実録! デニムの色落ち実験室【3カ月の穿き込みで生地の変化はどうなった?】

デニムの醍醐味であり、その沼へハマってしまうのは、着用と洗濯を繰り返すことで生地が変化し、色落ちや風合いが増してくる経年変化にある。穿き方やライフスタイルで自分だけの色へと変化し、自分だけのデニムへと変わっていくというのがデニム愛好家たちがハマる理由。では毎日のようにデニムを穿けばどれくらい生地が変化していくかを実験しているのがこの企画。コンセプトはデニムの経年変化が大好きな人に、いち早く経年変化がどう起こるのかを知って欲しいというもの。しかも極力洗濯はしないというストロングスタイル(笑)をチョイス。そこで選んだターゲットは、発売されたばかりで、経年変化見本も存在しないフルカウントの0105SSW(スーパースムース)。今回は穿き始めて約3カ月の様子をレポートする。

まずは穿き始める前の状態をチェック。

レポート用にチョイスしたのはフルカウントが新たに開発した11.5オンスデニム。これは穿き心地を重視するフルカウントが新たに生み出した渾身の生地で、通常の13オンス前後のデニムと比べると明らかに軽くしなやか。デニムの厚みやゴアゴアとした感覚は一切なく、ストレスフリーで色落ちが楽しめるというモデルだ。

ちょうど穿き始めたのが2024年の夏前なので、来る夏の猛暑もこの生地であればストレスも無いだろうと挑戦することに。シルエットはフルカウントの定番である0105(ワイドストレート)で、まだワークウエアの名残があるクラシカルなストレートっていうのも筆者好み。

写真上がワンウォッシュモデルを裾上げし、穿き込む前に一度洗濯した状態。洗濯は家庭用洗濯機で一般的な洗濯洗剤で洗いって脱水したあと、裏返しにして天日干ししている。乾燥機には入れていない、という状態から穿き始めたぞ。0105SSW Wide Denim Super Smooth One Wash 3万580円(FULLCOUNT https://fullcount-online.com

ちなみに前回の記事は下記で確認されたし。

実録! デニムの色落ち実験室【これを一年穿いてみたらどうなる経年変化!?】

実録! デニムの色落ち実験室【これを一年穿いてみたらどうなる経年変化!?】

2024年11月20日

実録! デニムの色落ち実験室【1カ月の穿き込み報告】

実録! デニムの色落ち実験室【1カ月の穿き込み報告】

2024年11月21日

実録! デニムの色落ち実験室【2カ月の穿き込み報告】

実録! デニムの色落ち実験室【2カ月の穿き込み報告】

2024年11月22日

3カ月の穿き込みで生地全体がこなれてきたような。

裾上げ時に一度洗濯をして穿き始めたこのモデル。生地がライトオンスなことも手伝って、この夏の東京の猛暑にも耐えられる快適さを実感。しかもしなやかな素材感はこれまでの14オンス前後のデニムに慣れていた筆者には驚きのストレスフリーを実感。もはや「夏はこのデニムだな」と勝手に決めるほど調子が良いのである。

あとは生地の経年変化がヴィンテージさながらのメリハリのあるタテ落ちしてくれれば文句なし。ただライトオンスがそこまで経年変化してくれるのかは疑問だったので、そんな疑問を早く解決したく、週に6日と、ほぼ毎日穿いてその成長を期待するのであった。

当初、ワンウォッシュしたばかりは生地の表面に多くの毛羽立ちが目立ったけれど、約3カ月も穿き込むと次第に毛羽立ちは無くなり、ポケット上部などの縫製部分に生まれる生地のパッカリング部分には日常生活で摩擦する部分からうっすらと色落ちがわかるように。

色落ちの大事な部分でもあるフロントに目をやると、腿の部分の生地にはうっすらとタテ落ちが始まりそうな雰囲気へと生地が変化してきた。着実に経年変化は始まっていることに、ますます穿き込みたくなる。

3カ月の穿き込み時は8月。ほぼ毎日の猛暑で汗も大量にかくけど、ここは洗濯をガマン。汚れや汗を大量にかいたときは市販のファブリックミストを使って除菌、消臭。

洗濯をしないでこの夏を乗り切ってみるのだ。あくまで実験なので、良い子はマネしないでね。汚れを気にする人はガシガシ洗ってください(笑)。

生地の毛羽立ちも少なくなり、色落ちの夜明け前といった感じ。

バックヨークの縫製部分にはパッカリングが生まれ、そこに沿って色落ちがうっすらと生まれてきた。綿糸で縫われているので糸が洗濯によって縮んで生地が引っ張られているからこそ生まれるディテール。その凹凸によって凸部分には色落ちが生まれ始めている。ヴィンテージと同じ縫製ならでは。

バックポケットを見ると先月よりは毛羽立ちが減ったが、まだ毛羽感は少し残る。普段ここにレザーのロングウォレットを入れているけれど、まだポケットにはウォレットのアタリなどは生まれていない模様。

ポケット内に入れたスマホなどのモノの出し入れをすることが多いフロントポケットの縁は普段の摩擦が多いのか、早くも生地のパッカリング部分に色のメリハリが生まれてきた。色のコントラストで、見た目の立体感が出てきたぞ。

フロントの腿部分の生地。まだヒゲやヒゲ落ちなどは生まれていないけれど、よく見るとタテ落ちがうっすらと生まれてきている。ライトオンス生地なので、いったいどういう経年変化をするのか不明だったけど、ヴィンテージデニムのようなタテ落ちは生まれそう。期待が高まる。

裾部分はユニオン・スペシャルのチェーンステッチで裾上げしたことで、雰囲気のあるパッカリングが生まれているけれど、まだ目立った経年変化が見られない。サイドシームにあるセルビッジ部分にはうっすらとアタリが生まれているけど色落ちはまだこれから。

バックセンターのベルトループは普段のバックパックの使用で摩擦が多いので色落ちが進行。こすれる部分から色落ちしていくことは明らか。ウエスト部分もオーバーサイズをベルトで締めて穿いているせいか、パッカリングが生まれている。

【基本データ】
トータル穿き込み期間:約3カ月
穿き込み頻度:週6日程度
トータル洗濯回数:裾上げ後に1回(製品ワンウォッシュ時を含めず)

 

この記事を書いた人
ラーメン小池
この記事を書いた人

ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

Pick Up おすすめ記事

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...