国を跨いで同デザインの 軍モノが存在するんです。
販売から買付までワンオペでこなすブラケットの飯田さん。2023年には世田谷の下馬に2号店を出し、話題を呼んだ。ヨーロッパ買付を主戦場にする飯田さんは、他の日本人バイヤーが行かないような地域まで訪れ、見たことがないような軍モノを発掘してくる。
「個人的に好きなのが英国のミリタリーウエアですね。フランスも人気が高くておもしろいのですが、英国の方がバリエーションに富んでいる印象です。
旧東ドイツなんかもおもしろいものがありますが、意外と奥深いのがイギリスの植民地であった南アフリカやオーストラリアの軍モノ。共通したデザインも多く、英国モノに比べると手の出しやすい価格です。
あとはベルギー軍も注目。英国と友好的な関係であることもあって、同じようなデザインの軍モノが多くあるんです。価格も半額以下になることが多いので、オススメです」
選んでおきたい名品ユーロミリタリー。
ロイヤルエアフォースECWパーカー
このロイヤルエアフォースのジャケットは、米軍のN-3Bのような存在。グリーンはグランドクルー用。シェルには防水性に優れたコットン素材であるベンタインを使用。ミントコンディション。33万円
ベルギー軍のモーターサイクルジャケット
内側のタグから1952年製と判別できるベルギー軍のモーターサイクルジャケット。防水と防風を考慮してゴム引きのシェルを採用。英国では’40年代に同デザインを採用。6万9300円
ブリティッシュアーミージャーキンベスト
近年、様々なブランドでもサンプリングされている英国陸軍のジャーキンベスト。フィールドジャケットの上から着るオーバーベストの役割を果たした。英国らしくシープスキン。3万9600円
東ドイツ軍フィールドコート
レインドロップのような個性的なカモフラージュを用いたフィールドコートは1960年代。コットンシェルにウールパイルのライニングを装備。ドイツ版モッズコート。2万9700円
初心者に最適な入門ユーロミリタリー。
チェコ軍ライナー
チェコ軍のフィールドジャケットのライナーとして採用されていた’70年代のもの。そのためフロントにボタンやポケットがなくミニマルなデザイン。サテン生地が個性的である。8910円
ベルギー軍オーバーパンツ
英国の特殊部隊でも使われていたオーバーパンツをモチーフにしたデザインで、1950年代のヴィンテージ。カモフラージュのパターンも似ており、英国だと値段は数倍する。2万9700円
ベルギー軍フィールドパンツ
1970 〜 ’80 年代のベルギー軍のフィールドパンツは、英国のデザインを踏襲しているのがポイント。アシンメトリーなポケットのデザインは、コーディネートした時にアクセントになる。1万2980円
ロイヤルエアフォースMK3
1960年代から採用され、基本的なデザインを変えずにアップデートを繰り返したMK3。こちらは’90年代の個体で高密度のコットンシェルを使用。ゴアテックスを使ったMK4もある。2万9700円
【DATA】
BRACKETS SETAGAYA
東京都世田谷区下馬1-10-6
TEL03-6686-6725
営業/14:00~ 22:00(土日祝13:00~21:00)
休み/月火曜
Instagram @ brackets_setagaya
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning 2024年1月号 Vol.357」)
Text/S.Sato 佐藤周平 Photo/N.Suzuki 鈴木規仁