夏のファッションの風物詩であり、そのアート性の高さからコレクタブルアイテムとしても人気を博すヴィンテージハワイアンシャツ。その貴重なアートピースの復刻を手掛けることで知られる「サンサーフ」のディレクター、中野喜啓氏のお気に入りは一体どんなハワイアンシャツなのか。
存在感とアート性の高さが魅力のコレクターアイテム。
ヴィンテージハワイアンシャツの忠実な復刻を手掛けるSUN SURF。そのディレクターを務める中野氏がハワイアンシャツに興味を持ち始めたのはアメカジへと傾倒し始めていった10代。
「当時、夏のアメカジスタイルといえば、ハワイアンシャツかボウリングシャツが定番でした」
コレクタブルアイテムとして世界的に知られているヴィンテージハワイアンシャツ。アート性の高いグラフィックは、人気柄ともなれば、百万を超える価格で取引される個体もあるという。
なかでも極めて希少で、人気の核となっているのが、ゴーギャンウッドカットと呼ばれる柄のシャツだ。ヴィンテージ市場においてはほとんど店頭に出回ることはなく、ほぼコレクター間のみで流通していると言われているほど、稀有な存在。

「デザイナーはジョン・メイグス。おもに1940年代から1950年代にかけて活躍したハワイアンシャツのテキスタイルデザイナーです。ゴーギャンウッドカットは、彼が敬愛するポール・ゴーギャンの版画を元に独自にコラージュしたもの。この圧倒的存在感とアート性の高さから人気っぷりは容易に想像つきますよね」
ヴィンテージ市場で極めて希少なゴーギャンウッドカット。
1940-1950s Hawaiian Shirt GAUGUIN WOODCUT
「テキスタイルデザイナーとして活躍し、カリスマとされるジョン・メイグスが1940年代後半から1950年代にかけて手掛けた作品。彼が生涯、最も影響を受けたポール・ゴーギャンが描いた版画を、当時、テキスタイルデザイナーとして切り取りコラージュ。この圧倒的存在感こそゴーギャンウッドカットの大きな魅力です」
(出典/「CLUTCH2023年6月号 Vol.91」)