鞄職人が愛用する鞄とは? 生きたさまをまざまざと見せつけられるブルハイド。

鞄を手掛けるスペシャリストたちの気になる愛用品。今回見せてもらったのは、ブルハイドレザーに特化してプロダクツを展開しているKIGOの内山高之さんが、ブルハイドを使うようになった初期に作ったショルダーバッグ。そのディテールと、バッグへの思いを伺った。

敬遠されがちなブルハイドをどうかっこよく見せるか。

「KIGO」内山高之さん|神奈川県出身。大学に通うために関西に移り住む。金欠だった学生時代、やむを得ず手作りでバッグを作ったところ、思いのほか周りからの評判が良く、大学卒業後、人の巡り合わせが良く鞄作りの道へと歩むこととなる。その後、2014年にブランドKIGOを設立

大学在籍当時から必要に駆られて作り始めていたバッグ。卒業後、必然的にバッグ作りの道へ。小売業から、製造まで、並行しながらもひと通り経験し、自身のブランドを設立したのは2014年。現在のKIGOへと成長するターニングポイントとなったのは、ブルハイドに出会ってからだという。

「ブルハイドは長く生きている分、成長過程も長いため、シボも大きく、傷も多いことからモノ作りの業界ではわりと敬遠される革なんです。なかには革を漉くときに初めて気づくのですが、分厚いブルハイドの中に散弾銃の弾が埋まっていることだってありますから。

一般的にそれらの傷のある革や大ぶりのシボって、品質が安定しないとか傷があるからって喜ばれないんでしょうけど、ボクは違いました。ブルが生きてきたさまをまざまざと見せつけられて、使ってみたいなと。そんな革だと初めから解っているのなら、鞣しの段階から、手間を惜しまず、かっこよく仕上げてやれば良いじゃないかって思ってたんです」

以来、KIGOではブルハイドに特化してプロダクツを展開。そんな彼が愛用するバッグ。それは、ブルハイドを使うようになった初期に作ったショルダーバッグだ。

【内山さんの愛用バッグ】Half flap shoulder L

8年ほど使用したとは思えないほど、美しいブルハイドレザーのショルダーバッグ。特有のシボがバッグのデザインと調和しており、いかにも上質なバッグと理解る雰囲気を醸し出す。Sample

ブルハイドレザーに特化してプロダクツを展開するようになった2016年頃に内山氏が作ったショルダーバッグ。長生きするブルだけにシボが大きく、傷の多い革をどうかっこよく見せるか。当初のコンセプト通り、美しく雰囲気のあるバッグへと仕上がっている。10年、20年と経たバッグも見てみたいものだ。

【DATA】
KIGO STORE
Tel.06-7171-8411
https://www.kingyoseihou.com

※情報は取材当時のものです。

(出典/「CLUTCH2024年2月号 Vol.94」)

この記事を書いた人
CLUTCH Magazine 編集部
この記事を書いた人

CLUTCH Magazine 編集部

世界基準のカルチャーマガジン

日本と世界の架け橋として、国外での販路ももつスタイルカルチャーマガジン。本当に価値のあるモノ、海外記事を世界中から集めた、世界基準の魅力的コンテンツをお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

今季ワードローブに加えたいアイテムを厳選紹介! 「EIGHT-G」で秋支度。

  • 2026.10.04

秋の装いが楽しくなる季節。ミリタリーやワークといったアメリカ由来の実用服をベースに、素材やディテールへこだわりを詰め込んだエイトジーの新作から今季のワードローブに加えたいアイテムをピックアップ。 (右)ジャケット110,000円(TMJ2615)、シャツ23,100円(8LS-81)、ジーンズ24,...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

Pick Up おすすめ記事

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。