書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

iPad第10世代で、ついに大事なアレがなくなった!?

噂されていた新型iPad ProとiPad、そしてApple TV 4Kが発表された。ここでは新型のiPad(第10世代)についてご紹介する。発売は10月26日。64GBと256GBの2モデル。価格は6万8800円(税込)〜。現在のところ第9世代も4万9800円(税込)〜で併売される。

ついにホームボタンがなくなった。第9世代は継続販売される

iPad ProのM2搭載は順当な進化だが、スタンダードモデルのiPadがどうなるかは予想の分かれるところだった。そして、新製品が発表されてなお、ちょっと仕様に不可思議な部分が残る製品となった。一部詳細は実機のレビューをお待ちいただいての確認となる。

iPad(第9世代)→iPad(第10世代)の変化は大きい。

中でも最大の変化は、ホームボタンが無くなり、エッジがスクエアで等幅なLiquid Retinaディスプレイのデザインになったことだろう。そして、価格は少々値上がりしている。

現在のところホームボタンを持つiPad(第9世代)はラインナップに残っている。小さな子供や、高齢者の方をはじめとした、操作に慣れない方にとって、押せばいつもの画面に戻れるホームボタンは操作の拠り所になるボタンだ。

予算の限られる小中学校などでの使用は、今後も第9世代が前提になるのではないだろうか?

インターフェイスを全モデルで統一したいのも分かるが、操作に慣れない方のためにホームボタンのあるモデルを残しておきたいという意見もあるのだろう。iPhone SE(第3世代)とiPad(第9世代)の2機種が、iPhone、iPadそれぞれのラインナップの下端に残されているのは、そういう意味ではないだろうか?

iPadで初めての『横使用前提』

では、新しいiPad(第10世代)はどういうポジションを担うのだろうか?

ディスプレイは第9世代の10.2インチに対して、10.9インチに拡大されている。チップセットはA13 BionicからA14 Bionicにアップデート。CPU性能は20%、GPU性能は10%向上し、Neural Engineのコア数は2倍になり機械学習の性能が最大80%向上している。

認証はFace IDではなく、iPad Airと同じく電源ボタンに内装されたTouch IDで行う。

特徴的かつ不可解なのは、iPadの全モデルの中で初めてFaceTimeカメラが長辺の中央に設けられたことだろう。つまりは、このiPadは、横向けにセットし、Magic Keyboard Folioなどを接続して使うことを前提としている。ビデオ会議などを行うことが増えていることを考えると、その点は理解できなくはない。

また、USB-Cポートを介して外部ディスプレイを接続し、4Kまでの出力を可能としているのも嬉しい(しかし、A14 Bionic搭載機ではステージマネージャーは利用できない可能性が高い)。

対応Apple Pencilは第1世代。どうやって充電する?

しかし長辺にカメラを内蔵したせいか、連携できるApple Pencilがマグネットで接続して充電&ペアリングできる第2世代ではなく、第1世代なのは納得がいかない。なにしろ、Apple Pencilの第1世代はLightningコネクターを介して充電&ペアリングするのだ。本機はUSB-C搭載機だというのに。

というわけで、第1世代のApple Pencilを使うためにUSB-C – Apple Pencilアダプターというアイテムを利用しなくてはならない。このアダプターは1380円(税込)で別売りもされるが、今後販売される第1世代には同梱されるという情報もある(未確認)。しかし、形状を見る限りでは、アダプターだけでなくUSB-C – USB-Cケーブルも必要であるように見える。紛失する心配もある。これは、どう考えても不便な仕様だ。

USB-C – Apple Pencilアダプタ
https://www.apple.com/jp/shop/product/MQLU3FE/A/usb-c-apple-pencil%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%97%E3%82%BF

印刷の三原色と、Magic Keyboard Folio

ボディカラーはシルバー、ブルー、ピンク、イエローの4色。我々出版業界の人間にとっては印刷の三原色であるCMY、つまりシアン、マゼンダ、イエローにしか見えない組み合わせだ。

新しい、Magic Keyboard Folioは、スタンド部分とキーボード部分が分かれる仕様。一見、キーボード別体で使て便利そうに見える。しかし、おそらくはSmart Connectorでの接続のみなので、分離したらキーボードとトラックパッドは動作しないと思われる(そもそもSmart Connectorはセキュリティ上ワイヤレスキーボードを使えない、銀行や役所に対応するために開発された)。

