歴代ホットロッドの名車が大集合。カリフォルニアのNHRAミュージアムに潜入!

昨今、日本でも草レースが開催されるようになり、流行とは程遠くとも、旧車ファンの中ではホットロッドがひとつの文化として浸透してきているように感じる。ホットロッドを紐解くには、まずは本物の車両や歴史に触れるべし。というわけで、歴代の車両が格納されるNHRAミュージアムに潜入。

ホットロッドの文化がわかる、名車勢ぞろいのミュージアム。

館内には写真や資料だけでなくホットロッドの歴史に関わる様々なグッズが展示されている。ドラッグストリップのオフィシャルジャケットも貴重なコレクターズアイテムだ

カリフォルニア州ポモナに位置するNHRAモータースポーツミュージアム。アメリカには様々なミュージアムが存在するが、ココは’50年代に設立されたNHRA(National Hot Rod Association)が運営する、アメリカの歴史上のドラッグレースやソルトレイク/ドライレイクのスピードトライアルに特化したレース車両に焦点を当てたミュージアムだ。

アメリカのホットロッド文化に触れ、学べる場所として1998年にオープン。展示車両は時期によって入れ替わりがあるが(このページの撮影は昨年8月)、常時50台程度のレース車両が展示されている。そのすべてがレースの記録を樹立した車両や著名なビルダーが製作した車両など、ホットロッドの歴史に名を残す名車ばかり。

実際のレースカーの他に、エントランスにはホットロッドの歴史と発展を表現した演出が用意されている。英語の説明文を読みながら、歩き進めれば展示をより深く楽しめる

それぞれの車両には簡単な説明文が書かれたボードが用意され、さらに、アメリカンレーシングの歴史に纏わるグッズや写真、資料が展示されているので、読み進めながら歩いたら丸一日いても時間が足りないほど膨大な情報が詰め込まれた、ホットロッドの文化を知るには絶好の場所なのだ。

ホットロッド関連のイベントが日本でも増えているとは言え、トラディショナルな文化だからこそ本物の歴史を知ることも重要。ホットロッドに興味があれば、カリフォルニア旅行の際にはゆっくりと時間をとって立ち寄ることを勧めたいスポットだ。

ボンネビルで200mph以上の記録を樹立した人のみがメンバーに認められる200mphクラブのグッズの展示。スピードに夢を馳せるホットロッダーの憧れのアイテムである

ホットロッドの歴史を築き上げたレースカーやショーカーが並ぶ。

ビュイックのストレート8エンジンを搭載する’32年フォード・ロードスター。1990年に完成し、翌年エルミラージュのドライレイクにて151mphのクラスレコードを樹立。そして、ボンネビルでも平均速度169.941マイルで新記録を更新、このタイムは今も破られていない。

BEAST Ⅲが記録を更新した翌年、カムチューナーのチェット・ハーバートと、KUSTOMのルーツと言えるバリス兄弟のコラボレーションによって1953年に製作されたストリームライナー、BEAST Ⅳ。流線型のオールアルミボディをバリスが手掛け、まさにホットロッドとKUSTOMが融合した奇跡の1台だ。

レジェンド・ビルダーAYALAブラザーズが’50s初頭に製作したEDDIE DYE ROADSTER。後に姿が変わるが、Circle City Hot Rodsによってレストアされ、2018年のグランドナショナルロードスターショーでMost Beautiful Roadster Award を獲得。

フォードモデルTの軽量化を追求して1950sに製作された“THE BUG”。マーキュリーのフラットヘッドV8エンジンを搭載。

NHRAの創設者であるウォーリー・パークス氏が’50s前半に乗っていた’29年フォードモデルAロードスターのレプリカ。

1952年にチェット・ハーバートが主体となって製作したBEAST Ⅲ。グラスファイバーで流線型ボディを製作し、自作のカムをインストールしたHEMIエンジンを搭載。平均速度235.991mphを記録し200mphクラブ入りを達成。

ムーンアイズを代表するレーサーの1台であるボンネビルストリームライナー。フレッド・ラーセン氏が運転して、スピードトライアルで307.227mph の速度記録を樹立。

1958年に当時最先端のB-58爆撃機に因んで命名されたHUSTLER 1。1959年1月のホットロッドマガジンの表紙を飾ったマシンだ。

最速の夢を追いかけた珠玉のレースカー。

1955年カンザス州グレートベントで開催されたNHRAナショナルドラッグスで優勝したドラッグスター、J.E.RILEY SPECIAL。オリジナルパーツを使用して復元されている。

ビルダー兼ドライバーのメルビン・ハースのドラッグスター。1956年、カンザスシティのNHRAナショナルで優勝。

1957年、ライオンズドラッグストリップにて160mph以上の速度を記録。安全性の懸念からレギュレーション変更を余儀なくされたほど歴史上重要なドラッグスター。

美しいパープルのファイバーボディが目を惹くドラッグスター。’56年にNHRAナショナルズの記録を樹立し、’57年にはカスタムショーでも権威あるアワードを獲得。

モーターサイクルのレジェンドライダー、クレム・ジョンソンが製作したヴィンセントベースのドラッグレーサー“The Barn Job”。ドラッグレースにて160mphを記録した最初の二輪レーサー。

HONDAカブベースのレーサーは排気量100ccで、ボンネビルにて平均速度84.816mphを記録し、ライオンズドラッグストリップでは82.79mphにてH-Dを破った驚異のマシンだ。

392スーパーチャージドHEMIエンジンを搭載する“L.A. CHALLENGER”。Coca cola Cavalcadeof Starsの一員として全国のレースに参戦した。

【DATA】
NHRA MOTORSPORTS MUSEUM
1101 W McKinley Ave, Pomona, CA 91768
TEL+1 909-622-2133
https://nhramuseum.org/

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

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