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3万5200円の格安RF75-300mm F4-5.6は、運動会最強レンズになれるか?

  • 2025.07.14

キヤノンから驚異的に安いRFマウントの望遠ズームRF75-300mm F4-5.6が登場した。その価格、なんと3万5200円。果たしてこの安価なレンズはどのぐらい撮れるのか? 動きモノは撮れるのかどうか? 今どき運動会での撮影を記事にするわけにもいかないので(個人情報的に)、大人の運動会(?)ということで、社会人ラグビーの撮影に使ってみた。ボディは個人所有のEOS R6 Mark II(フルサイズ)と、EOS R10(APS-C)を使った。

撮影協力:クリーンファイターズ山梨 https://clean-fighters.jp/

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2025年06月02日

望遠レンズはお安くない

ご存知のように望遠レンズは、高価なものが多い。

たとえば『RF100-500mm F4.5-7.1L IS USM』はどんな動体でも押さえられて100-500という広大なズーム領域を持つが41万5800円という価格。F2.8という明るさの『RF400mm F2.8L IS USM』に至っては172万4800円である。

そんな中、筆者が愛用している『RF100-400mm F5.6-8 IS USM』は、性能の割に非常にリーズナブルなレンズだが、それでも9万3500円。筆者も仕事で使うからなんとか出せる金額だ。

RF100-400mm(左)と比べるとこのぐらいのサイズ感。重さはRF100-400の約635gに対して約507gと約128g軽量。

そんな中で登場した『RF75-300mm F4-5.6』は、なんと3万5200円。望遠レンズとしては破格の安さである。

ちなみに、今回使ったボディでいうとフルサイズのEOS R6 Mark IIでは75-300mmとして使えるが、APS-CのEOS R10では120-480mmとなる。性能と価格のマッチングでいうと、どちらかといえばAPS-C機で使われることが多いと思うが、となると120-480mmとかなり激しく長いレンズになることは留意いただきたい。

長いレンズだけに力がかかってしまうマウントも、一応金属製なのが嬉しい。

安さの理由と、実際に使ってみた印象

このレンズ、調べたところによると1999年に発売されたEFレンズ『EF75-300mm F4-5.6 III』の光学設計を流用しており、言ってしまえば焼き直しである。最新設計のレンズと比べると当然ながら性能は劣る。それでも、標準ズームしか持っていないユーザーにとって、70mmや105mmまでしか届かない世界から、300mmの世界に足を踏み入れられるというのは非常に大きな変化である。多少画質が甘かろうと、ブレやすかろうと『撮れなかったものが撮れる』、この価値は圧倒的だ。

グランドの中央部分でのプレーを撮ろうと思うと、最低でもこのぐらいの焦点距離は必要だ。これで200mm。(RF75-300mm F4-5.6、焦点距離200mm、F5.6、1/1250、ISO320、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

実際に借りて試してみたが、結論としては『ないより絶対にアリ』である。望遠レンズを一本も持っていないのであれば、まずこれを買っておくべきだ。

当然、手ブレ補正はない

ただし、安さゆえに削られている機能も多い。最大の弱点は、手ブレ補正がないことである。望遠撮影ではほんの少しの軸ブレが大きく影響するため、手ブレ補正がないとかなり厳しい。

手ブレを抑えるためにはシャッタースピードを上げざるを得ないが、レンズが明るくないので光量が足りなくなって感度を上げる必要がある。とはいえ、デジカメなら感度を上げる方向でカバーできる。フィルムだとこうはいかなかった。(RF75-300mm F4-5.6、焦点距離190mm、F5.6、1/1250、ISO500、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

たとえば筆者が愛用するRF100-400mmは、R6 Mark IIとの組み合わせで最大8段分の手ブレ補正が効く。8段分というとは、ざっくり言えば1/8秒で切っても1/2000秒で切ったぐらい止まるということだ。これにより、手持ち撮影でも安定して遠くの被写体を狙うことができる。しかし、RF75-300mmにはそれがない。

