ビッグブランドへと成長していくAnker
AnkerはiPhoneや、Androidなどデジタルガジェットが普及し始めてから、そのバッテリーを提供し始めたのがルーツ(正確にはその前にはパソコン用のバッテリーを手がけていた)。
2010年代初頭頃は、iPhoneケースやバッテリーなど、新しいビジネスチャンスに雨後の筍のように周辺機器メーカーが増えた時代だった。
充電器、バッテリー関連も、そんなビジネスのひとつ。特に、重量あたりの容量が大きいリチウム系バッテリーが普及する過程で非常に多くのメーカーがしのぎを削った。
リチウム系のバッテリーは、ショート、過放電、過充電などにより燃える可能性もあり、確実な安全回路や高い製品品質が要求されるカテゴリーで、ユーザーも安全性、信頼性を求めるようになった。
そんな中、高い信頼性と、アップル製品にフィットする優れたデザイン品質、ブランド、そして高いコストパフォーマンスで人気を博したのがAnkerだった。Ankerは今や、家電ブランドのEufy、オーディオのSoundcore、プロジェクターのNebulaなどのブランドを抱える、大企業に成長している。
iPhoneに合わせた新カラーバリエーション
そんなAnker社が四半期ごとに発表会イベントを開催している。
前回は、7月の開催で、窒化ガリウム系の新世代充電器、『GaN Primeシリーズ』が発表されたが、今回もさまざまな製品が発表されたので、ご紹介しよう。
まずは、充電器やモバイルバッテリーのシリーズに、新カラーバリエーションの発表。
これらは、言うまでもなく、iPhone 13 ProやiPhone 14 Proを意識した新色。iPhoneとのカラーコーディネートを楽しめるというわけだ。
ポケモンGOプレイヤー必携
20W、65W、120Wの充電器を、それぞれポケモンのピチュー、ピカチュウ、ライチュウになぞらえた充電器もユニークだ。
20Wはスマホの充電にちょうどいい。65Wもあれば、スマホとモバイルバッテリー、もしくは薄型のパソコンの充電に使える。さらに120Wもあれば大型のノートパソコン含め、たいていの用はまかなうことができる。充電器の電力量が分からないような人でも、キャラクターの違いでパワーを体感できるのは面白い工夫だ。
カラーコーディネートされたケーブル付きで、稲妻マークのケーブルストラップも嬉しい。
アップルファンの出張に便利そう
我々のようなアップル製品ユーザーに嬉しいのが、『Anker 3-in-1 Cube with MagSafe』。
iPhoneをMagSafeで、Apple Watch、AirPodsも充電できるという充電器。Ankerで初めてMade for MagSafe認証を取得しており、15W充電が可能なのが嬉しい。
また、折り畳むと6cm四方になるので、オフィスのデスクに収納したり、出張先に持って行ったりするのにも便利そう。
VRと睡眠のための専用イヤフォン
Soundcoreからもさまざまなオーディオ製品が発表された。主力は、完全ワイヤレス、ノイズキャンセリングイヤフォンのSoundcore Liberty 4だが、今回は他にもユニークな製品が発表されていた。
Soundcore VR P10は、Made for Meta認証取得のゲーミングイヤフォン。Meta Quest 2のUSB-Cコネクターに接続して、ワイヤレスで使用できる。レイテンシーは30msとのことで、ゲーマーの方でも満足できる反応速度を目指したという。
最近、寝られないこともある筆者として気になるのがSoundcore Sleep A10。
普通に音楽を聞くこともできるが、イヤフォン内にダウンロードしたスリープミュージックを流して眠りを誘うことができるという。片耳約2.9gで、眠る時に付けていても邪魔にならない。ノイズマスキングスリープミュージックを流し、周りの環境音が気にならないようにするという。
また、睡眠状態もモニタリングして、入眠時間、起床時間や眠りの深さを記録する。さらにスマートスイッチ機能を設定すると、入眠時に自動的に睡眠モードに切り替わり、再生していた音楽を停止させるのだという。
サステナビリティにも
その他にもさまざまな製品が発表されたが、注目したいのが、ユーザーサポートや環境問題など、製品以外の部分での取り組みだ。
もともとユーザーサポートには定評のあるAnkerだが、今回さらに『アンカー・テック株式会社』という別会社を作り、販売した製品の修理と顧客対応を専門に行うことにした。
さらに、製品の回収、修理、リサイクルなど、廃棄物を出さないことにも取り組むとのことで、モバイルバッテリーの買い替え、下取りサポートなども行っていくという。なんと、他社製品も引き取るという太っ腹ぶり。
(5000個までのバッテリーの回収を行う予定だったが、記事執筆時点で、すでに受付台数は上限に達しているとのこと。ニーズは高そうなので、今後も同じような方向性の取り組みを行って欲しい)
当日にイベントで発表された製品の価格などのスライドを添付しておく。
これらの製品の詳細はこちらに掲載されている。
Anker Power Conference 2022 Fall
https://www.ankerjapan.com/pages/anker-power-conference-2022-fall
(村上タクタ)