植物を愛する陶芸家「セキグチタカヒト」氏の陶器鉢。

塊根植物にとっては今がハイシーズン。そんな塊根植物の魅力にずいぶん前から傾倒し、自身のセレクトショップを立ち上げたときに趣味が高じてウエアだけでなく、塊根植物も販売し始めてしまったというオーナーが、すでに塊根植物の「沼」にハマッてしまった人や、初心者で塊根植物を育ててみたいと思っている人にもやさしくお届け!

塊根植物の紹介や、育成のコツ、それに塊根植物にまつわるツールや雑貨などをゆるーく記事にしていきます。今回は塊根植物をよりカッコよく見せるための陶器鉢を紹介。育てる品種だけでなく、それを植える鉢にもこだわりたい。

塊根植物同様に入手困難な鉢も存在します。

塊根植物の人気と共に、愛好家や収集家たちを釘付けにする陶器鉢の数々。

陶芸家による高い技術で生み出される美しい作品は、非常に人気が高く入手困難な陶器鉢も数多く存在します。

今回は、ビザールグリーンでも高い人気を誇る、陶芸家「セキグチタカヒト」氏の手掛ける陶器鉢を紹介します。

日本の伝統工芸にアメリカの技法を融合。

埼玉を拠点に活動する陶芸家セキグチタカヒト氏は、日本国内で伝統工芸としての陶芸を学んだ後に渡米し、日本の伝統工芸とは異なるアメリカの陶芸の知識と技術を習得。

帰国後は、伝統的な日本の技とアメリカの技法を組み合わせ、試行錯誤を繰り返しながら独自の技法による作品を制作しています。

また、セキグチ氏は植物愛好家としての顔も持ち、自身で制作した陶器鉢で植物を育て、植物育成に適した鉢を生み出しています。

土のセレクトから焼成の時間や温度、仕上げ方法など、陶芸の知識と技術に加え、多くの植物を育成してきた経験と知識を取り入れて制作される陶器鉢は、多くの愛好家たちからも高い信頼を集めています。

セキグチタカヒト氏の代表的な作品「Opot」。

セキグチ氏の手掛ける陶器鉢の中でも代表的な作品と言えるのが、こちらの「Opot」(オーポット)。

アメリカで習得した技法が活かされた、表面に刻まれる独特のひび割れが特徴的です。

いくつもの工程を重ねて生み出される繊細で美しい色合いと、力強さを感じるひび割れが融合した肉厚感のある陶器鉢です。

ちなみに、「Opot」のOは(ore=鉱石)に由来しますが、セキグチ氏が興味を持つ「オーパーツ」の頭文字にも由来するそうです。

※オーパーツ=その時代に存在しないはずの技術で作られた出土品のこと

冷え固まったマグマのよう。

Opot Magma  SSサイズ 参考上代 5500円(税込)

黒く鈍い光沢を放つ表面に、赤いひび割れが美しいOpotのMagma。その表情は、まさに灼熱のマグマが冷えて固まった様に見えます。

個性的な姿を持つ鉢でありながら決して主張しすぎず、渋い色合いと開口部の自然な凹凸が植物の魅力を引き立ててくれます。

銀を纏うAg pot。

こちらの作品は、鉢の表面を銀で仕上げたAg pot(Ag=銀)。これは銀色の釉薬ではなく、陶芸用の銀(成分90%以上)を焼き付けた後に硫黄系の温泉に浸けて表面を硫化させた陶器鉢です。

硫化により、いぶし銀の様な重厚感のある雰囲気が生まれています。ただし、この状態は磨きが掛かっていないため、光沢も無くザラザラとした質感です。

ワイヤーブラシで磨いていくと……。

硫化させた状態のザラザラとしたAg potをワイヤーブラシで磨いてみます。力はあまり加えずに、表面のザラつきを落とす感じで全体を磨いていきます。

Ag potの真の姿が。

Ag pot SSサイズ 参考上代 6050円(税込)

ワイヤーブラシで表面を磨くと、10分足らずで銀の美しい光沢が現れました。

表面には自然な凹凸感があり、凹んだ部分は硫化による燻しが残るため、銀の質感が強調されています。

シルバーアクセサリーなどと同じく、使っているうちに表面は酸化し黒ずんでいきますがワイヤーブラシで軽く磨くことで、銀の光沢は甦ります。

その際には、真鍮製ではなくステンレス製のワイヤーブラシを使用します。真鍮製で磨くと、銀に真鍮の色が移ってしまうそうです。

並べてみるとこんな感じ。

奥が磨く前、手前が磨いた後。並べてみると、その差ははっきりとわかります

今回は、OpotとAg pot、2つの陶器鉢を紹介させて頂きましたが、セキグチ氏はこの他にも素晴らしい作品を数多く手掛けています。

それらの作品や、植物を植えた姿なども今後あらためて紹介していきたいと思います。

【DATA】
BIZARRE GREEN
長野県長野市篠ノ井布施高田879-1
TEL026-247-8160
営業/11:00~20:00
休み/火曜
https://www.bizarre-green.com

この記事を書いた人
傳田達朗
この記事を書いた人

傳田達朗

塊根植物案内人

セレクトショップ 「BIZARRE GREEN」オーナー。約20年勤務したアパレルメーカーで商品企画やプレスを担当。2019年に独立し、地元である長野市にアパレルをメインに趣味の延長で植物も扱うセレクトショップBIZARRE GREEN(ビザールグリーン)をオープン。植物以外の趣味はヴィンテージ雑貨の収集など。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏服選びはエイトジーで完成させる! “ちょうどいい”アメカジアイテムが続々登場

  • 2026.05.01

エイトジーで完成させるお気に入りの夏支度。アロハにショーツ、Tシャツなど、エイトジーらしい“ちょうどいい”アメカジアイテムが今シーズンも徐々に揃い始めているぞ。 生地、グラフィック、色合いがマッチし、まるで着るアートピースのような存在感。|Waikiki Leaf & Fish Lot:8A...

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

これが“未来のヴィンテージ”。綿、糸、編み機……すべてに徹底的にこだわる唯一無二のカットソー

  • 2026.04.27

綿、糸、編み機……。素材から製法まで徹底的にこだわり、唯一無二のカットソーを創り続けるライディングハイ。「FUTURE VINTAGE(未来のヴィンテージ)」を目指す彼らのフィロソフィは如何にして形成されているのか。プロダクトの根幹をなす代表・薄 新大さんの“アイデアの源”に迫る。 More tha...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

Pick Up おすすめ記事

スニーカー派こそ知っておきたい、「クラークス オリジナルズ」の名作シューズとその歴史。

  • 2026.05.12

ご存知、英国生まれのシューメーカー「クラークス オリジナルズ」。実は本誌が標榜するアメリカンスタイルとも縁深い同ブランドの魅力について創業から現代にかけての歴史や数々の名作とともに、再考してみたいと思う。 英国で生まれ、アメリカで人気に火がついた稀有な存在。 アメカジ好きの本誌読者の皆様は、クラーク...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

大人メンズの手首に最適解なバングルを……「アリゾナフリーダム」を象徴するモチーフ“唐草”。

  • 2026.05.08

アリゾナフリーダムを象徴するモチーフのひとつ、唐草。創業当初から脈々と受け継がれ、ブランドの核として多くのファンに愛され続けてきた、いわば普遍的なデザインだ。一見すると同じ唐草でも、彫りの深さやラインの強弱、バングルの幅やサイズによって印象は大きく変化する。その多彩な表情こそが、このモチーフの大きな...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...