「Polaroid I-2」クラウドファンディング(6月30日まで)
https://greenfunding.jp/lab/projects/8193
『Topologie x Polaroid』のコラボイベント行ってみた
’70年代に『すぐに写真が見られる』ということで、大流行したポラロイドカメラ。
2000年代になるとデジタル化の波に呑まれてしまったのだが、最近、『写真がゆっくりと出てくるのが面白い』『デジタルじゃなくて、写真が紙にプリントされてるなんてウケる!』ということで、再び流行のきざしを見せている。
そもそも、Instagramの写真が『ポラロイド風』を意識していたわけで、若者がインスタで写真を共有するようになった現在において、そのルーツであるポラロイドの写真が『エモい』とウケるのは当然のことだが、’70年代のポラロイドを体験している筆者などは困惑するばかりである。
会場となったTopologieのお店は原宿にあり、イベントには若くてかわいらしいインフルエンサーの方々がたくさん集まっていて、そういうのと縁遠い筆者などは、さらに困惑するばかりである。
それはともかくTopologieは、ナイロン用のパラコードを使ったストラップをヒットさせたブランド。登山やキャンプを知ってる人なら、エバンスノットにして長さを調整できるようにして両端にフックが付いてるといえば分かりやすいだろうか?
実際、iPhoneケースに付けたり、ポーチに付けたり、カメラストラップとして使ったりと、我々ガジェット好きにとっても非常に便利そうだ。使われているパラコードも複数種類あり、用途や好みによって太さを選べるし、パラコードではないフラットなストラップを使ったバリエーションもある。つい筆者も1本買ってしまったし、近所を通ったら、また買ってしまいそう。
このTopologieがポラロイドと非常に相性がいいということで、店内にはPolaroid Go(小さなサイズのフィルムを使うポラロイドカメラ)も販売されている。
また、iPhoneケースをはじめ、さまざまなコラボグッズも用意されている。
ポラロイドの仕組みを活かしたエマルジョンリフトの面白味
当日はPolaroidの体験会なども行われていたのだが、筆者が興味を惹かれたのが、ポラロイドを使った『エマルジョンリフト』という技法のワークショップ。
ポラロイド写真を分解して、乳剤部分を水に浮かせて、和紙やキャンバスなどの素材に貼り込むという楽しみ方だ。
仕上がった作品は、元写真より少し大きくなって、シワや気泡や、ちょっと破れてしまったところもエモい(←慣れない言葉を使ってみた)。ちょっと、シルクスクリーン作品みたいで、ポップアートっぽいのも素敵。しかも、制作はとても簡単だ。
実際に、作業をやらせてもらったので、ご説明しよう。
まず、ポラロイドカメラで写真を撮る。ここでは、クラファン中の『Polaroid I-2』で撮ってもらった。『Polaroid I-2』は一般的な一眼レフのように、絞り優先にしたり、露出を調整したりできるので、こういう作品作りには向いている。
乳剤が完全に乾いてしまうと剥がせなくなるので、撮影後7〜8分ぐらいに剥がす作業をするといいらしい。つまり、『エマルジョンリフト』は撮影直後にしかできないワザなのだ。20分もすると完全に乾いてしまうので、できなくなるらしい。
ちなみに、筆者と一緒に写真に写ってくれたのはカレーライターの『はぴい』さん( https://hapi3.net/ )。まぁ、オジはオジ同士の方が落ち着くということだ(笑)
で、撮った写真の周囲のフチ部分を切る。
そして、裏紙の部分と、乳剤のついたフィルム部分をペリペリと引きはがす。この時、少々裏紙が残っても気にしない。
そして、この透明フィルムを水に浸ける。すると、乳剤部分がフワフワとフィルムから剥がれてしまう(エマルジョン(乳剤)がリフトするわけだ)。
フィルム部分を破棄し、フワフワと水に漂う乳剤部分を、和紙やキャンバスを水に入れて掬い取る。
この時、乳剤部分は丸まったり、シワになったりしようとするが、紙を動かした時に生じる水の流れを上手く使って、伸ばすのがコツだ。もちろん、傾いたり、シワになったりするのもまた、味である。
これで出来上がり。乾いたら、ちょっと周りの部分を破いたりするのもいいかも。
ポラロイドカメラをお持ちの方、購入予定の方は、ぜひ試していただきたい。
なんというか、物理的な『写真』があるからこその面白みで、その時撮った1枚が、デジタルデータにもならずに、水の中を漂い、紙に固着するというのがなんとも面白い。唯一無二なものに、フィルムの選び方、紙の選び方、手作業でリフトさせる面白味……などがあるからこそ、なんだか作品性みたいなものが生じている。
作品展も開催中
Topologieは、現在インスタレーション『16 instants』に参加した日本人アーティスト3人の写真を展示していたりもする。
原宿に行く機会があった際は、ぜひ立ち寄ってみていただきたい。
(村上タクタ)
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