げたいというファンのあたたかい気持ちを感じる。
とにかく盛り上げ上手な松島が「やってきました、コールタイム! 今叫ばなかったらいつ叫ぶの!?」と楽しそうに声を張りあげて始まった、昨年のドーム公演で初披露された「スキすぎて」コールバージョンの「スキすぎて(コール2024ver.)」のパフォーマンス時は、会場一体となってはお祭り騒ぎに。
ライブ中何度か「改めまして、僕たちがtimeleszです!」と、自分たちのグループ名を観客に名乗ると、その度に観客からは割れんばかりの歓声が起こる。MCタイムでは、このツアーに櫻井 翔が訪れたというエピソードも披露。1stEPにも収録されて今回披露された「puzzle」は「3人の思いが伝わってきて、グッときた。3人で目を合わせて歌ってよ」という櫻井のリクエストをもらって以来、向かいあって歌うパフォーマンスに変えたという裏話も。
菊池がマイクなしの地声で歌唱したり、佐藤がアコースティックギターを披露したり、彼らの個性を生かした演出や、シンガーソングライーターのiriがゲストに登場したりと盛りだくさん。timeleszロゴモチーフの衣装を身にまとい、ステージセットをフルに活用して歌うメドレーでは盛り上がりが最高潮に達したところで、メンバー一人ひとりにスポットライトがあたり、しばし思いを伝えるMCに。
「1分1秒みんなに会える時間は貴重だと思うので、丁寧に過ごしたいと思ってこの景色を目に焼きつけています。活動を通して少しずつみなさんに理解してもらえるように頑張っていきたいです」(松島)
「皆さんに戸惑いや不安を与えてしまったと思います。ツアーで毎回思うことはこの状況はファンのみんなが支えてくれているということ。timeleszの頭文字の「t」はアルファベットの「u」の前。あなたの前にtimeleszがいることを込めています」(佐藤)
「僕たちは前を向いて無我夢中で走ります。5人のSezy Zoneが叶えたかった夢を、グループ名は変わりましたが5人で描いた夢をこれからも僕たちが追い続けていきます」(菊池)と、それぞれが、自分たちの思いがファンと共にあることが伝わる言葉を投げかけた。
続いて煌めく上下黒の衣装で、「Anthem」などの1stEPからのナンバーを歌い上げるコーナーを、映像や炎とともに盛りあげていく。「We are timelesz!」と叫び、メンバーの会場入りの様子などがスクリーンに流れる中、本編が終了。
アンコールではメンバーがスタンド席をトロッコで移動するというパフォーマンスも。会場を回って、メインステージに戻った3人がダンサーたちをひとりずつ紹介し、ライブの幕を閉じた。
4月に「timelesz project」が発表され、3人体制でのtimeleszの最初で最後のコンサートとなった今回のツアー。何があってもついてきてくれたファンの気持ちを慮り、互いにメンバーを気遣い、丁寧にこのツアーを作り上げてきたことが感じられるものとなった。
メンバー3人の間、そしてメンバーとファンとの団結は強固。ここから新たなメンバーが加入し新生「timelesz」へと進化するが、その受け入れ態勢はできている。続く新章「episode1」への期待は高まるばかりだ。
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