ドイツと日本で認められたマスターオブシューフィッター久世泰雄に学ぶ、正しい革靴の選び方

自分に合った靴を選ぶということは、簡単そうで実はかなり難しい。自分の足のことは自分が一番に知っておきたい。だからこそ靴を作るのではなく、足と靴のプロフェッショナルの元へ。足を正確に把握し、靴の製法、構造やブランドごとの特徴などを見極め、その人に合った靴を提供する。また、既成靴のフィット感を高めるためのインソールの製作も行っている、そんなプロに会いにいく。

生活を足元から支える足と靴のプロフェッショナル

マスター オブ シューフィッター/「アルカ」代表・久世泰雄さん|シューフィッターの最高位であるマスターオブシューフィッターであり、全国に20店舗以上も店を構えるアルカの代表を務める久世さん。実は日本だけではなく、ドイツでもシューフィッターの資格を持っている。元々は、銀座の洋品店でキャリアをスタートさせるが、その後健康靴という分野に足を踏み入れる。その後、1983年1月にアルカを創業する。年齢に限らず、足腰に悩みを抱える人や、パフォーマンスの質を向上させたいプロスポーツ選手など様々な人のニーズに応えてきた

人間の足は千差万別、十人十色。既成靴の中から、自分に合った靴を探すことは難しい。それも革靴となると尚更だ。日本にはシューフィッターと呼ばれる資格がある。足と靴と健康協議会という一般社団法人が養成、認定を行っている資格だ。

シューフィッターはプライマリー(初級)、バチェラー(中級)、マスター(修士)という3つのグレードに分かれていて、現在シューフィッターとして登録されているのは3700人ほど、その中でも最上位のマスターの称号を持つのは34人と限られている。

シューフィッターの主な仕事は、その名の通り靴のフィッティング。お客様の足を正確に把握し、靴の製法、構造やブランドごとの特徴などを見極め、お客様に合った靴を提供する。また、既成靴のフィット感を高めるためのインソールの製作も行っている。

今回、話を伺った久世さんは足と靴と健康協議会の会長であり、数少ないマスターの称号を持つひとり。靴のプロであり、人間の足のプロでもある久世さんに正しい靴の選び方を教わった。

編集部ナマタメがプロのフィッティング術を体験

フットプリントをとって、足のかたち、体重のかかり方を測定。編集部ナマタメは、足幅が広く、足の外側に体重がかかっていることが色の具合から読み取れる。

フットプリントを見た後、その人の歩き方の癖、膝や足首など歪みなどを検査する。靴店との明確な違いは、医学的な側面から足を診ることができるということ。

自分の持っている革靴で、一番足に合うと思っていた靴を履いて行ったナマタメに久世さんは「これはぴったりなんじゃなくて緩いから履きやすいだけだよ」と一蹴。

足の測定が終了したら、今度は体全体の測定を行っていく。足や腰の太さ、体重のかかり方、体の歪みなどを測りインソールやアウトソールの形を決めていく。

これまで測った内容から、その人に合ったインソールの素材を選定。どんな靴で、どんな動きが想定されるのか、などシチュエーションも考慮し最適の素材を選んでいく。

フットプリントや、足の測定を経て得たその人の情報を、インソールに直接書き込み反映していく。体の歪みなどを解消するように調整を施していくことも仕事のひとつ。

靴の調整が終わったら、シューフィッター自らが靴のフィッティングを行う。調整が行われた靴は、履いてきた時との違いが一目瞭然。フィット感が段違いに向上した。

こんなところにもシューフィッターの技が光る

調整を行っている際に、代わりに履いたサンダルは、サイズを伝えていないのに足とぴったり。長年の経験からその人の体格から測らずとも足のサイズがわかるのだとか。

正しい靴選びに重要なのは足の形を知ること

普通足
凹足
扁平足

靴を選ぶ際の最重要事項は足の幅でも甲の高さでもなく足の形だ。ここが間違っていると幅に合わせてワイズを選んでも、靴の長さを合わせても、自分に合った靴を選んだとは言えない。靴を選ぶ際には自分の足を真横から見て、どの形が一番近いのか確認をしておくことが重要だ。

人間の足は大きく3つに分かれている。土踏まずが適度にあり、甲の盛り上がりもそこまで大きくない「普通足」、欧州人などによく見られる土踏まずが深く、甲も高く張り出している「凹足」、土踏まずがなく甲が低い「扁平足」の3種類だ。靴も同様に真横から見ると甲の張り出しなど同じサイズでも様々。靴を選ぶ際にはそこを意識してみてほしい。

日本人が幅広甲高というのはまちがい⁉

日本人の足が幅広で甲が高いという話は有名だが、久世さんの話ではそれは昔のこと。現在の日本人は足の形が変わってきているという。車や電車などが発達し、歩く機会が減少したことで、人間の足もその生活に合わせて少しづつ進化しているのだとか。昔に比べ、足の幅は狭く、甲が低く、先ほど紹介した普通足に近付いているという。

あなたの足に合う革靴が見つかる革靴診断

シューフィッターである久世さんに実物を見て靴の形を判断してもらった。この診断をすれば、あなたの足に合った一足が見つかるかも。

この記事を書いた人
2nd 編集部
この記事を書いた人

2nd 編集部

休日服を楽しむためのマガジン

もっと休日服を楽しみたい! そんなコンセプトをもとに身近でリアルなオトナのファッションを提案しています。トラッド、アイビー、アメカジ、ミリタリー、古着にアウトドア、カジュアルスタイルの楽しみ方をウンチクたっぷりにお届けします。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

横浜発アメカジブランド「HEATH」による、定番アメカジのマストアイテム5選はこれだ!

