マイアミのSunglass Hutで買った
Meta(旧Facebook)のサイトに行くと、Ray-Ban Metaも表示される。
Ray-Ban Meta
https://www.meta.com/jp/smart-glasses/
だが、日本では買えない。買えないとなると欲しくなるのが人情だ。宿泊先のマイアミのホテルの近くに、Ray-Banのショップがあるので、行ってみた。しかし、改装中だった。
手に入らないとなると欲しくなるのが、人情だ。というわけで、てくてく歩いて、Sunglass Hutの店に行ったら売っていた。直営店でなくても普通のサングラスショップで売っているということに驚いた。
余談だが、25年ほど前、当時の上司と一緒にフロリダに来た時、ウェストパームビーチのSunglass HutでOakleyのサングラスを買った。筆者は明るさにも強い方なので、あまりサングラスを使わない。だから、それ以来サングラスは買っていないし、どうしてもまぶしいシチュエーション(スキーとか)では、今でもそのサングラスを使っている。モノ持ちがいい。そして、なぜか25年の時を経て、フロリダのSunglass Hutでアイウェアを買う不思議な縁を面白いと思った。
そもそも、目もいいしあまりアイウェアを必要とする方ではない(とはいえ、最近年齢的に、弱い近視用の眼鏡と、老眼鏡は作ったが)が、 Vision ProやMeta Quest、Ray-Ban Meta……と、やたらとアイウェア(?)を買っているのが面白い。
フレーム形状は、ウェイファラーと、スカイラーと、ヘッドライナーの3種類があり、それぞれ複数のカラーがあるが、店頭でさんざん取っ替え引っ替えして、自分に似合いそうだった、ヘッドライナーのShiny Warm Stone Transparentを選んだ。
レンズにもTransitionという明るい場所で色が変わるものもあったが、レンズは日本で交換するかもしれないので、普通のクリアにしておいた。価格は379ドルだったが、税やらなんやかんやで、引き落とされた金額は約6万円だった。日本で使うための技適はないが、技適の特例申請をして使っている。
Ray-Ban Metaは何ができるのか?
さて、何ができるかというと、現時点では
・写真が撮れる
・動画が撮れる
・Facebookメッセージの読み上げと送信
・ヘッドセットの代わりに使える
というところが主な機能だ。写真や動画は、iPhone(またはAndroid)のアプリに同期するという方式。
将来的には(というか、アメリカのベータ版では)AI連動のカメラとして動作して、見ているものを(つまりカメラに写ったものを)解析して、何が写っているのか教えてくれるようになる。Googleレンズの機能がアイウェアについてるというような感じだ。
花や虫の名前も調べられるだろうし、クルマの車種も教えてくれるようになるだろう。物覚えの悪い筆者としては、イベント会場で会った名前の思い出せない人が、誰だったか教えてくれるようになるといいなぁ……と思うのだが、権利的な問題などでまだ難しいかもしれない。
カメラは左のこめかみにある
フレームの重さは49.2g。ほぼ普通のカメラと変わらない感じで利用することができる。
カメラは1200万画素。静止画が3024×4032ピクセル。動画は1440×1920ピクセルで30fps。明るいところでの画質はそれなりにいいが、暗いところでは如実に低下する。ちょっと前のスマートフォンという感じだ。
日常使用しているが、カメラを取り出すまでもないちょっとした記録に向いている。写真としての美しさはまだ期待できない。
日常的なメモとして、手を使わずにパッと撮れるのは便利だ。右のこめかみ部分にあるボタンを押してもいいし、「Hey Meta , Take a picture」「Take a Video」と言えば撮影できる。
たとえば、ビルの駐車場にクルマを停めた時に、駐車場の番号をメモしておくのなどにも便利だ。
また、相手の了承さえ取れていれば、大事な話をメモしたりするのにもいい。筆者のように、取材が日常の人間としては、ハンズフリーで数分の録画ができるというのは便利。
「盗撮みたい」と言われることもあるが、撮影中は右側のライトが明るく光る。外見上同じように見えるが、左側がカメラで、右側がライト。すごく目立つというほどでもないが、撮影しているのは明らかに分かる。
筆者の日常であれば、筆者が新しいデバイスを使ってることは理解している人が多いし、「これ、Ray-Ban Metaなんですよ」と話題にしながら撮影すると、誰もが面白がってくれる。
わざわざカメラを出すのが面倒なシーン、ちょっと記録に留めておきたいような場面で、便利。人によるとは思うが、筆者のような仕事をしていると、そういう場面はけっこう多い。もっとも、記事に使うにはちょっと厳しいクオリティなので、あくまでメモ……という感じだ。
あとは誰かと飲みがなら話題にすることが多いので、相手の人が撮った写真も含めて、やたらと飲み会の写真が増えていく(笑)しかし、それもまた、時間が経つと、記録になって面白いかもしれない。
面白いのは、撮影される画像が、撮影者の目線であることだ。
妻を撮影すると「私って、こんなに見下ろされているのね」と言われた。カメラだと、妻の目線の高さで撮影するが、本機は撮影者の目線の高さを反映する。逆に妻に使ってもらうと、「あ、こんな見上げているのか」と思った。
赤ちゃんを抱っこしながら撮影するような場面があれば、自分目線の赤ちゃんの写真や動画を撮れて、いつか懐かしい思いがすることだろう。
音楽も聞けるし、電話や会議に出るためのヘッドセットとしても使える
ヘッドセットとしてもけっこう優秀だ。
まず、iPhoneやAndroidと連携して、音楽や、Podcastを聞くことができる。
音漏れはけっこうするので、電車の中で使ったりするのには向かないだろうけれど、家庭や散歩中には便利に使える。けっこう音質もいい。
電話に出ることもできるし、ビデオ会議のヘッドセットとしても使える。日常的に使っていれば、耳になにも入れなくても電話に出ることができるという不思議な感覚を味わうことができる。メッセージの着信も知らせてくれるが、今のところ英語でのみ動作するのが残念なところ。
聞く側の音質は想定以上に良くて快適だし、5マイクシステムで周囲のノイズをキャンセルしながら、口元の音を拾うようにできているので、相手もまさか眼鏡内蔵のマイクで電話しているとは思わないほどマイクの音質もいい。
単体動作時間は4時間、ケースと合わせて36時間
充電は、ケースを経由して行う。
ブリッジの部分に充電端子があり、ケースに入れておけば充電されるのだ。
単体で約4時間動作し、ケースのバッテリーは36時間分ある。ケースの方の容量はいいが、特に写真を撮る時にだけかけるわけではなく、かけっぱなしにすることを考えると、4時間という動作時間はちょっと少ない。
外出時は1日中かけっぱなしにしておいて、撮影したい時に撮影し、電話がかかってきたら出る……というような使い方がしたいから、せめて8時間は持って欲しい。とはいえ、これ以上重くなるのも困るから、バッテリー技術の改善を待つしかないのだが。
Meta AIが使える日を待ちたい
筆者が取材に行くようなシーンでは便利だし、筆者の利用状況からいうと、周囲の人もこういうデバイスに理解があるが、一般的に日常で使えるかというと、イヤがる人もいるかもしれない。
例えば電車の中など公共の場所では装着したままにしない方が、いらぬ誤解を生まなくて良いだろう。
反面、家の中や日常では便利に使える。さらに、MetaのAIが使えるようになると、グッと利用シーンが広がるに違いない。カメラ&ヘッドセットとして使いながら、その日を待ちたい。
(村上タクタ)