古着屋さんの仕入れは夜明け前から。
ローズボウルの朝は早い。早朝5時からスタート。夜は明けていない。但し、このフリマ、一般客は9時から。それ以前は高いチケット代金を支払うプロ向けの時間。
プロとは仕入れ目的の人たちで、日本からの古着バイヤーも多数訪れる。プロにとっては競争の場だから、懐中電灯を持って戦闘モードだ。彼らが古着市場を育ててきた歴史がある。ここでの人気アイテムが街のブームを作り、ここでの仕入れ価格が相場を成す。
「最近、ヴィンテージ古着が値上がりしてるよね」って話の裏には、ローズボウルの存在がある。それを踏まえてローズボウルに行けば、思わぬお買い得品を見つけたときの喜びもひとしお。ますます楽しめるというものだ。
リビングからガレージまで旧いモノに囲まれちゃう?
旧いモノに囲まれた暮らしは素晴らしい。味わい深いアイテムに囲まれたいから、カリフォルニアのアメリカ人はローズボウルにやって来る。古着ほど高騰していないのもポイントだ。
我々日本人にとって、悩みの種は日本への輸送だ。しかし、諦めることなかれ。日本語対応可能な運送会社も会場内に出店しているし、よく調べれば帰りの飛行機で持ち帰れるモノも多い。編集部員も、かつてフリマで買った3メートル四方のカーペットや自転車も飛行機でハンドキャリーした経験がある。
ネット時代だからこそ、ローズボウルは他人事ではなくなってきた。新しく家を建てる、お店を開店させる、ガレージを作る……。日本国内でインテリアを完結させるより、旅費や送料を入れてもローズボウルに行った方が安上がりになるかもしれない。何より、品定め自体が楽しいに決まっている。
「アメリカ人はいいな~」なんて指をくわえている場合じゃない! 訪れれば誰だって必ず欲しいモノに出逢える場所、それが西海岸最大、世界屈指のフリーマーケット、ローズボウルなのだ。
まだまだあります、気になったアイテム一挙紹介!
日本にもコレクターが多い、アンティークトイカー。今も昔もキッズは働くクルマが大好きだったのだろう、トラックが多い。
リアルミリタリーの担架。固定具もしっかり使えるコンディション……とは言え、担架は担架として以外の用途が見つけられないので、欲しかったけど購入を断念。275ドル
アンティークのステンレス製ティーポット他5点セット。北欧や英国でポピュラーとなったウッドハンドルデザイン。185ドル
アンティークのハンガー掛けや南京錠など、インテリア小物も探せばキリがない。金属の風合いはアンティークじゃないとね。まとめ買いでより安くしてもらうのがフリマ戦略。
塊根植物の鉢植えブームは日本だけじゃなかった。以前はローズボウルではあまり見かけなかった。植物は日本に持ち帰るのは簡単じゃないので注意が必要。検疫の対象だ。
アンティークのアウトドアフォールディングチェア。マリンカラーのストライプが美しいじゃないか! コットンの座面にウッドのフレーム。現代ではありそうで見つけられない逸品。
かつて、CLUB Lightningの一点ものフリマで編集部・松島が販売した蓄音機も、じつはココで購入したものだった。オーバーホール済みの良品が揃う。
【DATA】
ROSE BOWL FLEA MARKET
1001 Rose Bowl Dr Pasadena, CA
https://www.rgcshows.com/rose-bowl/
毎月第2日曜日開催
※入場料は入場する時刻によって異なります
※情報は取材当時のものです。
(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)
Text/A.Matsushima 松島睦 Photo/M.Miyazaki 宮崎良将(Seven Bros.)