1.【デュース】市販車初のV8を搭載したホットロッドのフラッグシップ。
クルマに詳しくなくても、「デュース」という名前を聞いたことをある人は多いだろう。デュースという言葉は“2”を意味するフランス語源のスラングで、モデルAの後継モデルとしてフォードから’32年に登場したモデルBを、「二番目の〜」という意味でデュースという愛称で呼ぶようになったといわれている。
数ある年式、モデルの中で’32年だけが特別に愛称で呼ばれるのには理由がある。まずはフォードに初めてフラットヘッドV8を搭載した年式であること。それに合わせてモデルAと比べてフレームの強度がより向上したこと。そしてモデルAと比べても格段に洗練され、美しいボディを持つことなどだ。
そんな’32年をさらに有名にしたのが、’73年に公開されたアメリカ映画『American Graffiti』だ。映画の中では黄色いデュース3ウインドークーペが主人公のジョンが乗るクルマとして登場する。これが後にグラフィティクーペとして有名となることで、デュースの人気に拍車をかけたのだ。
デュースを手に入れるならこちら!
横浜の保土ヶ谷にある「デュースファクトリー」は、その名の通りデュースを中心とした’30年代のモデルを数多く取り扱っている老舗ショップ。写真は現在ファクトリーで作業中のグラフィティクーペのレプリカだ。
【問い合わせ】
デュースファクトリー
TEL045-333-4877
2.【ファットフェンダー】流れるような美しいフェンダーラインが魅力!
’30年代から’40年代にかけての自動車は、フェンダーがボディから飛び出した形状が基本となるが、そんな中でも’35年以降のモデルは、フェンダーの厚みがあり、流れるようなデザインゆえに、ファットフェンダーと呼ばれる。
ファットフェンダーは当然その特徴的なフェンダーラインを活かしたスタイルが多く、デュースのようにフェ
ンダーを外すようなカスタムは少ない。
ちなみに本来はストリートロッドにのみ用いてきたニックネームだったが、近年は広く一般的に使用されるようになっており、ローライダーのベースとしても人気の’30年代中盤のシボレーや’40年代前半のフォードなどもファットフェンダーと呼ばれることが多くなってきている。
3.【シューボックス】フェンダー一体のボディが、新しい時代を切り開く。
フォードは’49年にストリームドデザインと呼ばれる、これまでの常識を打ち破ってフェンダーとボディが一体のシンプルなスタイルを発表した。今でこそ当たり前のこのボディザインだが、当時は非常に画期的だった。またフェンダーが飛び出ていないため、その分キャビンを拡幅でき、居住性も大幅にアップし、人気を博したのだ。
シューボックスという名称の語源は定かではない。定説の「靴箱と似ている」というのはかなり無理がある。’60年代の自動車雑誌を見ると頻繁にこの年代のフォードに〜BOXと見出しが付くことから推測するに、「靴のようにツルっとした側面を持つ箱(クルマ)」と呼ばれるようになったというのが語源ではないだろうか?
4.【キングオブマーク】カスタムベースとして、人気の3年間。
フォードの兄弟車であるマーキュリーも’49年にストリームドデザインを採用し、フェンダーが一体化した新しいボディデザインを採用する。この’49年〜’51年までのマーキュリーは、後にKUSTOMやLEADSLEDなどと呼ばれるカスタムジャンルで人気となり、最もポピュラーなベースモデルとなる。
そんな人気をさらに後押ししたのが映画に頻繁に登場するマーキュリーだった。ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』、『アメリカングラフィティ』、『コブラ』などに登場することで不動の地位を獲得。’49年〜’51年の3年間のモデルはカスタムのベースとして有名となっていくのだ。
5.【1959】テールフィンが最も大きかった’50sデザインの絶頂期。
戦後の好景気を享受していたアメリカは、’50年代に入ると、本来移動手段だったクルマのデザインに、華やかさや豪華さを求めるようになる。クロームの装飾は年を追うごとに派手になり、本来クルマを衝撃から守るためのバンパーはクルマのデザインの一部となっていく。
そんな栄華を極めた’50年代のデザインは、次第にテールフィンをクルマに生やすことと結実する。このテールフィンは競い合うように毎年のように巨大となり、キャディラックやインパラは、この’59年にテールフィンの絶頂期となり、今でも人気の年式となっている。
急速に発達したテールフィンは、’60年になると急速に衰退し、数年で跡形もなく消えてしまい、’60年代のスクエアなデザインにシフトしていくこととなるのだ。
6.【トライシェビー】シボレーが最も華やかなゴールドエイジの3年間。
シボレーの歴代モデルの中でも、’55年〜’57年の3年間は時代を超えて人気が高く、この3年間を総称してトライシェビーと呼ばれている。アメリカでは’50年代の3年間であることから、Tri five Chevyなどと呼ばれることも多い。
人気の理由として’55年にシボレー初のV8エンジンが搭載されたことが挙げられるが、人気の理由はそれだけではない。シボレーは’54年モデルまで、リアフェンダーがボディから飛び出した旧めかしいデザインのままだったのだ。’55年に登場したモデルは、ボディにフェンダーが一体となった全く新しいデザインで登場した。つまりシューボックスが人気となったのと同じような理由だったのだ。
また’55年〜’57年という年は、前述したテールフィンが年々巨大化していった時代でもある。トライシェビーもこの例外にもれず’57年モデルは巨大なテールフィンが備わり、装飾も豪華になっていく。
【1955年】
【1956年】
【1957年】
トライシェビーを手に入れるならこちら!
埼玉県のドリームマシンはトライシェビーを中心に’50sカーを扱うスペシャルショップ。足回りやエンジンをアップデートし普段乗りできるカスタムシェビーを得意とする
【問い合わせ】
ドリームマシン
TEL048-929-1802
http://dream-machine-emo.com
関連する記事
-
- 2024.10.21
テスラModel 3で、520km走ってアメリカ最南端行ってみた!
-
- 2024.11.20
名車が並ぶ!クルマ、バイク好きのクラブハウスというガレージライフ。