これは人間がペダルを踏むときの力を、電動モーターがアシスト(補助)する機構のことなのだ。当たり前だがモーターの力だけで自走することはできず、自転車と同じように、ペダルを漕がなければ走ることはできない。
e-bikeが最初に市販されたのは1994年で、テクノロジーの進化とe-bikeの普及に伴いモーターやバッテリーの性能がアップ。小型化が進み走行可能距離も長くなり、実用性と利便性が向上している。自転車と同じようにシティタイプやファミリータイプ、ロードバイクやマウンテンバイクなど、いろいろな種類のe-bikeが各国のメーカーから発売されている。
日本ではお母さん御用達の実用車として広く普及しているが、欧米ではよりデザインや趣味性に特化したモデルが多く存在しているので、どんな種類が現在販売されているのか主な6タイプを紹介していこう。
1.子供を乗せて走るママの強い味方【ファミリーモデル】
自転車は原則として2人乗りが禁止されているが、2人までの幼児を乗せることができる。子供を乗せて乗り降りするときに不安定にならないよう、重心を低く設定したフレームや、安定した幅の広いスタンドになっているのが特徴だ。普通の電動アシストと見た目はさほど変わらないが、子供を乗せることを考えると安全性重視のこちらがおすすめ。
2.街中を颯爽と走るための快適仕様【シティバイクタイプ】
通勤や通学、買い物など短い距離を走るために作られた実用的な自転車。女性でも乗り降りが簡単にでき乗りやすさを重視している。他のタイプと比べて販売台数が圧倒的に多く、町中で走る多くの自転車がこのタイプになっている。
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3.道なき道も突き進める!【MTBタイプ】
未舗装のオフロードを走ることのできる自転車で、悪路の衝撃に耐える頑丈なフレームと、走破性の高いブロックタイヤを採用している。フロント&リアにサスペンションを装備しているモデルも多く、アウトドアでの存在感は抜群。男性でもかっこよく乗りこなせるので、最近人気になっているモデルだ。
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4.本格的なスポーツ走行も可能!【ロードバイクタイプ】
速く、そして長い距離を走ることが第一の自転車で、車体はできる限り軽量化されており、余計な機能はついていない。ロードレースなど競技用に特化したモデルも多く、サイクリングにもよく使われる。通勤に使用する人も少なくない。こちらもここ最近のトレンドだ。
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5.折りたたんで持ち運べる【ミニベロタイプ】
車体やホイール径が小さい自転車のことで、手軽に乗れるところが人気。ホイール径が小さいことから、スタートダッシュと加速に優れているので、ストップ&ゴーが多い町中で威力を発揮する。その反面スピードをキープするのが難しい。
6.デザインにこだわったスタイリッシュモデル【ハイテックモデル】
人間工学に基づいた設計の車体にカーボンフレームやベルトドライブなど、最先端の素材やテクノロジーを投入して開発された自転車。最初からe-bikeとして開発されたものもあり、スマホとの連携など新しい機能も備えている。ここまでくるともはや電動アシスト自転車の枠を飛び越えた、ハイスペック自転車だ。
購入前に知っておきたい電動アシスト自転車「e-bike」のソボクな疑問。
「e-bike」に興味が出てくると、同時に沸き上がってくるいろいろなギモン。どういう仕組みで動くのか、法律関係はどうなのか、好きなようにカスタムできるのか……。「e-bike」をについての素朴な疑問にお答えしよう。
Q.1 “アシスト”ってどういうこと?
電動アシストとは人間がペダルを踏む手伝い(アシスト)を、電気モーターが発生する力で行う機構のこと。モーターはe-bikeに搭載したバッテリーから電気の供給を受けるようになっている。モーターはペダルのついているクランク部分などに付けられ、ライダーがペダルを踏むとモーターがプラスαの力を加える。するとモーターなしでペダルを踏むより格段に軽く踏むことができる。モーターの力だけでの自走はできず、ペダルを踏まないと走らない。
e-bikeは道路交通法でモーターと人の力が独立したままでは作動せず、人の力に対する補助力として作用するように設計された自転車となっている。そのためモーターだけで走れるものは原動機付自転車となり走行には免許が必要。
またe-bikeの電動アシスト機能はスタートから24km/hに達するまで有効となるが、それ以上のスピードになるとアシスト機能が停止。24km/h以下になるまで人力で漕ぐことになる。電動アシスト機能の補助力は、10km/h未満でペダルを踏む力と補助力の比率が最大で1:2。アシスト機能が有効な10~24km/hではスピードが上がるにつれ補助力が減少する
Q.2 充電が切れたらどうなる?
充電が切れるとアシスト機能は使えないが、自転車と同じようにペダルを踏めば走ることはできる。当然補助力がなくなるのでペダルは重くなる。最近はバッテリー容量も大きく、長距離走行できるものも増えている。
Q.3 ペダルを漕がなくても走れる?
e-bikeは人力でペダルを踏まずに、モーターの力だけで走ることはできない仕組み。下りの坂道などペダルを踏まずに惰性で走ることはできるが、走り続けるには漕がなくてはならずモーターはあくまでも補助なのだ。
Q.4 電動ユニットを自分で付けるのはNG?
自転車をe-bike化するキットやパーツはいろいろとある。しかしそれらを取りつけて公道を走行するには、駆動補助機付自転車として国家公安委員会による型式認定を受ける必要がある。認定を受けないと法律違反になる。
Q.5 速度規定をオーバーするe-bikeは日本では乗れないの?
e-bikeには事故防止のため無制限にスピードが上がらないようにさせるリミッターがついている。これを解除してもっとスピードが出るようにすると、無免許運転などの道路交通法違反や道路運送車両法違反に問われる可能性がある。制限以上のスピードになるとブレーキや車体などが追いつかず危険だ。
自転車の枠を越えるe-bikeは原動機付き自転車のようにヘッドライトや方向指示器など保安部品の取り付けが義務づけられる。また、原動機付き自転車と同じ扱いになると市町村での登録しナンバープレートの交付を受けることが必要になる。
Q.6 e-bikeのカスタムは可能?
e-bikeも自転車と同じようにパーツを交換したり、性能をアップするなど好きなようにカスタムすることはできる。しかしそれはあくまでも法律の範囲内で行うことが前提になる。またe-bikeの機能を損なったり、故障などやにつながるようなことは厳禁。車両よってはつけたいパーツがつかない場合もある。
Q.7 e-bikeのスペックってどう見るの?
電気を使うe-bikeなのでスペックの表記には電気の専門用語が使われる。「V」はバッテリーやモーターの電圧。「Ah」はバッテリーの容量を表し、数字が大きいほど容量が大きく走行距離が長い。その反面重量は重くなる。「W」はモーターの出力を表し、大きいほどパワフルなモーターということになる。
電動アシスト自転車(e-bike)だけでなく自転車による事故が増えていることを背景に、保険への加入などが義務化されるなど自転車の乗る際にはきちんと法律を把握することが大事。カッコいいデザインのe-bikeが続々デビューしているので、安全に気を付けつつ、お気に入りの一台を見つけてみてほしい。
※情報は取材時のものです。
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