書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX1600

写真の『エモい』を言語化してみた。Polaroidがオープンコール(公募)や新作フィルムを発表!

  • 2024.08.08

現在クラウドファンディング中の『Polaroid I-2』に関する発表会が行なわれた。発表されたのは、Polaroidと著名な写真家集団であるマグナム・フォトがコラボレーションして行うオープンコール(公募)と、新しいフィルム『B&W 600 Film – Monochrome Frames』、イームズとコラボレーションした『Polaroid Now Generation 2 – Eames Edition』。この新しいフィルムでポートレートを撮るワークショップも行われ、Polaroidの醸し出す『エモい』雰囲気が得意ではない筆者は、戸惑いながら参加した。

『エモい』が苦手だ

以前も書いたが、実は筆者はインスタが苦手だ。『エモい』がいい……という考え方もちょっと苦手。だから、毎回お招きいただく『Polaroid I-2』に関するイベントも、悩みながら参加している。

いや、『エモい』が悪いと言っているわけではない。筆者“には”分かりにくい評価軸だなぁ……と思っているだけだ。

Photo:Enri Canaj

筆者は30年来雑誌を作って来て、編集者としてカメラマンに指示を出して来たので、写真というのは何かを明確に見せて、何かを読者の方に伝えるために使うものであるというふうに考えている。だから、ボケていたり、ピントが合っていなかったり、にじんでいたり、コントラストが高過ぎて色飛びしていたり、黒つぶれしていたり、ブレていたりするものをして『エモい』と表現して評価するのは、どうも馴染まないのだ。

ちなみに、モノクロ写真もあまり好きではない。雑誌屋だった当時、カラーページを獲得できないからモノクロページを作っていたのだ。どう考えてもカラーの方が情報量が多い。モノクロ表現をありがたがる気持ちは、私にはあまりない。少なくとも、自分でモノクロの写真を撮ろうとは思わない。

しかし、思い返してみたら雑誌だって感情を伝えるために、そういうカットを使うことはあった。今で言う『エモい』写真だ。当時は、『情感のあるカット』とか言ってたような気がする。『エモーション』が伝わる写真だからこそ、『エモい』わけだ。

『エモい』を言語化してみよう

編集者なのだから、もう少し言語化してみよう。

高精細、高解像度な写真は情報量が多い。そんな写真から、自分の『エモーション』を引き出した要素だけを残して、他の部分を落としていったのが『エモい』写真だ。

彼女の表情以外の他の要素はブレててもいい。気に入った対象のシルエットさえ写っていれば、他が白トビ、黒ツブレしていてもいい。気になる点さえ、ピントが来ていればあとはボケボケでもいい。色がカブっていても、フレアや、ゴーストが出まくっていてもいい。

むしろ、そういう要素が入ってる方が、その場の雰囲気、臨場感があって、撮影者、もしくは対象の感情が入っている感じがするのだろう。

たぶん、それが『エモい』だ。ここまで分析すると、筆者にもエモい写真が撮れそうな気がしてきた(笑)

Photo:Newsha Tavakolian

 

Photo:Jim Goldberg

『Imperfection(インパーフェクション=不完全さ)』こそが心を揺さぶる

今回の発表会で、『マグナム・フォト』所属のカメラマンたちが、今回のオープンコール(公募)のテーマを語る動画を見た。

彼らは、口々に『Imperfection(インパーフェクション=不完全さ)』について語った。

アルバニアで写真を撮るエンリ・カナイさんの、「プロセスを完全にコントロールできないとき、新たな発見や驚きが生まれる可能性があります(When you are not contorol all processes exactly 100% , this is something that can create this kind of surprise.)」という言葉は衝撃的だった。

たしかに、僕たちが昔、カメラマンたちと一緒に撮っていたのは、万全を期して計画を立てて撮影していて、常にコントロールできない要素があった。

それは天気だったり、人の表情だったり、予期せぬ光の反射のもたらす光芒だったり、対象の表面のツヤがもたらすコントラストだったり、フィルム感度や、現像時のエマルジョンがもたらす「何か」だったりするけれど、それが描き出すものを、僕らは「美しい」と思っていたはずだし、それこそが写真をただの説明のための手段ではなく、『作品』たらしめていた要素なのだと思う。

