書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX1600

AI英会話アプリ『スピークバディ』を1年間以上使って、英語は上達したか?

  • 2024.12.31

取材でお会いしているIT系の方を見ていると、当たり前のように英語を使いこなす方が多い。ビジネスシーンにおいては、英語を使えるか否かが大きく成果を左右する。一方、義務教育から高校まで6年、大学まで含めると多くの人が10年も英語を勉強しているにもかかわらず、『英語が苦手』と思っている人は多い。そんな中、AIを利用した英会話アプリ『スピークバディ』が300万ダウンロードを記録しているという。英会話アプリで、英語力は上がるのか? 1年間使って試してみた。

スピークバディ
https://app.speakbuddy.me/

英語が苦手な筆者が、英会話アプリに取り組んでみた

他人ごとのようなリード文を書いてみたが、筆者は英語がすこぶる苦手である。

「え? 海外取材にも行ってるんだから英語できますよね?」と言われるが、アップルの発表会には同時通訳の方がいらっしゃる。たまに、この誤解から英語オンリーのイベントの取材に呼ばれて、目を白黒させながら取材したこともある(いただいた書類や、録音を機械翻訳してなんとか切り抜けることができるのも長年の記者生活の経験)。

記事を見るとバリバリ海外で取材しているように見えるかもしれないが、実は英語が不得手。

そもそも、中学から大学まで約10年も英語を勉強して、なぜこんなに英語がしゃべれないのか不思議だが、中学1年生の時に授業についていけず、そのまま10年を過ごしてしまった。

海外旅行にも行くが、最初が1カ月ブラジル、次に1カ月インド、次に1カ月ヨーロッパ……と、あまり英語が通じない国を旅行し続けて、身振り手振りで切り抜けられるということを学んでしまった(最悪の場合は絵を描く。絵は得意なのだ)。

「絶対に、英語が必要じゃない仕事に就こう」と思っていたのだが、バイク雑誌時代には、ハーレーやBMWの本社に取材に行ったり、海外サーキットでの試乗会に行ったり、ラジコン飛行機時代にもさまざまな海外イベントの取材に行ったり……そして、当然ながら現在のIT系メディアでも英語力が必要とされる。

「観念して英会話教室に行くか……」「いや、時間もお金もない」「いまさら勉強するなんて……もっと若い時にやっておけば良かった」……などなどいろんな思いが錯綜する。

話せるような、話せないような……

親のコンプレックスの裏返しか、子供たちは英語が得意だ。

「パパはしゃべれるのに、『しゃべれない』と思い込んでるだけだよ」とは、海外生活5年目になる娘の談。「ラテン系の人とか、単語3つ知ってたら、『オレは○○語をしゃべれる』って言ってるよ(笑)」とのこと。

たしかに、ラジコン飛行機のイベントを5日間取材して1冊の雑誌を作ったりしていたのに、聞かれると「ダメダメ、全然しゃべれないんです!」と言うのも変な話だ。我々はなぜ、「全然しゃべれない」と思っているんだろう?

旅慣れてはいるので、行動するのに不自由はない。ただ、詳しいインタビューとなるとちょっと無理。

ひとつには、学校教育が減点方式になっているからで、ダメ出しをされるたびに『英語が苦手』という思いが積み重なっていくのだろう。また、「恥ずかしい」という思いも強い。インドの街中では、下手な英語で話すことができるのに、日本のオフィスに英語圏の人からかかってきた電話に(同僚の前で)出るのは死ぬほど恥ずかしい。

つまり、『通じりゃOK』という思いを強くしてくれて、『恥ずかしい』がなければ、もしかしたら、筆者は英語が上達するのかもしれない。

最近、性能が大きく向上している英会話アプリを試してみた

そんな時に、「スピークバディを試してみて、弊社に取材に来ませんか?」と、同社広報の方から、連絡をもらった。そして、1カ月分のクーポンを提供していただいたので、試してみた。

その後、1カ月経ってもお互いに忙しくて取材は実現しなかった。でも、筆者はもう少し試してみたかったので、1年間のプランで2万3800円(1カ月プラン3300円、6カ月プラン1万7800円(¥2,967/月)だが、この1年プランが一番割安で(¥1,983/月))。つまり、2万3800円払っても1年チャレンジしてみるか! と思うぐらいの良さは感じたわけだ(そして、さらに今は2年目に入って、妻も始めたので、もう7万円以上払ってることになる)。

アプリのカリキュラムは1日20〜30分ぐらいで、ストーリーに沿って登場するキャラクターと会話するのが基本構造。キャラクターは合成音声で話し、こちらの発話は音声認識で判断される。この音声認識がけっこう良くできてきて、「あ、僕の発音が悪かったから通じなかったんだ」とか、「僕の発音は、英語圏の人にはこう聞き取られるのか」と思えるレベル。

これが、人間相手だったら「聞き取ってくれよ」とか、「他の人なら通じるかも」と思ってしまうが、音声認識のレベルが一定だから「あ、自分の発音が悪かったのか」と素直に思える。

登場するキャラクターのイラストは、日本の萌えマンガっぽい感じでもなく、さりとてバタくさい濃いキャラでもなく、ニュートラルなベクターデータで描いた感じのイラスト。

1カ月もやってくると、オリビアという同僚がけっこうドジっ子だったり、ジョンが個人主義だけどけっこう有能で仕事を助けてくれたり、デブラという白髪の女性の上司が貫録があったり、ベンという人材会社のビジネスマンが有能だったりと、いろんなことが分かってきて、日々会話する人たちに愛着が湧いてくる。