ラインアウトの決定的な瞬間を押さえた。背景にもボケが出て選手が浮き立って見える。(RF75-300mm F4-5.6、焦点距離180mm、F5、1/1250、ISO320、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

EOS R6 Mark IIであればまだ本体内の手ブレ補正に頼れるが、EOS R10だとそれもない。さらに焦点距離も最大480mmとなってしまうからさらに厳しさが増す。この点は留意したい。

トライの瞬間を押さえることができた。望遠レンズがないと撮れない写真だ。(RF75-300mm F4-5.6、焦点距離170mm(272mm相当)、F5.6、1/250、ISO100、EV±0、カメラ: EOS R10)

動体に対する追従はオートフォーカスはカメラ側の機能に依存するため、EOS R6 Mark IIやR10との組み合わせであればかなり良い。ちゃんと人物や瞳に対して追従する。ただし、モーターの駆動が遅いため、ピントが合うまでにやや時間がかかる。今回も素早く追従して欲しいが、間に合わないシーンはあった。

「とりあえず持っておく」には最適な選択肢

もちろん、プロユースに使うのは無理だが、運動会などの明るい屋外で、子どもの姿を少しでも大きく撮りたいというニーズに対して、本レンズは十分な働きをしてくれる。前述の理由から、シャッター速度は速くせざるを得ないが、運動会ならそれでもいいだろう。

ゴールキック。APS-Cだと焦点距離が1.6倍になるので、さらに長いレンズとして使うことができるが手ブレが出やすいので、シャッタースピードは速くする必要がある。(RF75-300mm F4-5.6、焦点距離240mm(384mm相当)、F5.6、1/250、ISO100、EV±0、カメラ: EOS R10)

またシャッター速度を速くするためには光量も必要ということで、十分な明るさが必要であることも理解しておきたい。つまり、子どもの体育館での発表会などで明るさが足りないと、厳しくなってくる。

それでも、明るい場所であればシャッタースピードを速くしてブレを抑えやすくなるし、何より顔がバシッと写っていればそれだけで嬉しいというユーザーなら、十分に満足できると思う。

頑張れば(もしくは運が良ければ)このぐらいのアクションは撮れる。ちゃんとプレイヤーに追従してくれている。(RF75-300mm F4-5.6、焦点距離300mm、F5.6、1/250、ISO125、EV±0、カメラ: EOS R10)

AFが多少遅くても、多少レンズのニジみがあっても、「とにかく望遠が欲しい」という段階では十分以上に役立つ。R10やR50といった軽量APS-C機との組み合わせであれば、重量は1kg以下に収まり、持ち運びも苦にならない。

もちろん、撮影に対するこだわりが強くなれば、本レンズの限界はすぐに見えてくる。手ブレ補正なし、AF遅め、開放F値も暗めという中では、どんな場所でも安定した性能を発揮するというのは難しい。筆者が使ってるから言うわけではないが『RF100-400mm F5.6-8 IS USM』は本当に性能のバランスのいいレンズである。

価格はRF75-300mm3倍になるが、画質、AF速度、手ブレ補正、すべての面で満足度が段違いだ。Lレンズに比べてコンパクトで軽い点も美点だ。

RFマウントでもここまで安くなった

キヤノンのRFマウントは、しばらく高級レンズばかりで、価格的には多くの人にとって手が出しにくかったと思う。サードパーティへのライセンス提供も限られており、ほぼ純正レンズしか選択肢がないという不満もあった。そうした中で、こうしたエントリー価格帯の望遠ズームが出てきたというのは歓迎すべき流れである。

『とりあえず望遠を試してみたい』『今すぐには高いレンズを買えない』というユーザーにとって、RF75-300mmは新たな撮影の可能性を開いてくれる一本である。ぜひ、お子さんの運動会で活用していただきたい。

(村上タクタ)

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