17.REGAL Shoe&Co.(リーガル シュー&カンパニー)|日本|1902年創業
軍靴製造にルーツを持ち、タフで壊れにくいグッドイヤーウェルテッド製法を日本に持ち込んだと言っても過言ではないリーガルのシューズ。アメリカントラッドのデザインを日本にもたらしたのも同ブランドで、1960年代にはアイビーファッションの象徴として愛され、それ以降も日本の革靴のスタンダード的な役割を担ってきたブランドだ。
近年ほかのブランドとのコラボレーションにも積極的で、伝統とモダンをキーワードにした老舗のチャレンジに大きな注目が集まっている。
写真の802S スタンダードサドルシューズはフルタンニン鞣しのエンボス革と、英国のCFステッド社製のスーパーバック素材とのコンビネーション。甲部をサドルで包んだようなこのモデルは、1960年代にアメリカのアイビーリーガーに履かれた靴で、同ブランドの代表作といえる。
【問い合わせ】
リーガル シュー& カンパニー
☎03-5459-3135
https://www.regalshoes.jp/
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18.三陽山長(サンヨウヤマチョウ|日本|2000年創業
2000年10月に山長印靴本舗に高級紳士靴として産声を上げ、翌年10月には、現在の三陽山長としてリスタート。“品質本位”を念頭に、世界最良の素材を駆使し、日本の伝統職人の匠の技による物づくりで、高級靴、鞄、革小物、雑貨からウエア類に至るまで、日本のオリジナリティあふれる世界観を発信するトータルブランドだ。
ブランドの要はブランド設立時から展開されているストレートチップの「友二郎」。設立10周年となる2010年には木型をR201からR2010へと変更して、さらなる進化を遂げている。また、2011年にはドレススニーカーでグッドデザイン賞を受賞。前出した「友二郎」をはじめ、「弥三郎」や「友之介」といった各モデルに日本人の名前を付けているのも特徴的だ。写真は2014年秋冬シーズンに登場したロングノーズのタッセルローファー「鹿三郎」。
【問い合わせ】
三陽山長 銀座店
☎03-3563-7841
http://www.sanyoyamacho.com/
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19.SEBAGO(セバゴ)|アメリカ|1946年創業
1946年にアメリカはメイン州で誕生したセバゴ。ニューイングランド出身の3人よって設立されたセバゴが最初に手がけた靴が、ハンドソーン(手縫い)のペニーローファー。ネイティブアメリカンのモカシンから着想を得てつくられた、その構造は特許を取得しており、今日まで変わらぬ製法として伝わる。
1970年には、ボートシューズの代名詞であるロングセラーモデル「ドックサイド」を、’81年にはモカシンシリーズの代表作のひとつ「キャンプサイド」をそれぞれ発表。特にドックサイドは、’80年代にファッションアイコンとして世界中の若者たちから人気を集め、セバゴはライフスタイルシューズとしての地位を不動のものとした。
写真は記念すべきブランド初のローファー「クラシック」。1946年の創業以来、いまもなお同じ製法でつくられ、アイコンであるビーフロールとともに、長年世界中から愛され続けているマスターピース。マッケイ製法に近い独自のウェルトを使用した優れたフィット感と耐久性が秀逸。
【問い合わせ】
ワイエスインターナショナル
☎03-6418-9339
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20.LEATHER & SILVER MOTO(レザー&シルバー モト)|日本|1971年創業
レザーアーティストの本池秀夫を父に持ち、幼い頃ら革に慣れ親しんで育った本池大介、作人兄弟によって始まったブランドが「レザーアンドシルバー モト」だ。
このブランドが作る靴の特徴は、革のオーソリティらしいオリジナリティ溢れる素材と、職人的で繊細な縫製の美しさにある。履くほどに足に馴染んでいくような味わいがあり、シューレースまで徹底したこだわりを感じさせる。そのすべてがこの革靴を唯一無二の存在にする。
写真はコードバン プレーントゥ オックスフォードシューズ #2100。素材は、オリジナルで仕上げたコードバン。あえてグレージングという作業を省いて、素上げのままオイルを調整することでマットな質感に仕立てた。ブラックコードバンなので、仕事用の靴としても使え、グッドイヤーウェルテッド製法を採用。
【問い合わせ】
MOTO 青山店
☎ 03-3407-5836
http://www.motostyle.jp/
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21.OLD PORT MOCCASIN(オールドポートモカシン)|アメリカ|1990年創業
