書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

どうする? 国家戦略としてのフードテック——F4F(スペイン)のレポート【SKS JAPAN】

7月27日から29日にかけての3日間、東京ポートシティ竹芝において、フードテックに関する大規模なカンファレンスイベント『SKS JAPAN ——Global Foodtech Summit』が開催された。

ご存知のように、現在地球全体の人口は80億を超えており、2058年ごろには100億を超えると言われている。それだけでなく、従来肉食をしなかった地域の人々が肉食をするようになったり、そもそも富の分配の不均衡や、安全保障上のリスクの高まりなど、食に関する危機感はかつてないほどに高まっている。

一方、我々は日々、食を欠かす事はできないし、かつ食は単なる『生きるために欠かせないもの』というだけでなく、人生を豊かにするものだ。

人類80億、そしてこれからの100億の時代の食のために、テクノロジーができることがあるはず。それがフードテックの目指すところだ。

スペイン・ビルバオで開催された『Food 4 Future』とは?

そんなSKS JAPANのセッションをいくつか聞きに行った。

2日目の7月28日18:00から開催された、『国家戦略としてのフードイノベーション~F4F(Spain)の学びより』には、Food Tech Studio – Bites!の外村仁氏や、農林水産省の宮浦浩司氏、スペイン大使館の内田瑞子氏、Carmine Worksの深田昌則氏、モデレーターとしてシグマクシスの田中宏隆氏が参加された。

F4Fとは、スペインのバスク地方にあるビルバオという小さな街で開催された『Food 4 Future』というイベントのこと。

ビルバオ市はビスケー湾に面した人口30万人ぐらいの街で、どちらかというと衰退しつつあった街だが、洪水で大きなダメージを受けた。そこからの復興時に観光都市として大きく舵を切り、招致したグッゲンハイム美術館の完成を皮切りに、多くの観光客を集めるようになった。同時に、美食の街としても発展を遂げ、いまやミシュランの星を獲得した多くのレストランが建ちならぶ街になっている。

この街で開催される、『食の未来を考える』イベントが『Food 4 Future』だ。

このセッションでは、今年5月に開催された『Food 4 Future』に参加したメンバーを中心に、どうすればビルバオ市のような、食による繁栄を日本にも反映できるか? が語られた。

登壇者の方々によると、海外から見た日本の食産業には、『高い独自性』があり、他国にない『ヘルシーな食文化』があり、それを支える『テクノロジーを持つ企業』が数多くあり、非常に大きな可能性が広がっているのだそうだ。

いまや欧州では『食とリジェネレーション』という観点で、さまざまな社会変革が起こってきているのだという。それらは、日本にも反映されるべきことだ。

また、彼の地には、食のスタートアップをしっかりと支援する仕組みも出来上がっており、これも日本が学ぶべきことだという。

今年、すでに日本からは約80人が参加しており、『ゲスト・カントリー』として始まった交流は、来年には『フレンドリー・カントリー』として、より期待が高まっているのだという。

2024年には、4月16〜18日に開催される『Food 4 Future』に参加する人を募集することで、セッションは締め括られた。

食産業にかかわるみなさん。日本のフードテックの未来の可能性を探るため、『Food 4 Future』に参加してみてはいかがだろうか?

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

Pick Up おすすめ記事

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

時計とベルト、組み合わせの美学。どんなコンビネーションがカッコいいか紹介します!

  • 2025.11.21

服を着る=装うことにおいて、“何を着るか”も大切だが、それ以上に重要なのが、“どのように着るか”だ。最高級のプロダクトを身につけてもほかとのバランスが悪ければ、それは実に滑稽に映ってしまう。逆に言えば、うまく組み合わせることができれば、単なる足し算ではなく、掛け算となって魅力は倍増する。それは腕時計...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...