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405馬力! 最後のエンジンZと、e-4ORCEエクストレイルに見るクルマの未来

都内で開催された日産の『ライフスタイルメディア向け試乗会』というのに行ってきた。『ガチの自動車評論家ばかりでなく、一般のメディアにも日産のクルマに乗ってもらおう』ということなのだと思う。ThunderVoltとしてもテクノロジー側面からクルマの未来が気になる……というか、正直に言うと用意された最新型のフェアレディZに乗りたかったのだ。

筆者はバイク乗りで、200馬力ぐらいのバイクでも(サーキットで)ヒザを擦って走ることができる走り屋さんだ。クルマは安全運転が旨だが、大排気量の大きなクルマが好き。今持ってるクルマも255馬力と、それなりにパワフル。当然のことながら、 V6ツインターボ、405馬力のフェアレディZが気になる。今後、純エンジン車については、どんどん締めつけが厳しくなるだろうから、こんな奔放なパワーユニットを積んだクルマはもう作られないかもしれない。そういう意味では、『最後のエンジンZ』かも。

もう一台用意されたのは、エクストレイル。実はミニバンや SUVなど腰高なクルマはあまり好きではないので、興味のないクルマだった。エンジンは直接車軸に繋がっておらず、エンジンで発電した電力でモーターを駆動するe-Powerという仕組みも「なんだか、まわりくどいな……」と思っていた。

しかし、そこで体験したのは意外な未来のひとつのカタチだった。

エクストレイルって、どんなクルマ?

さて、最初に乗ったのは、エクストレイル。

古くさい言い方をすれば、そもそものエクストレイルは2リッタークラスの街乗りSUV。いわゆるガチなクロカンSUVと違って、ほとんどが舗装路で使うことを想定されたSUVだ。そんなわけで昔から2駆仕様もある。

最新のエクストレイルは全車e-POWER。つまり、1.5リットル3気筒のエンジンで発電し、その電力で走るというガソリンを使う電動車。そして、4輪駆動車は、e-4ORCEという2個のモーターと4輪のブレーキを電子制御して、4輪の駆動力を個別に操作するという仕組みを持っている。つまり、今回の試乗車の特徴は、e-POWERでe-4ORCE……ということになる。

ともあれ、Zは後の楽しみに取っておいて、まずはエクストレイルを……と思っていたのに驚いた。これは楽しい!

とにかく、e-4ORCEがスゴイのだ。

e-4ORCEのスゴさを分かりやすく解説しよう

我々バイク乗りは、前後のブレーキを別々に操作する。

たとえば、コーナーに入って行く時の操作を微分すると、まず身体を起こしながら、リアブレーキを少しかける。これにより、加速で後傾していた車体が落ち着いて、グリップが向上する。続いて、フロントブレーキをほんの一瞬緩くかけることで、フロントフォークを少し沈ませ、そこから強く前輪のブレーキをかける……というように細かい制御をすることで、車体がつんのめらないようにしながら、前後輪を地面に押し付けて最大限のグリップを引き出しつつ減速する。

おおまかに言うと、クルマに乗っていても同様で、ほんの一瞬緩やかにブレーキをかけてから強く踏み込むことで、車体を落ち着けて、ピッチングを少なくしながら強く減速することができる。

e-4ORCEは、このピッチングを少なくする制御を常時自動的に行ってくれるのだ。

ただ、街中をゆっくり走っている時に、駐車車両を避けるためにクランク状に走っただけでも、『ブレーキ、ハンドルを右に切る、加速、ブレーキ、ハンドルを左に切る、加速』という操作が発生するが、このすべてで余計なピッチングが発生しないように、4輪の駆動力を制御してくれるのだ。

これは本当にすごい。

比較的車高の高いSUVなのに、非常に運転が上手い人のように、いや、それ以上に減速も、旋回も、加速も滑らかに行ってくれるのだ。簡単に言えば、藤原拓海の紙コップの水がこぼれない。

運転が下手な人の助手席に乗ると各動作にピッチングが起こって、お釣りが返ってきて非常にイライラするのだが、エクストレイルだと、そんなこともなさそうだ。運転下手な人でも、「上手くなったね!」と言われること請け合い。

某EVメーカーのクルマに乗ると、EVは素晴らしいけれど、クルマとしての可能性はもっとあるんじゃないかなぁ……と思う。クルマがどうやって動くのか? を100年近く考え続けてきたメーカーだからこそ、作れるEVがあるはずだと筆者は思っていた。それがe-4ORCEだった。

