いざ、デニムの聖地・児島へ! ジーンズミュージアム&ヴィレッジ探訪。

日本におけるデニムの聖地・児島に、1962年に創業したベティスミスは、工房を中心に誰もが入場できるジーンズミュージアムやヴィレッジを展開。このたびリニューアルオープンしたというので、早速モヒカン小川が新しくなったベティスミスを訪れた。

工場だけでなく、ミュージアムやワークショップも!

国産ジーンズの発祥の地といわれ、いまや世界から注目されている岡山県児島。ここに国産ジーンズ最古の工場を持つベティスミスはある。1962年に創業し、70年からレディース専門ジーンズメーカーとして参入。2003年からはオーダージーンズをスタートし、現在ではメンズ・レディースの垣根をなくしたジーンズ作りで、世界へと進出した。

ベティスミスの魅力は、高品質なジーンズを作るメーカーだけにとどまらない。工場を中心に、周辺にジーンズミュージアムやジーンズ作り体験といったジーンズの歴史と製造を知ることができる施設のほか、ドッグランやファームといった、ジーンズに興味がない子どもでもジーンズを知る入り口になれる場所を提供している。また廃棄ゼロで、永く使えるものを作るをコンセプトに、端材の活用やリペア、デニムのリボーンといった活動も行っており、これからの国産ジーンズのあり方を牽引している存在でもあるのだ。

そんなミュージアムやヴィレッジがリニューアルしたということで、モヒカン小川が早速訪れた。案内をしてくれるのはジーンズミュージアム&ヴィレッジを担当する菅原勝さん。新しくなった施設の全貌をご紹介しよう。

ベティスミスの要である日本最古のジーンズ工場。若い職人さんたちが多いのが特徴で、分業ではなく、1人が1本を一から仕上げまで担当している。そのためここから巣立ち独立する職人さんも多いそうだ

【DATA】
岡山県倉敷市児島下の町5丁目2番70号
TEL086-473-4460
9時~18時(3月~11月)、
9時30分~17時(12月~2月)
年末年始休
入場無料
https://betty.co.jp

まずはジーンズミュージアムでお勉強。

2003年に開館した日本初のジーンズ博物館。時代ごとにジーンズの歴史を解説しており、1号館ではアメリカで誕生したジーンズの歴史やその時代背景をパネルと展示品でわかりやすく解説、2号館では国産ジーンズの歴史と技術をテーマに展開。貴重なデニムや道具に息をのむこと間違いなし。

雰囲気のある館内は年代を追うようにヴィンテージジーンズや貴重な資料が展示されている。解説もわかりやすく、初心者でも十分楽しめるのがいい。勉強になります!

1号館

小学校の工場見学をきっかけに開館したジーンズミュージアム。1860年代のアメリカをイメージしたウッド調のミュージアム1号館では、リーバイスの初期モデルなどの貴重なジーンズが展示されていたり、歴史をパネルで解説したりと見応えたっぷり。子どもだけでなく大人も夢中になる空間だ。

2号館

1970年代に稼働していた洗い工場をリノベーションした2号館では、当時の工場の機械をそのまま展示している。モヒカン小川が持っているのは軽石。後ろの洗浄機にジーンズと一緒に入れ、「ストーンウォッシュ」が行われていた。

1970年代まではローテク、’80年代はハイテク、’90年代にはローテクに戻るというのが国産ジーンズの歴史。それはなぜ? その答えがこのミュージアムでわかるぞ
持ち込み可能なデニムの加工体験コーナーも

世界で一本のオーダージーンズも注文できます。

白壁の明るい店内。中央にはテーブルがあり、生地やボタンなどのサンプルが置かれている。事細かく指定できるオーダーシートを記入してオーダーする

自分だけのジーンズが作れるのもベティスミスの魅力のひとつ。生地からステッチ、スタイル、加工など自由に選ぶことができる。オーダー価格4万7300円~とお手頃価格なのも嬉しい。

実際に生地の質感や色味を見ながらオーダーできる。ステッチやパッチ、加工などディテールも指定可能で理想的な1本に。仕上がりが楽しみでしかない
店内にはオーダーメイドの型紙が並べられていた
デニムを使ったジャケットも作ることができ、フォーマルスタイルもやっぱりデニム!