Made in U.S.A.のローファー専業ブランドとして名高いオールドポートモカシン。ブランド名の由来は、誕生の地
であるアメリカはメイン州の港町・オールドポートから。有名シューメーカーの靴を数多く手がけるメイン州においても、現在は数社しか残っていないファクトリー。そこでハンドメイドで丁寧に生産されているのが、オールドポートモカシンのローファーなのだ。
2枚の革を目分量だけで縫い上げていく“モカ縫い”こそが、このオールドポートモカシンの象徴であり、熟練の職人ならではの技。事前に目印も穴もない状態から、2本の針と糸だけで縫い上げられたローファーは、デザイン性と履き心地が融合した傑作と呼べる。
写真はBIT LOAFER(ビットローファー)/クレープソール。底面にクレープソールを採用し、ノーブルさとカジュアルさを併せ持たせたにルックスに。品格を醸し出しながらも、履きやすさを実現した他に類を見ない逸品だ。
【問い合わせ】
エクスプローラー
☎052-806-8851
http://www.explorer-out.co.jp/
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22.CARMINA(カルミナ)|スペイン|1866年創業
欧州高級靴の産地は、英国やイタリア、フランスからスペインやポルトガルまで拡大しているが、「カルミナ」は
スペインを代表するブランドのひとつ。そのルーツは1866年、スぺインのマヨルカ島でマティアス・プハーダスが始めたオーダーで靴を作る工房にある。
デザインの特徴は、英国靴の流れを汲みながら、エレガントな雰囲気を放つスタイルにある。仕上げの美しさ、履き心地も英国靴に引けを取らず、コストパフォーマンスにも優れている点は嬉しい限り。スペインきっての人気靴で、しかも折り紙付きの実力派シューズだ。
写真は人気急上昇のダブルモンクストラップ。稀代の伊達男であるウィンザー公が履いたことでも知られるデザイン。グッドイヤーウェルテッド製法で、既成靴の領域を超えた立体的なラストが生み出す、極上のフィット感も魅力のひとつといえる。
【問い合わせ】
トレーディングポスト青山本店
☎03-5474-8725
https://www.tradingpost-online.jp/fs/tradingpost/c/carmina
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23.Chausser(ショセ)|日本|2000年創業
ショセのデザイナーでありオーナーの前田洋一氏。彼の父はオーダーで靴を作る職人だった。靴の販売からスタートし、バイヤーなどを経験した後、企画に携わり靴作りのすべてを学び、2000年にショセを立ち上げる。ショセとはフランス語で「履く」という意味だ。
伝統的なデザインをベースにしながらも、革の表情やフォルムにもどこか温かみが感じられるのが「ショセ」の特徴。1930〜50年代に描かれたアメリカの画家ノーマン・ロックウェルの絵に影響を受けたと前田氏は語る。デザインにアメリカの昔懐かしい匂いが薫るのはそのため。東京・恵比寿に旗艦店を構え、海外でも販売されるほど、多くのファンを持つ靴だ。
写真はクラシックラインの「C-7930」。ベーシックになり過ぎないように、つま先のシルエットにボリュームを持たせているのが特徴。国産のコードバンを使用している。
【問い合わせ】
ショセ ル コワン
☎03-5734-1633
http://chausser.net/
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24.HARUTA(ハルタ)|日本|1917年創業
日本の古参シューメーカーであるハルタは、大正6年(1917年)に、東京都荒川区南千住にて開業、製造販売を始めた「春田製靴店」が起源。その後、1948年にハルタ製靴株式会社を設立。エポックメイキングとなったのは、男子靴のセメント式製法を日本で最初で採り入れた1957年。この製法による紳士ローファー(#804)の発表である。以来、生産を増やし続け、輸出を開始して海外にも進出。’60年代には年間100万足を達成している。
その後は、中学生や高校生などの学校制定靴を作るメーカーとして、国内トップシェアを誇る企業として君臨。近年では、その高い品質とリーズナブルな価格帯が再注目され、写真のような上品なガラスレザーのアッパーにビブラムソールを合わせたポストマンシューズなど人気を集めている。
【問い合わせ】
ハルタ 販売部
☎03-3874-3317
https://store.haruta-shoes.co.jp/
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25.WHEELROBE(ウィールローブ)|日本|2015年創業
