時間をかけて使い込むことで磨き上げられたライフスタイルとリンクするモノ選び。|「Andfamilys Co.」代表・村上游さん

カジュアルスタイルを得意するアンドファミリーの代表、村上游さんのモノ選びのこだわりは、世間の評価によって与えられた一般的な価値や流行に囚われず、実際に使用してライフスタイルにフィットすること。自身の経験から選択されたリアルなモノや空間が豊かなライフスタイルの鍵となる。そんな村上さんのライフスタイルを覗かせてもらった。

「Andfamilys Co.」代表・村上游さん|アウトドアやミリタリーをベースとした遊び心の効いたカジュアルスタイルを提案するアンドファミリーの代表。趣味や遊びとリンクする愛用品に多趣味なライフスタイル が表れている

良いモノでも自分に合わなければ意味がない。

雑誌の切り抜きやタグ、ステッカーなどをDIYでランダムにコラージュしたセンスに遊び心が感じられる。少年時代からバス釣りを趣味とする村上さんのライフスタイルが表れている

麻布十番に事務所を構えて約30年。移りゆく東京の様々な流行を間近に感じ続けてきた村上游さんの仕事場や持ち物には等身大という言葉が当てはまる。事務所は予約制だが、日々取引先や友人が訪れ、そこから新たな企画や遊びが生まれる場所だ。

「ガレージのような場所がイメージ。と言っても、過度に作り込むわけではなく、極端に飾らず、好きなモノに囲まれた空間。DIYのディスプレイや棚など、ある程度ラフな雰囲気が好みです」

事務所の壁の一面には旧いチョッパーマガジンやホットロッドマガジンの切り抜きのコラージュがディスプレイされている

そして、ウエアや趣味の道具は膨大な量を所有するが、収集癖という言葉とはニュアンスが異なるようだ。その選択眼は価値よりも自分のライフスタイルにリアルにフィットする事が重要視される。

「ファッションや趣味の道具は、新しくても旧くても、安くても高価なモノでも、自分が使ってしっくりくればイイ。だから、どんなモノでも納得するまで時間をかけて試すし、そこに辿り着くまでに何度も買い替えがあります。

優れたモノを持っていても使う時間がなければわからないし、リアルには感じられない。それに、例えば釣りに熱中したら釣りの道具だけでなく、釣りをする時の靴や洋服などにも興味が派生し、そこでも全てのモノを納得するまで探すし、気に入ったモノはずっと大切にする性格だからどんどんモノが増えてしまいます(笑)」

アンドファミリーの手書きのサインペイントは、アーティストのSketch氏による作品。その上には本物のブラックバスの剥製が並ぶ
ショーウィンドウの上に並べられたキューピー人形の半身にペ イントを施したアートはグラフィックユニットMOTAS WORKSにオーダーしたモノ

集まったのは、自分の生活にとってリアルに感じられるモノばかり。

アンドファミリーが2019年に製作したトライバルカモのM-51スタイルジャケットとマウンテンパーカ。過去のプロダクツの中でもお気に入りの逸品なのだとか。

パタゴニアのフリースライニングジャケット。20代の頃に’90sアウトドアの流行を経験した村上さんにとって、アウトドアスタイルは今も大きな柱となっている。

若い頃、動物が好きでオーストラリアに何度も行っていた頃に使用していたマウンテンスミスのバッグ。ナイロンが劣化しているため、今は使うことはないが思い出と共に綺麗に保管されている。

日常的に眼鏡やサングラスを着用するため、その日の気分に合わせてアイウエアをチョイス。右のフリップアップ式のサングラスはアンドファミリーのオリジナル。

バッシュの中では最も思い入れがあるというAJ1はオリジナル、’94年の復刻、2022年の復刻の3足全て白赤を所有。どれも実際に着用していたモノだが、履かなくなったオリジナルも丁寧に保管されている。

’90s当時のスポーツミックススタイルには欠かせなかったというニューバランスのスニーカーは、当時から今まで愛用しコレクションし続けているため、今は手に入れるのが難しいモデルも箱付きで保管されている。

数多くのアイリッシュセッターを所有する村上さんだが、’90sに販売されていたヴィブラム・ラグソールを採用する9878は、復刻した際に迷わず手に入れたモノ。

好きなことに没頭した経験から選び抜かれたプロダクツを拝見!

事務所の至る所にヴィンテージから現行まで様々な形状やデザインのルアーが並ぶが、全てトップウォーターのブラックバス用。

竿やリールはヴィンテージを愛用。ブレーキ機能のないリールなど、現行品に比べれば操作が難しいが、旧い乗り物と同じように、魚を釣ることだけでなく、アナログな道具を扱うこと自体を楽しんでいるのだとか。

バスがルアーに食いつく姿が見えるのがトップウォーターの醍醐味。ルアーは膨大なコレクションからその日の場所や気候、気分で選んで使用。

スヌーピーのプリントが入った希少なタックルボックスはオールドバル製。

村上さんの数え切れないほどの時計のコレクションの中から、今回はミリタリー由来のモデルを中心に最近のお気に入りを披露してもらった。

SEIKO AGS KINETIC Cal.5M22A。初期のSEIKO SUSシリーズのモデルで、自動巻き発電・蓄電機構付きクオーツ・ムーブメントを搭載。

’70sから英軍に腕時計を供給しているCWC(Cabot Watch Company)のダイバーズォッチ。実際に軍に支給されていたモデル。

そんな村上さんが選んだ、ライフスタイルを楽しむ相棒がこちら。

20年前に手にいれてから、フルレストアしてヴィンテージのネガティブな部分を改良し、今も東京を走り続けている’70年ダッジ・チャレンジャーR/T。モパーは派手なカラーリングのイメージが強いが、シンプルに乗りたかったために都会に似合うグロスブラックで塗装したのだとか。

純正オプションのカットシートのパターンを参考にペイントでホワイトラインを加えた特徴的なテール周り。このディテールから“ホワイトバニー” という愛称に。

エンジンは都会の走りにフィットするスモールブロック340を搭載。艶やかなグロスブラックが美しい大人のスタイリング。純正オプションのラリーパーツを各部に採用している。

「最近は昔のように飛ばすことはないですが、夜の空いている東京の道路で、ヴィンテージカーのフィーリングを味わうのが好きですね」

(出典/「Lightning2023年3月号 Vol.347」)

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