【原宿ランチクルーズ:ラザニア 交番奥で創業30年!隠れ家ビストロでいただく表参道名物

  • 2023.06.16

——気がつけばもう15年近くこの街で働いて、食べてきた。

神宮前3丁目に直営店を構えるファッションブランド、glambのテリーと申します。この度Dig-itで連載の機会をいただき、「原宿ランチクルーズ」というテーマでこの街で暮らしてきたアパレル人として、生活者目線で「おいしい!」「好きだ!」と思える飲食店をご紹介していきます。15年という年月は、ファッション業界における一世代、二世代の代替わりくらい長い時間。先日、部屋を片付けていると僕がこの街で働きはじめた当時のTシャツ(Mサイズ)が出てきました。首元はガバっと開いて、身幅はウィメンズのようにタイト。「新入社員が21世紀生まれ!」という一般的な指標よりも、身の回りの小さな事柄からの方が、時の流れを実感します。「原宿ランチクルーズ」の初回に紹介したいのは、そんな15年を通してずっと、いいことがあった時、いい仕事ができたときにぼくがご褒美としていただいてきたビストロ「RED PEPPER」のランチ。

表参道の交差点の交番の脇、その路地を入ると小さなパリを発見。ここが僕の大好きなお店です。

RED PEPPERがこの場所にオープンしたのは1993年。創業30周年を迎えた小さなビストロです。

こぢんまりとした店内は肩肘張らない空気感が心地いい。他のお店よりもほんの少しだけ近い椅子の距離感が、いつもと違った話のきっかけにもなったっけ。

RED PEPPERにやってきたら迷わず注文してほしいのが〈表参道名物!ぐつぐつラザニア〉。ラザニアと言えばグラタン皿で供される、あるいは一人前が四角くカットされることも多いですが、RED PEPPERのラザニアは柳川鍋を用いた独自のスタイルで提供されます。

表参道名物!ぐつぐつラザニア¥1,600 *休日ランチ¥1,900

思えば、食べ物でいちばん好きな色かもしれない。赤ともオレンジともイエローとも言える、サンセットのようなこのカラー。アメリケーヌソース、ブイヤベース、あるいは塩水ウニ。ぼくの好きな食べものはみんなこの色。中でもRED PEPPERのサンセットは格別だ。

スプーンを入れればRED PEPPERの独創性に溢れた世界が。通常、ラザニアは二種のソースとパスタが幾重にも重ねられたミルフィーユ状ですが、名物ラザニアは分厚いダブルソースの層の底にパスタ数枚が敷かれており、柳川鍋の中はまるでソースのプール。パスタではなく、ソースが主役のラザニアなのです。ミートソースとホワイトソースがぐつぐつと混じりあったソースは、トマトの酸味、ひき肉の甘味、ホワイトソースの濃厚さが一体に。濃厚なうまみがありながら後味は不思議とすっきり。

底に残った残り少ないソースをすくう時、はたと気づくのは柳川鍋の豊かな蓄熱。ソースは最後のひと匙までちゃんと熱を持っていて、飽きずにすっきりと食べられる秘密はこの温度。シェフの発明的なお仕事に気がつくと、思わず口に出てしまいます。「参りました!」

と、これだけでも十二分に贅沢なランチなのですが、さらに奮発したいときにはこのラザニアとステーキが一緒に楽しめるスペシャルメニュー〈名物ミニラザニアとバベットステーキ〉も。

名物ミニラザニアとバベットステーキ ¥1,980 *休日ランチ¥2,450

バベットはフランス語で「ハラミ」。ラザニアと2枚の角切りのハラミステーキがセットになったメニューです。脂質が少なくて確かな噛み応えをもったステーキは、クリーミーなラザニアとの相性抜群。食感のコントラストも食べる楽しみのひとつです。セットのラザニアはミニサイズなので、男女のカップルで行く際には女性はこちらにしてステーキをシェアしてもいいかも。

グッドルッキングスタッフも名物。

そんなラザニアと並んで、RED PEPPERの名物として主張したいのがグッドルッキングなスタッフの皆さま。日頃のお礼を込めて、山崎シェフと植田マネージャーをglambでスタイリングさせていただきました。アダルトでワイルド味ある山崎シェフとシティボーイな植田マネージャーとの見事なバディっぷりもRED PEPPERのお料理の味をいっそう引き立てます。

山崎シェフ

植田マネージャー

右が筆者。原宿、表参道、そして「glamb Tokyo」にお越しの際は、ぜひその足でRED PEPPERへ。

[INFORMATION] RED PEPPER 表参道店
東京都港区北青山3丁目5-25 清水ビル 1F
TEL 03-3478-1264

Photo : KATSUMI SUGAWARA (FUTTY)

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