これまでの常識を覆した! 糸のスペシャリストによるTシャツの最終形。

洗濯を繰り返しても全く斜行せず、ほとんど縮まない。しかも生地は肉厚で上品。Tシャツと軽々しく呼ぶことがはばかれる、最高峰の“T型のシャツが、リリースされた。これはTシャツラバーであれば、見逃せない。その特徴をこだわりをお届けする。

膨大な実験データから生まれたオリジナルブランド。

モノづくりの町として知られる東大阪にあるエップヤーンは、糸のスペシャリストとして、ファッション業界では知られる存在。特にリネンにおいては唯一無二の存在で、数多くの著名なブランドのモノづくりに関わっている。

代表取締役の筒井利彦さんは、一時期ピザ職人を目指していたそう。料理が好きで、エップヤーン社員の昼食は、実は筒井さんが毎日社屋のキッチンで手作りしているというから驚きだ。また、芸大に合格するほど絵の腕にも覚えがあり、社内の至るところに額装された筒井さんのデッサン画が飾られている

そんな同社は、現在代表取締役を務める筒井さんが2000年8月に両親と共に創業した。当初から“捻じれないかっちりしたモノづくり”をテーマに糸を作り、2005年から現在のメイン商材であるリネンを扱うようになったという。

基本的には、紡績会社から生地糸を仕入れ、それをニット(セーター)用の様々な糸に加工するのが仕事。ここで作られた糸が、製品化されたニットの質感や着心地に直結するため、あらゆる要望に応えるべく、この社屋では日々様々な糸を作ったり、ニットに編んだものを洗濯してみたりと、さまざまな項目におけるテストが行われている。

こちらは生地段階で30回洗濯テスト(中性 洗剤のみ使用)したもの。最初に生地裏にこのようなマーキングをし、それを洗濯して斜行具合や縮みを検証。手描きの四角形が全く曲がっていないことが驚異的だ
コットンリネンのものを着用したサンプル。(右)新品、(中央)着用&100回洗濯、(左)着用&150回洗濯したもの。洗濯時は柔軟剤を使わず、洗濯用の中性洗剤のみ使用。美しいエイジングをしながら、生地は全くへたっておらず、斜行も一切なし

そうして蓄積された実験データは、すでに2万件近くもあるそうだ。

その結果をもとに辿り着いたのが、今回紹介するエップヤーンのオリジナルブランド「東大阪繊維研究所」のTシャツだ。コットンリネンとオールコットンの2種類あり、ともにモンスターオンスと名付けた約13.5〜14オンスもある肉厚な生地が特徴。

その最大の魅力は、エイジングした風合いが楽しめるのに、斜行せずほとんど縮まないこと。そして着心地もとてもいい。我々は、斜行して縮んだTシャツの風合いが大好きだけど、本音をいえば、やっぱり大きな型崩れはしないでほしい。このモンスターオンスのTシャツ、要注目である!

これが究極のTシャツだ!

HOFI-012 リネンコットン モンスターオンスTシャツ

コットン糸とリネン糸を組み合わせて編んだ「交編」によるコットンリネン生地のTシャツ。表地はリネン特有の光沢感のある上品な風合いが楽しめ、裏地は コットン特有の心地いい肌触りが味わえる。ネイビーの他、ブラック、チャコール、グレーの4色展開で、各19800円。

約14オンスもある生地感が、モンスターオンスという所以だ。生地の表側はリネン特有のハリと艶感のある風合いが魅力的。裏側はコットンなのでストレスなく着用できる
左袖先には、ブランド名のHOFI=東大阪繊維研究所の刺繍ネームが付く

HOFI-013 ペルー超長綿 モンスターオンスTシャツ

高級素材として知られるペルー超長綿を使ったモンスターオンスTシャツ。こちらも約13.5オンスという肉厚な生地でありながら、超長綿ならではの柔らかな肌 触りが魅力的だ。コットン特有のエイジングも存分に楽しめる。チャコールとネイビーの2色展開で、各19800円。

こちらは身頃両サイドに切り替えがあり、裾にはポケットが施されている。500mℓのペットボトルが入るので、かなり重宝するはず!

究極のTシャツが誕生する工場内部を拝見!

社屋の1階には太い番手用の130mmリングを装備したリング撚糸機が鎮座。特にリネンの撚糸では糸切れを防ぐため、あえて効率の悪い昔ながらのヴィンテージ機を使っているが、社員全員が簡単に操作できるように、最新のコンピュータ制御にカスタムして使用している。

3階は様々な項目におけるテストが日々行われており、ブランド名の「東大阪繊維研究所」の由来はここにある。ご覧のように試作用のニット 編み機も配備。ブランド担当者の目の前で作った糸を使い、ニットを編んで生地感を見てもらうこともあるという。

こちらは3階にあるリング撚糸機 1970年代頃のものだが、最新のコンピュータ制御にカスタムしている。3階にはリング径が75mm90 mm2基を配備。これらは細番手の撚糸を作るためのもので、これだけ非効率な撚糸機が稼働しているのは、世界的に見ても稀だ。

最新のコンピュータ制御にカスタムされたヴィンテージのリング撚糸機は、タッチパネルで簡単に細かな設定が可能となっている。撚糸の完成予想時刻まで表示される。

これがリング撚糸機という由縁であるリング部分。このリング上を糸を掛けたパーツがぐるぐる回ることで撚糸を作る。加工する糸の番手によって適するリングの直径は異なる。

こちらは紡績会社から仕入れた未染色の生地糸を使った実験結果。右から、未加工/撚りを強くかけたもの/撚りを弱くかけたもの/最終的に辿り着いた “斜行しない”撚り具合のもの。一度洗うと少し時計回りに捻じれるため、左端のわずかに捻じれた状態がベストだそう。洗うと完全にフラットな状態に仕上がるという。

2 階の一角には、オフィシャルショップも。意外にもここまで足を運ぶファンは多いそう。メンズだけでなく、レディス物や靴下などのニットアイテムも展開している
2階にあるショップには、筒井さんが手描きしたイラストをシルクスクリーンでハンドプリントしたモデルも販売している。希望のボディに希望のイラストをプリントできるのもハンドメイドならではだ

【お問い合わせ】
エップヤーン
TEL072-968-8615
https://www.eppyarn.co.jp

情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning 20217月号Vol.327」)

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ランボルギーニ三浦
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ランボルギーニ三浦

ヴィンテージ古着の目利き

全国的に名を轟かせていた札幌の老舗ヴィンテージショップに就職。29歳で上京。Lightning編集部、兄弟誌・2nd編集部で編集長を務めた後、現在は、Lightning副編集長に。ヴィンテージ、古着の知識はその道のプロに匹敵。最近はヴィンテージのロレックスが最大の関心事で、市場調査も日課のひとつ。ランボルギーニ三浦の由来は、もちろんあの名車。
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