予期せぬ不完全さが、作品性を生み出し、人の心を揺さぶる。それが、彼らの言う『Imperfection』なのだ。

筆者はずっと思い悩んでいたのだが、なるほどマグナム・フォトの方々ともなると、そんなことはとっくにお分かり……というわけだ。

iPhoneや高性能デジタル一眼に足りないもの

iPhoneは足りない光を補い、ほぼ写ってないようなものまできれいに写し出してくれる。シャッターボタンを押せば、いつでも誰でもきれいに撮れるようにサポートしてくれる。

最新の一眼レフは1/8000の世界まで克明に静止させ、対象の瞳に完全に合焦し、手ブレをピタリと止めて、超高感度で、超高解像な世界を構築してくれる。

一方でPolaroidは今回の『Polaroid I-2』でだいぶ、撮りやすくなったとはいえ、シャッタースピードにも、感度にも限界がある。ブレるし、ボケるし、白トビして、黒ツブレする。また、撮影してから画像が印画紙に固定されていくまでに微妙に表現が揺らいでいく。しかし、その『Imperfection』こそが、作品性を高め、優れた『エモさ』をもたらすというわけだ。

オープンコールの詳細はこちら

と、完全に横道に逸れた自分語りをしてしまったが、今回お招きいただいた発表会で発表されたことを最後にまとめておこう(これが本題のはずだが)。

まず、Polaroidと、マグナム・フォトがオープンコール……つまり、公募を行う。オープンコールの主題は、マグナム・フォトの、エンリ・カナイ、ジム・ゴールドバーグ、ニューシャ・タバコリアンという3人の『Imperfectionalist(不完全主義者)』が追い求める『Imperfection』だ。

詳しい応募要項はこちら。
https://site.picter.com/polaroid-magnum-open-call-2024

カメラはPolaroidを使う必要はないが、「2つのストーリーを用意し、それぞれ最大15枚の写真と50文字に要約した説明」を用意しろとのことなので、なかなか簡単ではない。

写りがシャープな新しいモノクロフィルム登場

続いて新しいフィルムが発表された。

『B&W 600 Film – Monochrome Frames』は、その名の通り600タイプのフィルムなので、バッテリーが内蔵されており、古いタイプのPolaroidでも利用できる。

今回のイベントでは、我々取材者もこんな感じで撮影していただいた。

モノクロフィルムなのだが、従来のPolaroidより非常にシャープで中間階調の表現も豊かだ。フレームはモノトーンなのだが、浅いグレーから濃いグレーまで複数がランダムに入っており、次に撮るカットがどのグレーのフレームになるかは分からない。

今回発表された『B&W 600 Film – Monochrome Frames』で撮影いただいた我々。エモくなっているだろうか?(笑) 新しいフィルムは、階調性が高くシャープ。写りは美しくなったが、でもエモーショナル。

また、8月15日発売で、イームズとコラボレーションした『Polaroid Now Generation 2 – Eames Edition』も発売されるという。

 

クラウドファンディングは今月末まで!

また、今夏もワークショップで使われた高性能なマニュアルコントロールが可能な新世代Polaroidカメラである『Polaroid I-2』のクラウドファンディングもいよいよ大詰め。クラウドファンディングで購入できるのは2024年8月31日までとなっている。

支援額はすでに目標の100万円を11倍も超えているが、このPolaroidならではの面白さ、『エモさ』を気に入る人はもっといると思う。気になる人は、SHIBUYA TSUTAYAや、二子玉川の蔦屋家電『蔦屋家電+』に展示されているので、見に行ってみて欲しい。

「Polaroid I-2」クラウドファンディングサイト(GREEN FUNDING)
https://greenfunding.jp/lab/projects/8193

(村上タクタ)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部