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ROGUEのフラッシュベンダーv3を買った

仕事上の買い物。イメージビジョンが輸入しているROGUEの、フラッシュベンダーv3ラージソフトボックスキットという商品を買った。実は、VAIO Vision+のディスプレイをチェックするために、モニターキャリブレーターを買いに行ったのだが、そちらはまだ色々セッティングしてテストしなければならないので、また後日。

イメージビジョン
https://imagevision.shop/?category_id=59df019ff22a5b7c82000f49


わずか約325gと、超軽いモバイルディスプレイVAIO Vision+はMacでも使える

わずか約325gと、超軽いモバイルディスプレイVAIO Vision+はMacでも使える

2025年10月27日

『編集ライター』の余技としての撮影で、どこまでこだわるか? 効率化するか?

こうやって記事を書き、日々みなさんに写真を見ていただいていて、こんなことを言うのは申し訳ないのだが、私は自分を『プロカメラマン』だと思ったことは一度もない。雑誌屋時代に、本物のスゴいプロカメラマンたちと一緒に仕事をしてきて、そういう人たちと自分を並べようという気にはならないからだ。

しかし、残念ながら、今、自分で撮影しなければならない場面も多い。実際、アップルのアメリカの取材などは定員1人で呼ばれるし、日々、自宅オフィスで機材をテストしながら写真を撮るには、自分で写真を撮らざるを得ない。

で、EOS R6 Mark IIとEOS R10、その他もろもろのレンズを買って写真を撮っているのだが、シロウトなりに考えているのは、なるべく手数を少なく、分かりやすい、美しめの写真を、ということだ。

そういう意味では、EOS R6 Mark IIは非常に良い投資だった。

とはいえ、製品写真、いわゆる『物撮り』はけっこう難しい。

30年間、ずっとプロカメラマンの仕事を見てきたが、普通に物撮りをするためには、少なくとも2灯の大光量のストロボ、それを拡散して大きな面光源にするボックスなどが必要だ。

スタジオでバイクを本格的に撮影してもらっていた時には、紙をたらしてエッジを見えないようにしたホリゾント、超大光量のトップライト、左右から大きなトレペで面光源にしたストロボ、前後のホイールを照らすためのストロボ、前後のブレーキを照らすためのグリッドで光の向きを揃えたスポット……など少なくとも7灯のライトが必要だった。当時の編集者は、カメラマンのアシスタントようなこともしていたので、怒鳴られたりして大変だったが、とてつもなくいろいろな勉強をさせてもらったと思っている。光を当てて、もののカタチをいかに描いていくかというのが、スタジオ撮影なのだ。

選択が必要な、光の『硬さ』『柔らかさ』

物を撮る時に重要なのが、光の『硬さ』『柔らかさ』という概念だ。

1灯の点光源から一定方向の光が当たると、『硬い』表現になる。

陰影はシャープになり、投影される影のエッジもハッキリとする。物撮りでこういうライティングをすると、物は硬く、重い感じに写り、ディテールがシャープに描ける。しかし、影やハイライトになった部分の形状が表現しにくい場合もある。バイクのエンジンなど機械モノはこういうハードなライティングが似合う。

話がズレるが、人物写真で硬いライティングをすると、顔の凹凸やシワが強調され、迫力がある強い表現になる。男性やスポーツ選手の撮影に使われる。スポーツ誌のナンバーなどでよくある表現で、最近はデジタルでの後作業としてコントラストを操作したりもしているようだ。

大きな面光源の全体から光を発すると、『柔らかい』表現になる。『光を回す』ともいう。いろいろな広い方向から光を当てられるからだ。

新製品の説明カットを撮る時には、ある程度『光を回さ』ないと、いろいろな部分の形状が分かりにくくなる。メインのライトと、サブのライト(もしくはそれ以上の)を使って、ハイライトから、完全な影までいろいろな明るさの部分を作って、物の複雑な形状を表現することが必要だ。

ただ、ある程度強弱もつけないと、光が回りすぎて、印象として弱いというか、あいまいな写真になってしまう。

布をやわらかく表現したい時や、食べ物の撮影などでは、こうした光を回した柔らかいライティングが使われる。もちろん、この表現が一番必要になるのは、女性の撮影で、柔らかい女性的な雰囲気を出したい時だ。当然のことながら、女性誌などの雰囲気カットや、料理写真などに使われる。さらに、逆光を活かしたライティングが組み合わされることも多い。

大きなバンクライトや、巨大なトレぺをたらして、広い面光源を作り出すことが大切になる。

天井バウンス……の欠点を補う『フラッシュベンダー』

話が逸れまくったが、筆者としては、自室の限られた撮影場所で、いかに手軽に、光を回しつつ、時に強弱をつけた状態を作るかというのがキモになるわけだ。

また、イベント取材、発表会取材などの時もそう。

最近は、IT系のイベントだと、カメラの高感度性能に頼って現場の光で撮る人が多いが、それではメリハリのない表現になりがちだし、時に光量が足りないこともある。光量が足りないと、カメラの感度を上げざるを得ず、ノイズが増え、解像感が下がっていく。

