西部開拓時代やネイティブ・アメリカンの文化を学べる「オートリ―博物館」が面白い。

「歌うカウボーイ」の愛称で知られるカントリー&ウェスタンシンガー、ジーン・オートリーが設立したミュージアムが「Autry Museum of the American West」です。映画LA LA LANDにも登場するグリフィス天文台があるグリフィスパーク内の、LA ZOOのすぐ目の前にあります。

ロサンゼルスの他の博物館に比べシックな外観。


アメリカ西部開拓時代の歴史や、ネイティブ・アメリカンのアートや歴史、衣服などのほか、移民の歴史、映画の撮影で使われた衣装などが展示されています。ネイティブ・アメリカンに関するコレクションは、アメリカ国内最大規模の数を有するんだとか。

地下のフロアには、19世紀の西部開拓時代に実際に着用されていた衣服や使用されていた道具、アメリカに移住してきた中国やアイルランド、アフリカンアメリカンの人々の歴史が紹介されています。

U.S. Military frock coat(1888年)

ネイティブアメリカンのコレクションも豊富で見応えがある。

左から、1800年半ばから1900年代のビーズ製ピンクッションや入れ物、1940年代のモカシン1800年代のビーズ製バッグ。細かな細工が目を引きますね。ほかにも今使ってもオシャレなビーズ細工のアイテムが展示されていました。

1900年頃のPipe bagやナイフ
1930年代のモカシン
セレモニーの時などに、馬につけていたビーズの装飾と1890年代の女性用モカシンブーツ


ネイティブアメリカンたちは、狩りをして、皮についた余分な部分をそぎ落として皮だけを剥ぎ、そこへビーズなどで装飾をして衣服を作っていました。

こちらはホロ馬車時代の旅行カバンの中身を出したもの。

郵便配達用の馬車(1855年)

続いて1890年頃の移民の歴史の紹介コーナー。


それぞれの人種の衣服や道具が、それぞれの建築様式が再現されたケースの中に展示されていて面白い!




面白い展示方法ですよね! 中身はというとこんな感じ。


こんな再現コーナーもありました。

こちらは1900年頃の、酒場のバーカウンター。

1895年のポーカーテーブル。映画の世界ではなく、こうやって残っているんですね。

1860年代のアフタヌーンコートやハット。映画やドラマでも見ますね。

銃のコレクションも非常に豊富。

ハンティング用からピストルまで様々な種類の銃が並び、まさにウェスタンの世界。

もちろん本物です。

アメリカ西部に生息する家畜牛ロングホーンもいらっしゃいました。大きい!

炊事用の幌馬車チャックワゴン。西部開拓の長距離移動で役立ったのだそう。

1階フロアに上がるとそこは映画の都・ロサンゼルスの展示。


1階のフロアに上がると、ロサンゼルスらしく、映画に関する貴重なアイテムが展示されている。

この博物館の設立者ジーン・オートリーの名前が書かれたデニムジャケット。



ウェスタン映画の撮影で使われた衣装や小物も展示されていました。

映画FIRING AWAYの撮影でスティーブマックイーンが着た衣装も。

こちらは映画PALE RIDERで使われた衣装。そのほか1950年代の映画だけでなくドラマで使用された衣装も展示されていました。見覚えがある衣装もあるのでは?


映画やドラマの衣装以外には、スターの衣装もありました。

マイケルジャクソンが実際に着用したウェスタンスタイルの衣装がこちら。

あの手袋も発見! サイレント映画の衣装や舞台のものもあったので、興味がある人は要チェックです。

ネイティブ・アメリカンなどにインスパイアされた作品も。


館内にはそのほか、ウェスタンやネイティブアメリカンの文化にインスパイアされたアート作品が展示されていました。ビーズがふんだんにあしらわれたブーツはなんとクリスチャンルブタンのもの。

Indian Chief Roadmaster motorcycle(1948年製)
廊下に展示されている、1865年以前のナバホ族のブランケット。 大きく独特な柄のブランケットが並び圧巻。

アメリカ西部開拓や移民の歴史からエンターテイメントの歴史が、豊富なコレクションと共に紹介されていて、じっくり見ていたら半日くらい過ごせそうなAutry Museum。ここまで見応えのあるミュージアムはなかなかないかもしれない。

【DATA】
Autry Museum of the American West
4700 Western Heritage Way, Griffith Park, Los Angeles, CA 90027

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CLUTCH Magazine 編集部
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