ジーンズ作り体験に挑戦!

ベティスミスが展開しているジーンズに、好みのフロントボタンやリベット、パッチを選んで付けられるジーンズ作り体験もしてみた。パッチやワッペンにはデッドストックも。その場で裾上げもしてくれ、当日持ち帰ることができるのも嬉しいポイント。

モヒカン小川が選んだのがこちら。14ozのセルビッチデニムに、ミシン柄のフロントボタン、スターをあしらったリベット、カリフォルニア風のパッチを設置したスペシャルモデル。とてもいい仕上がりだ。ジーンズ込みで1万9800円~。見学無料。

モヒカン小川も好みのボタンとリベットを選び、専用の機械で打ち込んでみた。どうやら上手くできたよう。パッチは、最後に職人さんが縫い付けてくれる

お土産もチェックしなきゃね!

見学や体験を十分楽しんだら、併設したベティストアへGO! 定番モデルはもちろん製造工程で出た残布を使った小物類も充実し見応えたっぷり。文房具やキーホルダーなど気軽に購入できるものもあり旅のお土産にぴったり。

ストアの入り口あたりには、オリジナルの小物など気軽に購入できるものを陳列
店内の奥にはベティスミスのラインナップがずらりと並んでいる
モヒカン小川が選んだのは、なんとデニムののし袋。これはテンションが上がります! デニム生地はランチョンマットにもなるという無駄がないのもいい。1650円

〆はカフェでデニムスイーツを。

見学や体験を楽しんだら、美味しいコーヒーでひと休み。ジーンズミュージアム2号館に併設されたBS Cafe & Galleryはジーンズ関連や独自のセレクトで選んだ本を揃えている。落ち着いた空間でゆっくり過ごしてみては。

明るく落ち着いた雰囲気の店内。窓側のカウンター席とソファ席を設置。本だけでなく、地元の名品も扱っているのもいい。ケーキやスコーンもおすすめ!

おすすめは、デニム色の青いクリームソーダ。見た目も爽やかでかわいらしい(650円)と、米粉で作ったジーンズ型のクッキーを添えたバニラアイス(500円)

菅原さんのコレクションが見られる古着ショップ。

今回施設を案内してくれた菅原さんがこれまでに集めたヴィンテージコレクションを扱う古着ショップにも注目。ここには資料級のアイテムも展示され、ジーンズ好き必見のスポットにもなっている。その一部をご紹介。

菅原さんのコレクションアイテムがずらりとディスプレイされ、各アイテムについて解説をしたパネルも設置。読み応えがあって初心者でも楽しめる
ピーナッツの丸胴スウェットも充実。他にもバディリーなどグッズなど、天井から床までびっしり並ぶ。見ているだけでもワクワクする空間だ
ベティストアの裏側に設置された古着ショップ。窓に掛けられたピーナッツのスウェットが目印だ。土・日曜10時~ 17時の限定オープン

(出典/「Lightning 2024年6月号 Vol.362」)

この記事を書いた人
めぐミルク
この記事を書いた人

めぐミルク

手仕事大好きDIY女子

文房具、デザイン、ニッポンカルチャーなどのジャンルレスな雑誌編集を経てLightningへ。共通しているのはとにかくプロダクツが好きだということ。取材に行くたび、旅行するたびに欲しいものは即決で買ってしまうという散財グセがある。Lightningでは飲食、ハウジング、インテリアなどを担当。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

【ORIENTAL×2nd別注】アウトドアの風味漂う万能ローファー登場!

  • 2025.11.14

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【ORIENTAL×2nd】ラフアウト アルバース 高品質な素材と日本人に合った木型を使用した高品質な革靴を提案する...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

Pick Up おすすめ記事

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

【UNIVERSAL OVERALL × 2nd別注】ワークとトラッドが融合した唯一無二のカバーオール登場

  • 2025.11.25

これまでに、有名ブランドから新進気鋭ブランドまで幅広いコラボレーションアイテムを完全受注生産で世に送り出してきた「2nd別注」。今回もまた、渾身の別注が完成! >>購入はこちらから! 【UNIVERSAL OVERALL × 2nd】パッチワークマドラスカバーオール アメリカ・シカゴ発のリアルワーク...