英国の高級車メーカーとして知られるJAGUAR。手掛けてきたのは高級サルーンのイメージが強いが1960年代にデビューしたE-TypeはJAGUARをスポーツカーとして世界的に印象づけた銘車。そのフォルムは。のちにカーデザインに大きな影響を及ぼし現在も多くのカーファンたちが心酔してやまない1台だ。
衝撃だったパフォーマンス性能の高さ。
1961年にスイスで開催されたジュネーブモーターショーにて鮮烈なデビューを果たしたJAGUAR E-TYPE。流麗なボディラインと軽量でパワフルなエンジン性能。
当時、最高速度200㎞を超えるモデルは指折り数えるほど、その大台に乗せたこのモデルは大きな話題となり、JAGUAR社にとってスポーツカーのイメージを確固たる地位にすべき戦略としても、大成功を収めたモデルであり、のちのスポーツカーの歴史に大きな功績を残した1台とも言える。
このモデルはデビューから14年間生産されることになるがモデルチェンジは大きく分けて3度。それに応じてシリーズ1〜シリーズ3の名称が付けられる。今回紹介するモデルは最も初期のシリーズ1。かのスティーブ・マックイーンが愛した先代であるXKシリーズから3.8リッター直列6気筒DOHCエンジンが継承された。
当初アメリカのマーケットを意識して開発されたモデルだが予想外に世界中で反響が高く、空前の大ヒットとなった運と実力を兼ね備え、一気に大スターへとのし上がったのがE-TYPEである。
1964 JAGUAR E-Type Seriesl/3.8 Roadster
ロードスターとクーペの2種が同時に発表されたE-TYPE。なんと言ってもこのモデルの特徴はボディ形状の美しさ。デザイナーはマルコム・セイヤーで空力抵抗を極限まで抑えるように設計されている。さらにニューヨーク近代美術館(MoMA)にも所蔵され、 Ferrari創業者にも「これまで作られたすべてのクルマの中で、最も美しい」と称賛されるほど、エポックメイキングなモデルとなった。
クラシカルなウッド製のステアリング。現代車に比べると華奢でシンプルそのもの。中央にはJAGUARのエンブレムの中に「ETYPE」の文字が表記される。
ボンネットのフードは逆開き。チルトボンネット仕様になっており、走行中に風力などの作用で開いてしまわないようなメリットがある。
センターから伸び、ボディに沿ってやや跳ね上がる形状のマフラーはEタイプを象徴するデザインでもある。
美しいボディラインはEタイプの最大の特徴だ。
【DATA】
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(出典/「CLUTCH2023年8月号 Vol.92」)