2015年に立ち上げられた新鋭の日本のブランド、「WHEELROBE(ウィールローブ)」の「WHEEL」は車輪の意
味し、車輪が描く「軌跡」を表現する。革靴はたくさんの人の手で作られ、様々な人の想いが込められている。
靴作りで「ウィールローブ」が重視するのが日本人の足型を研究し、出来上がった木型だ。つり込んだ際の造形美、履き心地、歩きやすさに多くの影響を受けるのが木型。その上で修理して繰り返し履けるようにと、製法はグッドイヤーウェルテッド製法を採用している。
写真のPLAIN TOE BLUCHER(プレーントゥブルーチャー)はハギを入れず、贅沢にクロムエクセルを使用した1足。ラストはノーズを長く、ワイズEで考えたオリジナルで、クロムエクセルのオイリーな素材と相まって、ボリュームある靴に仕上がっている。
【問い合わせ】
トライ・アップ
☎03-5824-3190
https://wheelrobe.com/
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26.Mark Boots(マークブーツ)|日本|2001年創業
靴業界の重鎮であるシューズプロデューサー、長嶋正樹が手がけるマークブーツ。長嶋さんはインポートシューズ専門店・トレーディングポストの設立や日本のシューズブランド・三陽山長を立ち上げてきた、言わば紳士靴ブームの仕掛人。そのプラット式グッドイヤーウェルト製法は唯一無二の履き心地を誇る。履きやすさを追求した日本生まれの革靴、一度履けばその魅力が伝わるはずだ。
写真の「チャッカブーツ」をはじめ、パターンオーダーで素材やソールを選び、自分仕様に仕上げられるマークブーツ。こちらのモデルは、デザインやディテールはそのままに、稀少なブライドルコードバンをアッパーに使用した、イセタンメンズにラインナップしたもの。
【問い合わせ】
ブリットハウス
☎03-5806-3405
https://www.brithouse.co.jp/
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27.RED WING(レッド・ウィング)|アメリカ|1905年創業
1905年、アメリカ中西部ミネソタのレッド・ウィング・シティに誕生した一軒の靴工場がこのブランドの始まり。その名前はレッド・ウィング・シューカンパニーで、創業者はドイツからの移民であるチャールズ・ベックマン。彼の靴への情熱と、より良い靴を客に届けたいという想いからメーカーを創業した。以来、「アイリッシュセッター」や「エンジニア」、「ペコス」など、多くの名作を世に送り出し続けているキング・オブ・ワークブーツだ。
写真は1900年代~1930年代ぐらいまでの靴が醸し出す、クラシックドレスらしさをチャッカブーツに落とし込んだモデル「キャバリー チャッカ #9095」。RW創業期に製作された、当時の趣きを踏襲した逸品。
【問い合わせ】
レッド・ウィング・ジャパン
☎ 03-5791-3280
http://www.redwingshoe.co.jp/
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28.CROCKETT& JONES(クロケット&ジョーンズ)|イギリス|1879年創業
クロケット&ジョーンズは、英国高級靴の聖地とされるノーザンプトンで1879年に誕生した。チャールズ・ジョーンズと義理の兄弟であるジェームズ・クロケットのふたりが創業者となり、彼らの名前がシューメーカーの名称にもなった。世界中で最も多く木型の種類を持っているとされ、デザインのバリエーションやマテリアルのセレクトにおいて優れたノウハウを有しているところが大きな特徴だ。
定番のひとつ写真の「キャベンディッシュ3」は、従来の木型をベースに踵周りやアーチ部分のサイズを小さくした新開発のラスト375を採用して、ホールド感を上昇させたもの。デザインアイコンのタッセルは、職人が手作りで仕上げる。
【問い合わせ】
グリフィンインターナショナル
☎03-5754-3561
https://griffin.cx/crockett-and-jones/
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Photo/K.Suzuki 鈴木克典 A.Kuwayama 桑山章 N.Murakami 村上修子 Styling/Y.Nakamura 中村祐三 M.Suzuki 鈴木まさあき Text/K.Kuniryo 國領磨人(NO-TECH) M.Kogure 小暮昌弘(LOST&FOUND) Y.Ouchi 大内康行 K.Misawa 三澤和也
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