ご存知のように、現在地球全体の人口は80億を超えており、2058年ごろには100億を超えると言われている。それだけでなく、従来肉食をしなかった地域の人々が肉食をするようになったり、そもそも富の分配の不均衡や、安全保障上のリスクの高まりなど、食に関する危機感はかつてないほどに高まっている。
一方、我々は日々、食を欠かす事はできないし、かつ食は単なる『生きるために欠かせないもの』というだけでなく、人生を豊かにするものだ。
人類80億、そしてこれからの100億の時代の食のために、テクノロジーができることがあるはず。それがフードテックの目指すところだ。
スペイン・ビルバオで開催された『Food 4 Future』とは?
そんなSKS JAPANのセッションをいくつか聞きに行った。
2日目の7月28日18:00から開催された、『国家戦略としてのフードイノベーション~F4F(Spain)の学びより』には、Food Tech Studio – Bites!の外村仁氏や、農林水産省の宮浦浩司氏、スペイン大使館の内田瑞子氏、Carmine Worksの深田昌則氏、モデレーターとしてシグマクシスの田中宏隆氏が参加された。
F4Fとは、スペインのバスク地方にあるビルバオという小さな街で開催された『Food 4 Future』というイベントのこと。
ビルバオ市はビスケー湾に面した人口30万人ぐらいの街で、どちらかというと衰退しつつあった街だが、洪水で大きなダメージを受けた。そこからの復興時に観光都市として大きく舵を切り、招致したグッゲンハイム美術館の完成を皮切りに、多くの観光客を集めるようになった。同時に、美食の街としても発展を遂げ、いまやミシュランの星を獲得した多くのレストランが建ちならぶ街になっている。
この街で開催される、『食の未来を考える』イベントが『Food 4 Future』だ。
このセッションでは、今年5月に開催された『Food 4 Future』に参加したメンバーを中心に、どうすればビルバオ市のような、食による繁栄を日本にも反映できるか? が語られた。
登壇者の方々によると、海外から見た日本の食産業には、『高い独自性』があり、他国にない『ヘルシーな食文化』があり、それを支える『テクノロジーを持つ企業』が数多くあり、非常に大きな可能性が広がっているのだそうだ。
いまや欧州では『食とリジェネレーション』という観点で、さまざまな社会変革が起こってきているのだという。それらは、日本にも反映されるべきことだ。
また、彼の地には、食のスタートアップをしっかりと支援する仕組みも出来上がっており、これも日本が学ぶべきことだという。
今年、すでに日本からは約80人が参加しており、『ゲスト・カントリー』として始まった交流は、来年には『フレンドリー・カントリー』として、より期待が高まっているのだという。
2024年には、4月16〜18日に開催される『Food 4 Future』に参加する人を募集することで、セッションは締め括られた。
食産業にかかわるみなさん。日本のフードテックの未来の可能性を探るため、『Food 4 Future』に参加してみてはいかがだろうか?
(村上タクタ)
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