留之助商店 Replicar 2019 Chopsticks Rest

「それ使うの?」と言われたら、「うーん」と即答できずに困ってしまう買い物をよくする。でも使わずに手元に大切に置いておきたいモノってあるじゃない。私の場合はSF映画の『ブレードランナー』もの。といっても毎日ブレラングッズばかり探しているわけでなく、何かの拍子に自然と出会ってしまうことが多い。今回手に入れたアイテムもそのひとつ。
端的にいうと箸置き。でも映画に出てくるポリススピナー。この相反するものを組み合わせるセンスに、迷わずポチっとしてしまった。陶芸の里、岐阜県多治見市市之倉の窯元にて製造されたそうで、この市之倉は平安の昔から窯の火を絶やさずにやきものを作り続けてきた窯元の集落。現在でも町内では50軒ほどの窯元が点在しており、先人たちの気概と伝統を受け継いだ多くの陶芸家がやきものを作り続けている。
そんな場所で手作りされた陶磁器は、柔らかい曲線を帯びたボディが可愛らしく、釉薬の淡い色ムラも優しい感じで素敵である。ネオ・ノワールを基調とした暗く退廃的な近未来ビジュアルを持つブレードランナーの世界観とはまるで正反対である(笑)。
手元に届き弄っていたら気に入りすぎちゃって、もったいなくて箸置きとして使えない(泣笑)。


【問い合わせ】
留之助商店
http://tomenosuke.stores.jp
(出典/「Lightning 2021年11月号 Vol.331」)
Photo/A.Kuwayama 桑山章
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