奥深きユーロミリタリーの世界。知っておきたい名品と入門古着。

ファンも多く、数々の有識者がいることからアメリカのミリタリーウエアは、定番として根付いている。一方でユーロミリタリーは、名作として知られているものこそあるが、まだまだ未見のものが眠っている。そこでユーロミリタリーの識者であるブラケットのオーナー、飯田康貴さんに、注目のアイテムをピックアップしてもらった。

国を跨いで同デザインの 軍モノが存在するんです。

「ブラケット」オーナー・飯田康貴さん|ジャンティークでスタッフなどを経て、2016年にヨーロッパヴィンテージをメインとしてブラケットをオープン。2023年には2号店を開店した

販売から買付までワンオペでこなすブラケットの飯田さん。2023年には世田谷の下馬に2号店を出し、話題を呼んだ。ヨーロッパ買付を主戦場にする飯田さんは、他の日本人バイヤーが行かないような地域まで訪れ、見たことがないような軍モノを発掘してくる。

「個人的に好きなのが英国のミリタリーウエアですね。フランスも人気が高くておもしろいのですが、英国の方がバリエーションに富んでいる印象です。

旧東ドイツなんかもおもしろいものがありますが、意外と奥深いのがイギリスの植民地であった南アフリカやオーストラリアの軍モノ。共通したデザインも多く、英国モノに比べると手の出しやすい価格です。

あとはベルギー軍も注目。英国と友好的な関係であることもあって、同じようなデザインの軍モノが多くあるんです。価格も半額以下になることが多いので、オススメです」

選んでおきたい名品ユーロミリタリー。

ロイヤルエアフォースECWパーカー

このロイヤルエアフォースのジャケットは、米軍のN-3Bのような存在。グリーンはグランドクルー用。シェルには防水性に優れたコットン素材であるベンタインを使用。ミントコンディション。33万円

ベルギー軍のモーターサイクルジャケット

内側のタグから1952年製と判別できるベルギー軍のモーターサイクルジャケット。防水と防風を考慮してゴム引きのシェルを採用。英国では’40年代に同デザインを採用。6万9300円

ブリティッシュアーミージャーキンベスト

近年、様々なブランドでもサンプリングされている英国陸軍のジャーキンベスト。フィールドジャケットの上から着るオーバーベストの役割を果たした。英国らしくシープスキン。3万9600円

東ドイツ軍フィールドコート

レインドロップのような個性的なカモフラージュを用いたフィールドコートは1960年代。コットンシェルにウールパイルのライニングを装備。ドイツ版モッズコート。2万9700円

初心者に最適な入門ユーロミリタリー。

チェコ軍ライナー

チェコ軍のフィールドジャケットのライナーとして採用されていた’70年代のもの。そのためフロントにボタンやポケットがなくミニマルなデザイン。サテン生地が個性的である。8910円

ベルギー軍オーバーパンツ

英国の特殊部隊でも使われていたオーバーパンツをモチーフにしたデザインで、1950年代のヴィンテージ。カモフラージュのパターンも似ており、英国だと値段は数倍する。2万9700円

ベルギー軍フィールドパンツ

1970 〜 ’80 年代のベルギー軍のフィールドパンツは、英国のデザインを踏襲しているのがポイント。アシンメトリーなポケットのデザインは、コーディネートした時にアクセントになる。1万2980円

ロイヤルエアフォースMK3

1960年代から採用され、基本的なデザインを変えずにアップデートを繰り返したMK3。こちらは’90年代の個体で高密度のコットンシェルを使用。ゴアテックスを使ったMK4もある。2万9700円

【DATA】
BRACKETS SETAGAYA
東京都世田谷区下馬1-10-6
TEL03-6686-6725
営業/14:00~ 22:00(土日祝13:00~21:00)
休み/月火曜
Instagram @ brackets_setagaya

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning 2024年1月号 Vol.357」)

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