レアな人気モデルは 既に高騰して入手困難に。
1970年代にアメリカで生まれたBMXカルチャー。日本では’70年代後半から’80年代に最初のブームを迎えたのを体験した読者諸兄もいることだろう。誕生から50年程経ってシーンも成熟したこともあり、ここ10年ほどで、リアルタイム世代はもちろん、若い世代にもヴィンテージ(オールド)BMXの人気が上昇してきているという。
「10年くらい前まではまだ買いやすかったですけど、今はアメリカや日本だけでなく、アジア圏でも人気があるうえに、円安もあって人気の車種やパーツも数倍以上値が上がっていると思います」
そう教えてくれたのは、オールドBMXのコレクター&ビルダーとしてマニアには知られる岐阜県郡上市にある「カフェ・フィンキーズ」の大塚裕司さん。
「価格はブランド・モデルの知名度とコンディションで決まりますが、年代としては生産が台湾に移行する’85年頃までがメイド・イン・USAのオールドスクールといわれていて人気があります」
人気の車種ともなると完成車で数十万というのもザラだが、状態にこだわらなければ10万円台でも購入可能という状況。大ブレイクはなくとも今後もますますオールド好きは増えそうな気配もあるので、気になる人はお早めに!
市場価格を知る!
日本でも専門店や力を入れているショップも増えていて徐々に人口が増えつつあるが、それ以上に現在は台湾をはじめアジア諸国でもオールドBMXの人気が高まっていて人気モデルは価格の高騰が著しい。状態のいい完成品だと1台10~20万円というのが相場か。自分で組んだりメンテができるならオークションなどでパーツごとに買い集めれば価格は抑えられるがある程度の目利きと、組み上げる道具と技が必要となる。
【1979年】mongoose
車体下部に置かれた雑誌の見開きは当時のチームレーサーの写真でパーツ類の詳細も紹介されている。この写真を元にほぼ未使用で手に入れたフレームをベースに忠実に再現。クランクはデュラエース、ホイールにはアラヤが採用されていた。ASK
【1982~83年】WEBCO
BMX好きには知られるウェブコには「プロフェッショナル」「エキスパート」「レプリカ」という3シリーズがあり、こちらはなかでもレアな「プロフェッショナル」のオリジナルフレームに、パーツ類を当時のチームカラーだったブルーでまとめた1台。ASK
【1983年】mongoose
マングースのムースグースといわれるレアモデル。こちらはミニベロタイプ。オリジナルデカールもつく美品。ホイールやハンドル周りをゴールドで統一するなどラグジュアリーな仕上がり。参考商品
【1977年】BMX PRODUCTS
マングースのOEMを手がけていたBMXプロダクツのロジャー・デコスタという激レアフレーム。アシュタビュラのフォーク、モトマグのマグウォールに合わせてスノーフレークパターンのチェーンリングを合わせるなど、幾何学模様風のルックスに。ASK
【1978~79年】mongoose
レアな初期マングースのフレームに、クランク、アラヤのホイール、シートポストなど全て当時モノのデッドストックを合わせて組み上げた1台。チェーンとハンドルをあえてゴールドにするなど色使いもオシャレ。ダブルクランプを採用する辺りも通好み。ASK
【1979〜83年】BMX PRODUCTS
黒人初のBMXチームとして結成されたTEAM JAGのモデルとしてBMXプロダクツが製作したTEAM FJAG BMX。本来ステムはダブルクランプかアシュタブラあたりがマニュアルとなるが、あえてDGステムにVバーを外しで採用してるあたりがマニアポイント。ASK
【1983年】KUWAHARA
日本が誇るBMXといえばはやっぱりクワハラのE.T.モデル。レプリカや復刻モデルもあるが、こちらはシリアルナンバーがAから始まる正真正銘のオリジナル。 クワハラの社長が実物を見て現車を含めて「今までに2台しか見たことがない」と驚いたという逸話を持つ。全てのパーツがオリジナルで状態も美しいというまさにミュージアムモデル。参考商品
【DATA】
RAD FACTORY
www.instagram.com/rad_factory_official
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)
Test/M.Terano 寺野正樹 Photo/M.Kato 加藤政憲
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