運転席から見ると、スピードやナビがフロントウインドウに浮かぶHUDも未来っぽくて素敵。

重心はどこにあるのか、車体各部にどういう剛性を与えれば運転していて適切なフィーリングを得ることができるのか? わずかな面積で地面に接触する4輪にどのような駆動力を与えれば、心地よい旋回力が得られるのか? そして、万一の事故の時に、どうやったら乗員のダメージを少なくできるのか? モーターやバッテリーを組み合わせたら、クルマができる……と思ってる企業や人々に、ニッポンの自動車メーカーが一泡吹かせるために必要なのはe-4ORCEのようなクルマだと思うのだ。

フェアレディZ! 悶絶する、0.5秒のフル加速

と、e-4ORCEにワクワクしたところで、フェアレディZの試乗の順番がやって来た。ワガママを言って試乗の順番を変えてもらって、高速道路を含む1時間あまりの試乗が可能なようにしてもらった。

筆者の所有車は歴代セダンやワゴンばかりなので、こんなスポーティなクルマに乗ったことはあまりない。運転席に座ると、その低さとタイトさに驚く。

街中を走っていても、低い視線、タイトなコクピット、剛性感のあるシャシー、俊敏なレスポンス、そして迫力のある排気音が、このクルマがタダものではないことを教えてくれる。

高速道路のランプを駆け上がり、ETCのゲートを抜け、ウィンカーを出しながら、床までアクセルペダルを踏みつける!

……ドンッ! 1秒、いや0.5秒ぐらいのフル加速の後、一瞬にして制限速度と前のクルマのテールランプが近づく。正直、東京近郊、いや、日本の道路でこの強大なエネルギーを解き放つのは不可能だろう。

たぶん、低いギアでは405馬力のフルパワーは出ていないと思うが、それでも筆者がクルマを運転していて感じた加速Gの中では歴代ブッチギリで1位だ。

G-Forceセンサーが記録を残してくれるので、ついがんばってしまう……(汗)

さらに、料金所を越えて、0からおそらく2秒ぐらいの全力加速をする機会があった……いやはや凄まじい。そして、その駆動力をガッチリ受け止める剛性感のあるシャシーもすごい。

旋回性能については、首都高のコーナーや、ランプウェイを曲がったぐらいではとやかく言えるほどの経験をすることはできなかった。本領は、もっともっと高速域だったり、パワーをかけられるコーナリングにあるんだと思う。まぁ、クルマの運転に関しては、それほどの技量はないのだけれど(汗)

猛烈にパワフルだけど、トルキーな方が魅力的じゃない?

しかし、そうやって出せないパワーを出そうと苦戦しているうちに少し感じたことがある。

筆者は、6代目、いわゆるZ34系のZにも乗ったことがあるが、そちらの方が力量感というか、トルクを感じた気がする。今回乗ったRZ34系は、ツインターボで爆発的パワーを発揮するが、少し線が細い。筆者は、マニアの方の言う『Zらしさ』がどういうものなのかは知らないが、トルキーな方が、個人的に思い描いていたZっぽいものに近いのではないかと思うし、日常的な速度域でも楽しめるのではないかと思う。

それほど過去のZも知らないし、1時間やそこら乗っただけで何を言うか……というところではあるのだが、私にとって、e-4ORCEの方が衝撃的だったことには意外さを感じた。試乗会に来るまでは、エンジン車の方が、Zの方が面白いだろうと思っていたのだが、『Fun to Drive』は、化石燃料が燃焼する時にだけ生まれるのではないということに幸せを感じたのだ。

クルマメーカーの可能性。2台に乗って『eフェアレディZ』を夢見た

というわけで、テック系メディアらしく、EVでのドライブに大きな可能性を感じたところでこの試乗記を終わる。

長い歴史を持った自動車メーカーの作るEVはきっと楽しい。もし、次の『フェアレディZ』が、e-4ORCEのような技術を積んだスーパースポーツだったらどうだろうか?(FRじゃないとZじゃないかもしれないので、それはGT-Rの役目かもしれないが)

もしかしたら、RZ34系フェアレディZは最後のエンジンモンスターかもしれない。でも、そろそろ『運転の楽しさ』を追求した、ニッポンの自動車メーカーのEVスポーティカーが出て来たっていいと思うのだ。フロントに重いバッテリーを積んで、あえて後輪だけを駆動して、ドリフトを電子制御しながらコーナーを立ち上がる『eフェアレディZ』が出て来たら、とても面白いと思うのだが。

e-4ORCE搭載のエクストレイルと、405馬力のRZ34系フェアレディZに乗って、そんなことを感じた。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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