アメリカのバーバーショップに魅了された理髪師が営む、和光市にある「OTOKO DESIGN」。

何を着るのかももちろん大事だが、ヘアスタイルをはじめとするグルーミングもまた、オトコとしての大切な要素である。本場ロサンジェルスに通い、現地の旧きよきバーバースタイルを日本に持ち込み、進化を続ける三島裕和さんにとってのアメリカとは……。

メンズグルーミングの最先端と上質なサービスに驚愕。

古典的なメンズグルーミングに終始せず、最先端の美を追求した独自のスタイルを貫く理髪店グループ「OTOKO DESIGN」を率いる三島さんが初めてアメリカを訪れたのは2015年。自らが運営する理髪店のアップデートを図るために海外の市場調査や本場の技術を見ることがロサンジェルスに足を運んだ目的であった。

「英国やイタリアなどのヨーロッパに行くことも検討したのですが、社員の勧めでロサンジェルスを選びました。アメリカのバーバーというと、ヒップホップやタトゥーといったカルチャーとも結びついた“ギャング”のイメージも抱いていたのですが、現地のバーバーはハイクラス向けといいますか、紳士的なスタイルでした。落ち着いた空間で、理髪師もキレイめなスタイリングをしていて、『これだ!』と思いましたね。それから、定期的にアメリカに足を運び、現地で流行しているヘアスタイルを研究して、日本人の顔や髪質にあったデザインに再構築してお客様に提案することを続けています」

三島さんにとっての“アメリカ”は、固定のアイテムを指すのではなく、現地のバーバースタイル、そしてその特色を色濃く反映させた店舗全体にある。彼が運営する理髪店のひとつ『OTOKO DESIGN THE PRIVATE 和光市駅南口店』は、ロサンジェルスのクロムハーツからインスパイアを受けた黒を基調とした空間となっており、ゆったりとした設計の個室が3つ並んでいる。また、照明やタイル、バリカンはアメリカから持ち運んだものを使用するなどのこだわりが。ハイクラスなオトコのための上質な空間を体現しているのだ。そして現地でリサーチした最先端のヘアスタイルや技術を独自の解釈で再構築し、アップデートさせている。

「いまでは市民権を得たフェードカットも国内ではその技術を持つ理髪師が少なくて、流行するのにかなりの時間を要しました。アメリカや英国で流行しているスタイルが日本に入ってくるのは2〜3年ほどかかります。例えば、スペインカールというサイドやバックを刈り上げてトップにパーマをかけたスタイルはいまではある程度の認知を得ていますが、このスタイルは自分が2022年にLA出張に行った際に現地で流行していたスタイルでした。ただ、現地の最先端の技術をそのまま使っても一般的に髪が硬めの日本人には合わないので、自分たちなりにアレンジを加えています」

そして、三島さんが最もアメリカに惹かれる理由は、彼らが持ち合わせている“パワー”や“フロンティア精神”にあるのだとか。

「現地の理髪師は理髪店という“場所”を借りているだけで、実はほとんどが個人事業主なんです。自分の生活をかけてお客様と向き合っています。その“個人主義的”な精神から感じるパワーや開拓者精神に惹かれますね。現地の友人に『将来的にアメリカでバーバーを開きたいと思っているんだけどどう思う?』と聞いたら、『それは君次第だよ』と言われました(笑)。これだからアメリカに行くのがやめられないんです」

「OTOKO DESIGN」代表・三島裕和|埼玉県新座市で育つ。父が営む理髪店の手伝いからキャリアをスタート。現在は「OTOKO DESIGN 新座本店」と「OTOKO DESIGN THE PRIVATE 和光市駅南口店」の代表として店舗のディレクションなど業務内容は多岐に渡る。

PREMIUM BARBER OTOKO DESIGN THE PRIVATE 和光市駅南口店
埼玉県和光市本町13-2 TEL048-485-9585 10:00~19:00 月曜定休

Los Angeles Barber Style

LA出張の際に訪れたクロムハーツの店舗からインスパイアを受けて店内は主に黒を基調とする。ランプはアメリカから運んだもの。

落ち着いた印象のホワイトタイルもアメリカ製。交流のあるメルローズのバーバー『FELLOW BARBER』も白を基調とする。

メンズグルーミングの命ともいえるバリカンはアメリカ製のものを使用。ちなみにハサミはより品質の良い日本製のものを使用する。

「OTOKO DESIGN THE PRIVATE 和光市駅南口店」のメンバー。20歳の若手から30代の中堅、そして代表の三島さんも日々店頭に立ち、一人ひとり異なる来店者と向き合い続けている。

(出典/「Lightning 2025年5月号 Vol.373」)

この記事を書いた人
みなみ188
この記事を書いた人

みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

Pick Up おすすめ記事

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

上野の2つの「SUN HOUSE」で、秋支度。おすすめのアイテムを聞いてきました

  • 2026.09.18

歩いてわずか30秒ほどの距離にある、上野ふたつのサンハウス。今回はそれぞれの店舗で、この秋おすすめのアイテムを聞いてみた。2軒を行ったり来たりしながら、そろそろ秋支度を始めよう。 上野のサンハウスは行ったり来たりが正解です 昨年のリニューアルを経て、アメ横に2店舗を構えるようになった「サンハウス」。...

2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4人が集結! EDWINと考えるトラッド学

  • 2026.09.15

本誌でも何度も紹介してきたEDWINのコンセプトショップ限定アイテムは、普遍的なデザインとそのクオリティの高さから2ndが理想とするトラッドスタイルともばっちりハマる。今回は初の試みとして、2ndとEDWIN両チームの世代の異なる4名で“EDWINで作るトラッド”を考えてみた。 20代らしくアクティ...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...