【アメリカ車】時代を彩ったエポックメイキングなクラシックカー(旧車)6選。

19世紀末からスタートした長いアメリカ車の進化の歴史のなかには、何らかの理由で注目を集めることとなるエポックメイキングな年代やモデルが存在する。そんなアメリカ車のなかでも名作や記憶に残るクルマを知るうえでキーワードとなっている“ニックネーム”を中心に紐解いてみよう。

1.【デュース】市販車初のV8を搭載したホットロッドのフラッグシップ。

FORD MODEL-T

クルマに詳しくなくても、「デュース」という名前を聞いたことをある人は多いだろう。デュースという言葉は“2”を意味するフランス語源のスラングで、モデルAの後継モデルとしてフォードから’32年に登場したモデルBを、「二番目の〜」という意味でデュースという愛称で呼ぶようになったといわれている。

数ある年式、モデルの中で’32年だけが特別に愛称で呼ばれるのには理由がある。まずはフォードに初めてフラットヘッドV8を搭載した年式であること。それに合わせてモデルAと比べてフレームの強度がより向上したこと。そしてモデルAと比べても格段に洗練され、美しいボディを持つことなどだ。

そんな’32年をさらに有名にしたのが、’73年に公開されたアメリカ映画『American Graffiti』だ。映画の中では黄色いデュース3ウインドークーペが主人公のジョンが乗るクルマとして登場する。これが後にグラフィティクーペとして有名となることで、デュースの人気に拍車をかけたのだ。

デュースを手に入れるならこちら!

横浜の保土ヶ谷にある「デュースファクトリー」は、その名の通りデュースを中心とした’30年代のモデルを数多く取り扱っている老舗ショップ。写真は現在ファクトリーで作業中のグラフィティクーペのレプリカだ。

【問い合わせ】
デュースファクトリー
TEL045-333-4877

2.【ファットフェンダー】流れるような美しいフェンダーラインが魅力!

1936 Ford Phaeton

’30年代から’40年代にかけての自動車は、フェンダーがボディから飛び出した形状が基本となるが、そんな中でも’35年以降のモデルは、フェンダーの厚みがあり、流れるようなデザインゆえに、ファットフェンダーと呼ばれる。

ファットフェンダーは当然その特徴的なフェンダーラインを活かしたスタイルが多く、デュースのようにフェ
ンダーを外すようなカスタムは少ない。

ちなみに本来はストリートロッドにのみ用いてきたニックネームだったが、近年は広く一般的に使用されるようになっており、ローライダーのベースとしても人気の’30年代中盤のシボレーや’40年代前半のフォードなどもファットフェンダーと呼ばれることが多くなってきている。

3.【シューボックス】フェンダー一体のボディが、新しい時代を切り開く。

1949 Ford coupe

フォードは’49年にストリームドデザインと呼ばれる、これまでの常識を打ち破ってフェンダーとボディが一体のシンプルなスタイルを発表した。今でこそ当たり前のこのボディザインだが、当時は非常に画期的だった。またフェンダーが飛び出ていないため、その分キャビンを拡幅でき、居住性も大幅にアップし、人気を博したのだ。

シューボックスという名称の語源は定かではない。定説の「靴箱と似ている」というのはかなり無理がある。’60年代の自動車雑誌を見ると頻繁にこの年代のフォードに〜BOXと見出しが付くことから推測するに、「靴のようにツルっとした側面を持つ箱(クルマ)」と呼ばれるようになったというのが語源ではないだろうか?

4.【キングオブマーク】カスタムベースとして、人気の3年間。

1949 Mercury Series 9CM

フォードの兄弟車であるマーキュリーも’49年にストリームドデザインを採用し、フェンダーが一体化した新しいボディデザインを採用する。この’49年〜’51年までのマーキュリーは、後にKUSTOMやLEADSLEDなどと呼ばれるカスタムジャンルで人気となり、最もポピュラーなベースモデルとなる。

そんな人気をさらに後押ししたのが映画に頻繁に登場するマーキュリーだった。ジェームス・ディーンの『理由なき反抗』、『アメリカングラフィティ』、『コブラ』などに登場することで不動の地位を獲得。’49年〜’51年の3年間のモデルはカスタムのベースとして有名となっていくのだ。

5.【1959】テールフィンが最も大きかった’50sデザインの絶頂期。

戦後の好景気を享受していたアメリカは、’50年代に入ると、本来移動手段だったクルマのデザインに、華やかさや豪華さを求めるようになる。クロームの装飾は年を追うごとに派手になり、本来クルマを衝撃から守るためのバンパーはクルマのデザインの一部となっていく。

1959 Cadillac Eldorado Convertible(キャデラック/エルドラド)

そんな栄華を極めた’50年代のデザインは、次第にテールフィンをクルマに生やすことと結実する。このテールフィンは競い合うように毎年のように巨大となり、キャディラックやインパラは、この’59年にテールフィンの絶頂期となり、今でも人気の年式となっている。

1959 Chevrolet Impala 4dr Sport Sedan(シボレー/インパラ)

急速に発達したテールフィンは、’60年になると急速に衰退し、数年で跡形もなく消えてしまい、’60年代のスクエアなデザインにシフトしていくこととなるのだ。

6.【トライシェビー】シボレーが最も華やかなゴールドエイジの3年間。

シボレーの歴代モデルの中でも、’55年〜’57年の3年間は時代を超えて人気が高く、この3年間を総称してトライシェビーと呼ばれている。アメリカでは’50年代の3年間であることから、Tri five Chevyなどと呼ばれることも多い。

人気の理由として’55年にシボレー初のV8エンジンが搭載されたことが挙げられるが、人気の理由はそれだけではない。シボレーは’54年モデルまで、リアフェンダーがボディから飛び出した旧めかしいデザインのままだったのだ。’55年に登場したモデルは、ボディにフェンダーが一体となった全く新しいデザインで登場した。つまりシューボックスが人気となったのと同じような理由だったのだ。

また’55年〜’57年という年は、前述したテールフィンが年々巨大化していった時代でもある。トライシェビーもこの例外にもれず’57年モデルは巨大なテールフィンが備わり、装飾も豪華になっていく。

【1955年】

’55年モデルはシンプルなグリルに直線的なボディモールを持つ。モールで塗り分けるツートーンカラーの設定も当時としては画期的なことだった

【1956年】

リアフェンダーの形状が変更となり、徐々にテールフィンが大きくなっていく。ボディモールもテールフィンを強調するように下方へカーブしている

【1957年】

’57年になるとテールフィンはさらに巨大になり、テールフィンのトップにクロームの装飾が施され、より豪華になった

トライシェビーを手に入れるならこちら!

埼玉県のドリームマシンはトライシェビーを中心に’50sカーを扱うスペシャルショップ。足回りやエンジンをアップデートし普段乗りできるカスタムシェビーを得意とする

【問い合わせ】
ドリームマシン
TEL048-929-1802
http://dream-machine-emo.com

(出典/「別冊Lightning Vol.164 オールドアメリカンカルチャー」)

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モヒカン小川
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モヒカン小川

革ジャンの伝道師

幼少期の革ジャンとの出会いをきっかけにアメカジファッションにハマる。特にレザー、ミリタリーの知識は編集部随一を誇り、革ジャンについては業界でも知られた存在である。トレードマークのモヒカンは、やめ時を見失っているらしい。
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