HHKB Studio
https://happyhackingkb.com/jp/products/studio/
待望の『雪』登場!
HHKB Studioに待望の『雪』が登場した。HHKBの場合、『白』はオフィスにフィットするベージュがかった浅いグレーを意味しており、『雪』は純白を意味する。
HHKB Studioは当初、『墨』だけで発売されており、スタイリッシュな『雪』の登場を期待する声が大きかった。しかも、HHKB Professionalの『雪』は、黒印字だったが、今回はより打鍵時に視覚的に邪魔にならない『クールグレー』の印字が施された。これは嬉しい人が多いのではないだろうか?
伝統のHHKB Professionalに対して、革新のHHKB Studio
HHKB Studio自体について、少々解説しておこう。
歴史ある本流のHHKB Professionalシリーズの方は、28年前の初代から変わらないキー配列、静電容量無接点方式のキースイッチなど、キーボードを中心としたコントロールを重視しており、変わらないことに価値がある。
対して、HHKB Studioは革新が旨。差し替え可能なMXキーによるメカニカルスイッチと、超多機能なキーマップ変更アプリにより、さまざまなカスタマイズが可能。さらに、ポインティングデバイスとマウスボタン、4つのジェスチャーパッドの装備により、キーボードを超えた操作性を実現している。
ちなみに、キーマップ変更ツールを使えば、あらゆるキーにさまざまな機能を割り当てられるから、画像や動画を編集する人が使う『左手デバイス』のような活用方法も可能だ。
HHKB Professionalがコマンドラインでコンピュータを操作する時代にできたデバイスだとしたら、HHKB Studioは、GUI世代、そしてそれより先の空間コンピューティングなどを意識した操作性となっている。Vision ProやMeta Questを使った時に、別途マウスを用意しなくてもHHKB Studioだけで操作できるというのは大きなアドバンテージだ。
ちなみに、今回標準となっているクールグレーのキートップ印字は、ARデバイスのカメラスルーARだとちょっと見にくいこともある。そのためにオプションで黒印字のキートップが用意されている。
絶妙なクールグレーの印字
実物を見てみよう。
実は、初代HHKB Studioの『墨』はけっこう墨で、キートップの印字は見にくい(笑)暗い場所で使っているとまったく見えないほどだ。対して今回の『雪』のクールグレーは、視界を邪魔しない控えめな印字ながら、しっかりと見える。
日本語表記でも『かな』表記のない表記で、すっきりしている。筆者はかな入力はできないので、このすっきりした印字の方が好きだし、そういう人が大半だとは思うが、かな入力勢からは不満の声が上がりそう……。
ちなみに、無刻印と、墨印字はこんな感じの仕上がり。
雪の無刻印は美しい……。打てるかどうかは別として(笑)
筆者も何度か無刻印に挑戦したことがあるが、日常使用には問題ないのだが、ふとパスワードを入れようとした時に、記号の配置が分からなくて困る。無意識だと打てるのに、意識した途端に入力できなくなってしまうのが面白い(笑)
ちなみに、墨のキートップと組み合わせて、いわゆるパンダカラーを作ることもできるし、そもそもキースイッチがMXキーなので、市販のキートップを装着することもできる。HHKB Studioを使うなら、ぜひカスタマイズに挑戦してみよう。
4万4000円の価格に負けない充実の装備
ちなみに、4万4000円のキーボードということで、梱包もとてもしっかりしたもので、開梱の時の満足感は高い。豪華な箱だ(とはいえ、箱は雪じゃないのね……)。
動作させるための電池や、立派なUSB-Cケーブルも入っており、セットアップの説明を兼ねたメッセージカードや、キーカスタマイズの説明書などが入っている。
PFUも一時期アップル風に説明書をほぼなくしたことがあったのだが、やはり周辺機器というのは、あるていど説明書があった方がスムーズに使える……ということになったようだ。
裏ぶたを開けて電池を入れる。
背面のディップスイッチで、簡単なキーセッティングができるのはHHKB Professionalから引き継ぐ伝統。ソフトウエア的に変更できるのだから不要な気もするのだが、対応機器に応じてその場で変更できる便利さが欲しい……という人もいるのだろう。
三段階に傾斜を変えられる脚もHHKB Professional以来の装備だが、HHKB Studioは打鍵感向上のためのすべり止めが付いている。
雪のキートップと、クールグレーの印字はこんな感じ。好みもあると思うがスタイリッシュさと、見やすさの両方を上手くバランスさせたチョイスだと思う。雪の成形色自体も何十種類ものサンプルから選ばれたものだとのこと。この色だと、ミニマリスト方面の方にも好評を得られそうだ。
どうカスタマイズするかも楽しみなところ
HHKB Professionalを選ぶか、HHKB Studioを選ぶかは悩ましいところ。
我々のような文字入力を生業にする者にとっては、日々の仕事で触れている一番大切なデバイスだから妥協のできない部分だ。
カスタマイズが可能というのも非常に重要な問題で、筆者はHHKB Studioの墨のキースイッチをクリッキーなカチカチ音のうるさいもの(Kailh Box V2 Switch / White / Clicky)に変更して、使っている。
自宅で仕事しているから、音を立て放題だし、カチカチ音が入力のフィードバックとして分かりやすいので好きなのだ。簡単に言うと『仕事している感じがする』(笑)
しかし、この『雪』もスタイリッシュで魅力的。
これのキースイッチを変えて、無刻印キートップにしたらとてもカッコ良さそうだ。
キーボードは毎日長時間使うもの。満足感が得られるなら、4万4000円は高くないと思う。
ユーザーミートアップも開催!
11月7日には『HHKBユーザーミートアップ Vol.8』がベルサール神田で開催される。例年予約があっという間にいっぱいになる人気イベントだ。今年は筆者も登壇者側として参加予定。
詳しくはこちらをご参照のこと。
(村上タクタ)
関連する記事
-
- 2024.10.02
『HHKBユーザーミートアップVol.8』11月7日開催決定! 急いでエントリーを!
-
- 2024.07.05
【製品追加!】即完売のHHKB×輪島塗能登半島地震復興応援クラファン
-
- 2024.06.27
PFUが能登半島地震の復興支援として、高級輪島塗りHHKBをクラファンした……のだが