  • 2026.04.03

横浜を拠点に、定番からちょっとアレンジの効いたアメカジを提案するHEATH。人気ブランドのアイテムをセレクトするだけでなく、オリジナルのモノづくりにも注力しており、そのコストパフォーマンスの高さには定評がある。今回はその中から絶対に手に入れておきたいマストアイテム5選を紹介しよう。 【横濱デニム】デ...

「バンソン」のタフネスを、春夏へ。伝説の映画『EASY RIDER』とのコラボアイテムにも注目だ

  • 2026.04.02

バイカーブランドの代名詞、VANSON。今春は軽やかな布帛アイテムでイージーな装いを提案。そして伝説の映画『EASY RIDER』とのコラボレーションも登場。自由なスピリットを、そのまま服に落とし込んだラインナップを紹介する。週末のライドにも、街の散歩にも、着ることで体感できるフリーダムさを、VAN...

100本限定生産の「エイトG」大戦モデルは、春にぴったりの履き心地とメリハリのエイジング

  • 2026.04.02

無骨なまでに肉厚なデニムで知られるエイトG。その中でも比較的穿きやすく、この時期にぴったりの一本が、第二次世界大戦期のディテールを落とし込んだ大戦モデルだ。特濃インディゴで染め上げた糸ならではの、メリハリの効いたエイジングは、自分だけの一本になること間違いなしだ! ワイドシルエットが生む、クラシカル...

これまでで一番“アイビー”なクラークス誕生! 2026年春夏の新作にペニーローファーやボートシュー ズも登場

  • 2026.04.27

「クラークス」が2026年春夏の新作として発表した「デザートアイビーコレクション」。ブランドのアイコンである[デザートブーツ]や[ワラビー]、[デザートトレック]はアイビーらしい配色に落とし込まれ、アイビーの定番靴であるペニーローファーやボートシューズも顔ぶれに加わる。英国、アメリカ、日本。各国のカ...

Pick Up おすすめ記事

横浜発アメカジブランド「HEATH」による、定番アメカジのマストアイテム5選はこれだ!

  • 2026.04.03

横浜を拠点に、定番からちょっとアレンジの効いたアメカジを提案するHEATH。人気ブランドのアイテムをセレクトするだけでなく、オリジナルのモノづくりにも注力しており、そのコストパフォーマンスの高さには定評がある。今回はその中から絶対に手に入れておきたいマストアイテム5選を紹介しよう。 【横濱デニム】デ...

夏を装いが物足りない時のひと工夫。涼しげな素材と優しい配色で気軽に“レイヤード”を楽しむ

  • 2026.04.16

シャツとジーパン。それだけで成立することは分かっていながら、やっぱりちょっと物足りない、と感じたときに思い出してほしいキーワード。それは、レイヤードだ。ぜひ夏の装いのひと工夫に加えてもらいたい。 涼しげな素材×優しい配色のレイヤード 夏に着るトップスはシャツとインナーだけになりがち。だが、シャツの下...

開襟シャツに刺繍入りジャケット……老舗デニムブランドが提案する、春夏のアメカジスタイル。

  • 2026.04.01

老舗デニムブランドであるステュディオ・ダ・ルチザンが提案する、春夏のアメカジスタイル。定番ジーンズからHBTのワークセットアップ、開襟シャツや刺繍入りジャケットまで、軽やかな素材と遊び心あふれるディテールで、春夏の装いを彩る。 [5743]ボーリングシャツ 1950年代のヴィンテージ・ボーリングシャ...

「バンソン」のタフネスを、春夏へ。伝説の映画『EASY RIDER』とのコラボアイテムにも注目だ

  • 2026.04.02

バイカーブランドの代名詞、VANSON。今春は軽やかな布帛アイテムでイージーな装いを提案。そして伝説の映画『EASY RIDER』とのコラボレーションも登場。自由なスピリットを、そのまま服に落とし込んだラインナップを紹介する。週末のライドにも、街の散歩にも、着ることで体感できるフリーダムさを、VAN...

大人の夏はゆるくてこなれ感があるコーデが気分。“アジ”のあるピグメントTとデニムさえあればいい

  • 2026.04.17

ハナから古着みたいに着られる、アジのある服が大好きだ。「ジムマスター」が今季推すピグメントTとデニムも、加工感が素敵。いい“アジ”を知り尽くすふたりも、どうやら気に入ったご様子です。 「MIA MIA Kuramae」ヴォーンさんは、ピグメントTにオールインワンを着崩して合わす! 色ムラによる古着ラ...