メジャースポーツ化したことで今後ますます注目を集める予感。オールドBMXの市場価値は?

  • 2024.04.06

数ある自転車のジャンルのなかでも異彩を放つBMX(バイシクルモトクロス)。今やオリンピックの正式種目となりストリートを超えた人気を誇るだけに気になるヴィンテージ市場の動向もチェックてみよう。

「cafe Finkys」オーナー ・大塚祐司さん|オールドBMX界では知る人ぞ知るコレクター&ビルダー。一時期は80台ほど所有していが、現在は10数台を自身の営む岐阜県郡上市の「cafe Finkys」に展示。カフェは基本週末営業。お宝モデルを生で見たい人はカフェまで。 インスタ「cafe_finkys」で検索

レアな人気モデルは 既に高騰して入手困難に。

1970年代にアメリカで生まれたBMXカルチャー。日本では’70年代後半から’80年代に最初のブームを迎えたのを体験した読者諸兄もいることだろう。誕生から50年程経ってシーンも成熟したこともあり、ここ10年ほどで、リアルタイム世代はもちろん、若い世代にもヴィンテージ(オールド)BMXの人気が上昇してきているという。

「10年くらい前まではまだ買いやすかったですけど、今はアメリカや日本だけでなく、アジア圏でも人気があるうえに、円安もあって人気の車種やパーツも数倍以上値が上がっていると思います」

そう教えてくれたのは、オールドBMXのコレクター&ビルダーとしてマニアには知られる岐阜県郡上市にある「カフェ・フィンキーズ」の大塚裕司さん。

「価格はブランド・モデルの知名度とコンディションで決まりますが、年代としては生産が台湾に移行する’85年頃までがメイド・イン・USAのオールドスクールといわれていて人気があります」

人気の車種ともなると完成車で数十万というのもザラだが、状態にこだわらなければ10万円台でも購入可能という状況。大ブレイクはなくとも今後もますますオールド好きは増えそうな気配もあるので、気になる人はお早めに!

マニア度が高くなれば完成車両を購入するだけでなくパーツ類のカスタマイズもしたくなるところ。だが、状態のいいレアパーツも年々高騰しつつあるという
BMXとはBicycle Motorcross(バイシクルモトクロス)の略で、1970年代初頭にアメリカ西海岸の子供たちがオートバイのモトクロスレーサーに憧れた子供たちが自転車で真似をしたというのが始まりと言われている。当初の自転車はクルーザーと呼ばれるスタイルから派生したようで、クルーザーを手がけていた「シュウィン」や元々モトクロスを手がけていた「ウェブコ」、「DG」、BMXの元祖「マングース」などがオールド界でも人気が高い

市場価格を知る!

日本でも専門店や力を入れているショップも増えていて徐々に人口が増えつつあるが、それ以上に現在は台湾をはじめアジア諸国でもオールドBMXの人気が高まっていて人気モデルは価格の高騰が著しい。状態のいい完成品だと1台10~20万円というのが相場か。自分で組んだりメンテができるならオークションなどでパーツごとに買い集めれば価格は抑えられるがある程度の目利きと、組み上げる道具と技が必要となる。

【1979年】mongoose

車体下部に置かれた雑誌の見開きは当時のチームレーサーの写真でパーツ類の詳細も紹介されている。この写真を元にほぼ未使用で手に入れたフレームをベースに忠実に再現。クランクはデュラエース、ホイールにはアラヤが採用されていた。ASK

【1982~83年】WEBCO

BMX好きには知られるウェブコには「プロフェッショナル」「エキスパート」「レプリカ」という3シリーズがあり、こちらはなかでもレアな「プロフェッショナル」のオリジナルフレームに、パーツ類を当時のチームカラーだったブルーでまとめた1台。ASK

【1983年】mongoose

マングースのムースグースといわれるレアモデル。こちらはミニベロタイプ。オリジナルデカールもつく美品。ホイールやハンドル周りをゴールドで統一するなどラグジュアリーな仕上がり。参考商品

【1977年】BMX PRODUCTS

マングースのOEMを手がけていたBMXプロダクツのロジャー・デコスタという激レアフレーム。アシュタビュラのフォーク、モトマグのマグウォールに合わせてスノーフレークパターンのチェーンリングを合わせるなど、幾何学模様風のルックスに。ASK

【1978~79年】mongoose

レアな初期マングースのフレームに、クランク、アラヤのホイール、シートポストなど全て当時モノのデッドストックを合わせて組み上げた1台。チェーンとハンドルをあえてゴールドにするなど色使いもオシャレ。ダブルクランプを採用する辺りも通好み。ASK

【1979〜83年】BMX PRODUCTS

黒人初のBMXチームとして結成されたTEAM JAGのモデルとしてBMXプロダクツが製作したTEAM FJAG BMX。本来ステムはダブルクランプかアシュタブラあたりがマニュアルとなるが、あえてDGステムにVバーを外しで採用してるあたりがマニアポイント。ASK

【1983年】KUWAHARA

日本が誇るBMXといえばはやっぱりクワハラのE.T.モデル。レプリカや復刻モデルもあるが、こちらはシリアルナンバーがAから始まる正真正銘のオリジナル。 クワハラの社長が実物を見て現車を含めて「今までに2台しか見たことがない」と驚いたという逸話を持つ。全てのパーツがオリジナルで状態も美しいというまさにミュージアムモデル。参考商品

【DATA】
RAD FACTORY
www.instagram.com/rad_factory_official

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年4月号 Vol.360」)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部