アメリカ製のアンティークをメインに統一感を持たせ、外観に負けない個性を放つ。
東京の多摩地区・高幡不動尊のほど近くにある三角屋根の建物が目を引くNEW STANDARD。その店内は、クラシカルなバーバースタイルをイメージしており、外観に負けない個性を放っている。
オープンは2014年。それまで町の理髪店で腕を磨いてきたオーナーの下川健次氏はいつか独立した時のためにと、キャビネットやキャッシャーといったインテリアのアイテムを、理髪店勤務時代からコツコツ買ってストックしていたのだという。
そして、独立時にはアメリカのバーバーを巡って本場のクラシックなバーバースタイルを肌で感じ取り、店舗づくりを研究する旅行も敢行。デザイナーを入れず、自らが店舗のデザインにも関わるなど、理想の世界観を作り上げている。表のアメリカンなサインポール、キャッシャーや待ち合いスペースのチャーチベンチなど基本はアメリカ製のアンティークをメインに使用。
だが、アンティークだけで全ては賄いきれないので、鏡台や待合室のテーブルなども一見ヴィンテージに見えるが、これらは新品を加工したもの。材木にアンティークフィニッシュの塗料などを使ったり、取っ手部のみアンティークの部材を付けるなどして、工夫を凝らすことで経費を抑えつつ、全体に統一感をもたらしている。
アンティークを中心に現行品も織り交ぜて創る理想の空間。
全面窓枠で開放感抜群の昼間。夜間は一転しっとりとした雰囲気が楽しめる。床は元々敷かれていたカーペットを剥がした後が模様風だったのでそのまま活かして使用。
使い勝手や耐久性、クラシカルなスタイルを考えて選んだのがTAKARA BELMONTの「クラシカ 90」。タカラメンズチェアの原点ともいえる理容椅子五十四号のリデザインモデル。
鏡台は新品の木材を使用するが、アンティークフィニッシュを施した後に真鍮製の取っ手を装着。マイナスネジを使っているのも旧く見せるテクニック。
店内奥のシャンプー&ヘッドマッサージスペースは壁面を木材プラスタイルにすることでアメリカンバーバー風をイメージしている。
カウンターやキャビネットなどの什器類は、独立する数年前からピンときたものは買って保管しておいたそう。早い段階から現在の店舗のイメージはあったという。
待合スペースに置かれたアンティークのチャーチベンチ。テーブルも同じような質感にアンティークかと思いきや、こちらは自ら作ってアンティーク加工を施したDIY品。
待合スペースの壁面には、バーバーのポスターやアーリーアメリカンな写真に混ざって、友人のカメラマンが撮影した店舗の写真も。額装することで印象も大きく変わる。
バックヤード入り口に掛けられたVOLCOMなどのイラストを手掛けてきたジム・フィリップスのサイン入りポスター。
アーリーアメリカンなポスターや写真に混ざってお店の写真も。知り合いのカメラマンがオープン記念に撮ってくれたもの。
1940年代製のNATIONALのレジスター。レジとして現役で使用している。レジ上の照明は現行品だが、実際のアンティークと合わせて使用することで世界観を盛り上げる。
【DATA】
東京都日野市三沢1-33-1
TEL042-506-9636
営業/10:00~19:00(平日)、8:00~19:00(土日祝)
休み/月曜、第1・2・3火曜
※写真は取材当時のものです。現在とは異なる場合があります。
(出典/「バーバーインテリア」)
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