左がアダム。シドニー出身。中央がスティーブン(笑)コンピューターに詳しくて、 HELLO WORLDと書いたTシャツを着ている。右がデブラ。上司だったり、友だちのお母さんの役だったりで登場する。

そうそう、スティーブンっていう名前の同僚が、会社のIT機材担当なんだけど、どうみてもウォズニアックそっくりで、HELLO WORLDと書いたTシャツを着てて、Google Glassをかけてて(これはそろそろVision Proに換えて欲しいなw)。

あと、ザックがけっこういいかげんで、約束の時間に遅れてくるとか。でもサーフィンが好きでいいヤツなのだ。

『単語学習』『リスニング』『会話』『英作文』『応用練習』を毎日

話が逸れた。

毎日のセッションは、『単語学習』『リスニング』『会話』『英作文』『応用練習』で1セット。

まず、いくつか単語の意味を4択で回答して覚えて『単語学習』。

次にキャラクター達との会話を『リスニング』して、設問に答える。

さらに、その会話を、自分の分担のところを言う『会話』。

そして、同じ会話のうち、一番重要なキーセンテンスのところが虫食いになっていて、自分で答える『英作文』。

最後に、そのキーセンテンスを使った『応用練習』。

この1セットで、ひとつのキーセンテンスを身に着ける構造になっている。このセッションは、すでに800以上作られており、これで日常的に使われる英会話の多くをカバーできるようになっている。

加えて、毎日、前回のセッションの『復習』も行われる。また、弱点である単語を強化してくれる『単語発音練習』、イントネーションを中心に発音を練習する『コピーキャット』、これまで学習したキーフレーズを突発的に練習させてくれる『キーフレーズ道場』などの授業が、時々追加される。これらのカリキュラムは、これまでのセッションの結果に基づいてAI(アルゴリズム)が組み立ててくれるらしい。

さらに2023年9月末からは、『バディチャット』というAI英会話もできるようになっている。

それで、英語力は上がったのかどうか?

で、1年間やってみて、英語力は上がったかどうか。

筆者は、この1年半あまりDuolingoを完全に毎日(650日継続中)と、スピークバディをほぼ毎日やっている。スピークバディがDuolingoほど毎日できていないのは、それなりに集中した時間が必要だからだ。たとえば、アメリカ取材に行ってるとか、明朝まで締切の記事を書いてるとか、タイトな予定で会食に行ったとかいう時に、無理にスピークバディはできない(Duolingoは無理してでもやっている)。これはスピークバディはある程度、時間を取って集中して取り組まなければならないからだ。

1日20分取り組んでいるとして、400日で、約130時間。

息子が、(台湾に)留学して授業を受けられるレベルまで中国語を学習するのに1000時間かけたことを思うと、わずかな勉強時間だ。

「英語力は上がったか?」と聞かれると、

正直なところ、まだ、

「どうだろう?」と答えるしかないのが現状だ。

しかし、海外取材の時の現地のアップル社員の人たちの話や、他の日本人取材者の人の質問が理解できる度合いは少し増している気がする。

また、ほんのちょっとした日常会話は、こちらから話しかける気になることが増した気がする(複雑な技術的会話はまだ無理)。

英語を長く勉強している娘や、中国語と英語を勉強している息子に聞いたところ、言語学習は「ここまでできたらOK」という領域はないらしい。ただ、ずっと勉強していると「あれ? オレ、分かるかも?」と体感することはあるらしく、その実感は時間に正比例して増えていくのではなく、階段のようにある時ステップを登った感じがするらしい。

スピークバディを1年間やった状態では、まだ「英語できるようになりました!」と言うにはほど遠い。

だって、考えようによっては2万3800円しか払っておらず、130時間しか費やしていないのだ。英会話学校に何十万円も払っている人がたくさんいることを考えると、とても安い。

そして、英会話学校だとスケジュールの調整も大変だし、何より対面で話すのは気が引けるし、先生の当たり外れ、相性的な問題もあるだろう。

そう、実は筆者にとっては、iPhoneに向かって話すのは恥ずかしくないというのも大きなメリットだ。対人で話す最大の難点は、苦手意識、「英語ができなくて恥ずかしい」という意識が湧き上がってくることだ。その点、スピークバディならその心配がない。

……というところで、1年越しの約束が実を結び、スピークバディ社に取材に行くことができた。

次回は、1年間スピークバディを体験した筆者が聞いたスピークバディの仕組み、コンセプト、実際の事情……などのお話をレポートする。

(村上タクタ)

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

CLUTCH Magazine, Lightning, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

モヒカン小川

Lightning, CLUTCH Magazine

革ジャンの伝道師

モヒカン小川

ランボルギーニ三浦

Lightning, CLUTCH Magazine

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

アオイちゃん

Lightning, CLUTCH Magazine

チーママ系エディター

アオイちゃん

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

なまため

2nd(セカンド)

I LOVE クラシックアウトドア

なまため

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

おすぎ村

2nd(セカンド), Lightning, CLUTCH Magazine

ブランドディレクター

おすぎ村

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

CLUB HARLEY 編集部

Dig-it, CLUB HARLEY

ハーレー好きのためのマガジン

CLUB HARLEY 編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部