自分らしさをプラスする、正統派な英国旧車の楽しみ方。

  • 2021.10.24  2021.04.29

1960年代の英国車にはどこか気品があり、それをあえてロッカーズなどの不良が乗るというのがまたかっこいい。そのかっこよさの理由は純正スタイルを守りながら、自分らしさをさり気なく入れるからだ。まさにそんな姿を体現している「ルイスレザーズジャパン」後藤恒明さんの英国車ライフを紹介!

当時は公道最速、いまは早いといいがたいけれど街乗りなら十分。

「ルイスレザーズジャパン」のマネージャーを務める後藤さんは、大のバイク好き。カワサキのZなどのレアな日本車やベスパ、そして英国車まで所有。

愛車のBSAは、ハンドルやマフラーは一部変えながらも、純正スタイルを楽しんでいる。

「このスピットファイアは、当時公道最速と言われ、英国車が黄金期を迎えていた最終期の名車だと思っています。この後に日本車が台頭し、英国の多くのメーカーが消滅しました。

かれこれ16年ほど前に英国車を探していて、周りにトライアンフやノートンに乗っている仲間はいたのですが、BSAはいなかったんです。ロッカーズの写真集でBSAに乗っているライダーがカッコよかったこと、そして公道最速との謳い文句にやられて買ってしまいました(笑)。

バーチカルツインのA65エンジンは、今では早いとは言い難いですが、街乗りなら十分ですし、不満はまったくないですね。オリジナルは前傾姿勢になるセパハンだったのですが、営業車として使うこともあったため、大人っぽい姿勢で乗れるスワローハンドルに変えています」

随所に遊び心がのぞく、トラディショナルな愛用品。

後藤さんのバイク関連の愛用品は、センスよくヴィンテージと現行品をミックスさせている。現行品と言っても昔からあるデザインであり、愛車が作られた1960年代頃の時代背景にリンクするものばかり。渋めのカラーリングで統一しているのも◎。

ルイスレザーズのエイトテングローブ

ルイスレザーズのグローブは、ライダースと同じレザーを使ったタフな作り。暖かい季節はライニングがないものを選び、冬は同ブランドのライニング仕様を選んでいる。

ルイスレザーズのサイクロン。

ルイスレザーズのサイクロンは、オリーブのシープスキンでスペシャルオーダーしたもの。腕にラインが入り、背面にはウルフズヘッドの幹田氏によるアートワーク。

腕に2本ラインが入っているのはスペシャルオーダーだからこそ。当時のレーシングジャケットで見られる飾りだ

ルイスレザーズのロードレーサーブーツ。

ルイスレザーズを代表するライディングブーツ。エンジニアブーツで乗る時もあるが、ロングツーリングする時は、かならずライディングブーツを着用。快適なアクセルワークで疲労軽減となる。

スタジアムのヴィンテージヘルメット。

こちらは1960年代のヴィンテージヘルメットで、小さな帽体が気に入って頻繁に被っている。59CLUBなど、英国らしいステッカーカスタムも注目である。

オリジナルを残した“大人な”英国車。

後藤さんの愛車であるスピットファイアは、ほぼオリジナルで構成された上品な印象。ただ当時は公道最速と謳うほど、レーシーなモデルであったためかなりの前傾姿勢。仕事でも使うので、ハンドルを変更し、大人っぽく乗れるように配慮。

【1967 BSA SPITFIRE MkIII】

バーミンガムスモールアームズの略称であるBSA。英国を代表する戦闘機であるスピットファイアと同じ名前を付けた人気モデル。当時、公道最速とも言われ、バーチカルツインのA65エンジンを搭載。ハンドルとマフラー以外はオリジナルコンディション。

マフラーはメガホンタイプに変更。 もともとはいかにも英車然としたキャプトンタイプだったので、かなりスタリッシュな印象に
ブレーキのワイヤーの留め方など、英国らしい意匠が随所に残っている。そんな部分にも愛着が湧いているそうだ
650㏄のオリジナルバーチカルツインエンジンであるA65を搭載。 旧車だが、現在の道路事情でも快適に走れてしまう
オリジナルはかなり低いセパハンだったので、少し姿勢が上がるスワローハンドルに変更。メー ター類はすべてオリジナルだ

(出典:「Lightning Vol.283」)

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