ただ、ストロボを直接当てると、当然のことながら硬い表現になり、特に正面の凹凸がつぶれてしまう。みなさんもストロボを直接当てた写真は、良くないと思ったことが多いだろう。

そんな時に、我々がよく使うのが、『天井バウンス』という方法だ。

ストロボを天井に向けて光らせることで、広い範囲に光を降らせ、弱いながら光を回すことができる。取材している場面の写真などで、ストロボを天井に向けて光らせている人がいるのを、みなさんも見た事があるのではないだろうか? 広い範囲に光が回って、とにかくなんとなくなんとかなる……という手法だ。

しかし、天井バウンスには大きな欠点がある。

たとえば、幕張メッセのイベント会場のように天井が途方もなく高いと、天井に光が届かないからこの方法は使えない。また、スタジオなどのように天井が黒く塗りつぶされていてもダメだ。また、天井の色を被写体に反映してしまうので、オシャレカフェなどで、赤や青に天井が塗られていると、その色を反射してしまうから、途方もなくダメな写真になってしまう。

ストロボの光を、反射させて使うフラッシュベンダー

非常に長い前置きになったが、そういう時に、自前でストロボを反射させられるのが、このフラッシュベンダーという商品だ。

ストロボを天井の方に向けておきながら、このフラッシュベンダーで前の方に反射させるという仕組みだ。

光は撮影者側からになるので、凹凸は表現しにくいが、少なくともダイレクトにストロボを当てた時のように、コントラストが強くなったり、白飛びしたりはしにくい。

さらに、ディフューザーが付属しており、光を柔らかくすることができる。これで、直接的な硬い感じを少し和らげることができるはずだ。

実際に撮影したデータをご覧いただきたい

さて、実際に試してみよう。

直接ストロボ

まずは、直接クリップオンストロボを当てた状態。照明に向いた部分で、明るいところに白飛びができたりして、硬い感じがする。老人のフィギュアの首回りなどに強い影ができてしまっているのが分かるだろう。後ろの黒いボトルにもハイライトが強くできてしまっている。

天井バウンス

天井にバウンスすると、ぐっと光が回って老人のフィギュアも柔らかい感じが出る。ただし、コントラストが弱い分、老人のフィギュアのディテール感は少なくなる。天井が少しクリームがかったオフホワイトなので、全体に少し暖色系になってしまう。また、光は上から来るので、老人の耳の影が肩に出てしまったり、全体に下側が影になってしまう。

フラッシュベンダーを利用

今回購入したフラッシュベンダーを使った写真。直接当てるのと似たニュアンスはあるが、首元の影などは、周辺が少しボケる。光源が少し大きくなるからだ。光量が増すので、老人の服などのディテールはしっかりするし、色の転びもない。取材時のインタビュー写真で、雰囲気はなくともしっかり写す必要がある時にも便利そうだ。

フラッシュベンダー+ソフトボックス

フラッシュベンダーだけの時より、少し光が柔らかくなり、ディテールの質感もコントラストの強過ぎる感じが弱まる。クリップオンのストロボで物を撮らなければならない時や、女性のインタビュー写真の時などにいいかもしれない。

左右からLEDパネルライト

筆者がこれまで物撮りをする時に使っていた、LEDパネルライトを左右から当てたもの。ストロボより光は弱いが、光源が多くなると、光が回って物のカタチが出やすい。老人のフィギュアの立体感もいいし、背後のボトルのロゴもよく出ている。

LEDパネルライト+フラッシュベンダー+ソフトボックス

いつもの左右からのLEDパネルライトに、クリップオンストロボにフラッシュベンダー+ソフトボックスを組み合わせたもの。光源が多くなると、明るくなって細部のディテールも出るし、明るい部分はちゃんと明るくなる。絞り固定で撮っているのだが、シャッタースピードも速くなり、ISO感度も下がって、拡大した時のディテール感も増す。だが、見て分かるようにガラス面などへの写り込みは光が増えるので、パソコンやスマホを撮る時には、ガラス面の写り込みを避けなければならない度合いが増す。

組み合わせで、打てる手立ては増える

実際には、クリップオンストロボは2個あって、それをリモートで光らせることもできるので、組み合わせることで、演出の範囲はさらに増す。

特に、フラッシュベンダーを付けたストロボを撮影者の斜め前にすることで、しっかりとした影を作ったり、逆に被写体の背後に入れて背景を明るくしたり、被写体を逆光になるように撮影することもできる。

つまり、可能性は大きく広がるし、逆にいえば選択肢が増え過ぎて悩むことにもなる。

物によって、適切なライティングは違うし、形状を出したいのか、質感を出したいのか、製品をしっかり見せたいのか、カッコよくイメージカット寄りにしたいのか? などによってもライティングは異なる。

というわけで、「あまり手間はかけられない……」と言いつつも、いつもいろいろ悩みながら撮影をしているのである。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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