販売からメンテナンスまで、クラシックミニのことならおまかせ。
今や単に「ミニ」と言えば、BMW MINI を思い浮かべる若い世代が多くなってきているが、クルマ好きにとって「ミニ」と言えば、スクエアなボディが愛くるしいイギリスが誇るコンパクトカーであるクラシックミニに他ならない。そんなクラシックミニを数多く取り扱う専門店が群馬県の赤城山麓に位置するミニ屋Ai フラジルだ。
クラシックミニ全般的に在庫が少なく価格が高騰している昨今にあって、40~50台の在庫を常時ストック。中でも’60 年代のヴィンテージモデルの在庫も数多く、珍しいモデルに出会うことができる。またパーツやグッズのストックも膨大で、ショールーム2F のオフィスは訪れるだけでも楽しめる空間になっている。
1981 MORRIS MINI VAN
一般的なミニのホイールベースを約10㎝、そしてリアのオーバーハングを約15㎝ストレッチし、広くなった荷台部分を活かして近距離の輸送で活躍したのが、ミニバンと呼ばれる派生車両だ。
同じく車体の長いモデルとしてカントリーマンやトラベラーの名前で知られているワゴンモデルが有名だが、バンはリア側面の窓がないのが特徴。さらにバンは酷使されているため車体が傷んでいるケースも多く、圧倒的に現存している台数は少ないという。
ここに紹介するのは、ミニバンの販売終了の年にあたる`81年式。通常モデルは`70年モデルよりドアヒンジが車体に隠れ、窓ガラスが上下開閉となったMk-Ⅲモデルとなるが、バンのボディはこの最終年式までMk-Ⅱ時代の特徴を色濃く残したボディとなるのが特徴だ。
外観の特徴としては通常は備わらないオーバーフェンダーを装着している。約10年前には機関系のオーバーホールも行われているので、日常の足としても使える貴重なヴィンテージミニである。
【スペック】
全長:3299mm
全幅:1410mm
全高:1346mm
ホイールベース:2138mm
エンジン:直列4気筒
排気量:998cc
燃料供給方式:キャブレター
駆動方式:FF
乗車定員:4名
価格:295万円(税別)
1968 MORRIS MINI MOKE Mk-Ⅱ
数多いミニの派生モデルの中でもよく知られているポピュラーなモデルが、ジープスタイルのボディを架装したモークだろう。元々ジープ同様にイギリス軍向けに開発された軍用車両だったものの、結局はタイヤ径が小さく、悪路走破性が低かったため、正式採用されなかったという経緯を持つ。
そこでレジャーユースに転用し’64年に市販すると、後にビーチリゾートなどのレジャービークルとして成功を収め、イギリスのみならず、オーストラリアやポルトガルでも生産され、’93年までに合計5万台が生産された。
中でもイギリス生産のモークは’68年まで、つまりMk-ⅠとMk-Ⅱ時代のみで、後のモデルと比べるとロールバーがないシンプルなスタイルで、幌の形状も異なるのが特徴。幌は骨組みごとリアシート後部にコンパクトに畳むことができ、フロントウィンドーも簡単に取り外せる。これによって全高が1m弱となることから、車体を積み重ねて輸送可能という軍用車時代の設計が色濃く残ったディテールとなっている。
取材車両はイギリス生産モデルの最後期となる’68年式のモーリスモークで、アルミホイールを装着している以外はストック状態をキープした個体だ。4人でオープンエアドライブを楽しむことができる。
’60年代の珍しいモデルも数多く展示。
群馬県の赤城山麓にあるオフィス&ショールームには、数多くのヴィンテージミニが展示され、近くにあるストックヤードを含めて40 台近いミニが常時ストックされている。また2F には貴重な当時モノのホイールやステアリングなどのパーツ類を多数展示。みているだけでも楽しい。
オフィス&ショールームの隣の建物はファクトリーとなっており、数多くのクラシックミニが整備やメンテナンス作業を受けていた。
【DATA】
MINIIYA Ai FRAGILE
群馬県前橋市富士見町小暮2444-8
TEL027-288-9985
営業/平日11:50〜19:30、土日祝祭日10:00〜19:30
休み/月曜、第2火曜、第3日曜
http://www.miniya-fragile.com/
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)
Text & Photo/D.Katsumura 勝村大輔
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