総じて、M1を搭載するiPad Airと、ホームボタンを持つiPad(第9世代)の間を埋めるポジションを持ち、『一般コンシュマーユース』を意識した商品だと思われるが、『横使い』を前提としたために、不思議な仕様になってしまっている。

今後、実機のレビューを通じて、そのあたりの真意を探っていきたい。

(村上タクタ)

 

 

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

この冬買うべきは、主役になるピーコートとアウターの影の立役者インナースウェット、この2つ。

  • 2025.11.15

冬の主役と言えばヘビーアウター。クラシックなピーコートがあればそれだけで様になる。そしてどんなアウターをも引き立ててくれるインナースウェット、これは必需品。この2つさえあれば今年の冬は着回しがずっと楽しく、幅広くなるはずだ。この冬をともに過ごす相棒選びの参考になれば、これ幸い。 「Golden Be...

決して真似できない新境地。18金とプラチナが交わる「合わせ金」のリング

  • 2025.11.17

本年で創業から28年を数える「市松」。創業から現在にいたるまでスタイルは変えず、一方で常に新たな手法を用いて進化を続けてきた。そしてたどり着いた新境地、「合わせ金」とは。 硬さの異なる素材を結合させるという、決して真似できない新境地 1997年の創業以来、軸となるスタイルは変えずに、様々な技術を探求...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

グラブレザーと、街を歩く。グラブメーカーが作るバッグブランドに注目だ

  • 2025.11.14

野球グローブのOEMメーカーでもあるバッグブランドTRION(トライオン)。グローブづくりで培った革の知見と技術を核に、バッグ業界の常識にとらわれないものづくりを貫く。定番の「PANEL」シリーズは、プロ用グラブの製造過程で生じる、耐久性と柔軟性を兼ね備えたグラブレザーの余り革をアップサイクルし、パ...

スペイン発のレザーブランドが日本初上陸! 機能性、コスパ、見た目のすべてを兼ね備えた品格漂うレザーバッグに注目だ

  • 2025.11.14

2018年にスペイン南部に位置する自然豊かな都市・ムルシアにて創業した気鋭のレザーブランド「ゾイ エスパーニャ」。彼らの創る上質なレザープロダクトは、スペインらしい軽快さとファクトリーブランドらしい質実剛健を兼ね備えている。 日々の生活に寄り添う確かなる存在感 服好きがバッグに求めるものとは何か。機...

Pick Up おすすめ記事

今っぽいチノパンとは? レジェンドスタイリスト近藤昌さんの新旧トラッド考。

  • 2025.11.15

スタイリストとしてはもちろん、ブランド「ツゥールズ」を手がけるなど多方面でご活躍の近藤昌さんがゲストを迎えて対談する短期連載。第三回は吉岡レオさんとともに「今のトラッド」とは何かを考えます。 [caption id="" align="alignnone" width="1000"] スタイリスト・...

着用者にさりげなく“スタイル”をもたらす、“機能美”が凝縮された「アイヴァン 7285」のメガネ

  • 2025.11.21

技巧的かつ理にかなった意匠には、自然とデザインとしての美しさが宿る。「アイヴァン 7285」のアイウエアは、そんな“機能美”が小さな1本に凝縮されており着用者にさりげなくも揺るぎのないスタイルをもたらす。 “着るメガネ”の真骨頂はアイヴァン 7285の機能に宿る シンプリシティのなかに宿るディテール...

雑誌2ndがプロデュース! エディー・バウアー日本旗艦店1周年を祝うアニバーサリーイベント開催決定!

  • 2025.11.21

エディー・バウアー日本旗艦店の1周年を祝うアニバーサリーイベントを本誌がプロデュース。新作「ラブラドールコレクション」や本誌とのコラボなど、ブランドの情熱が詰まった特別な9日間を見逃すな! 来場者には限定のブランドブックを配布! 今回のイベントに合わせ、「エディー・バウアー」をもっと知ってもらうため...

今こそマスターすべきは“重ねる”技! 「ライディングハイ」が提案するレイヤードスタイル

  • 2025.11.16

「神は細部に宿る」。細かい部分にこだわることで全体の完成度が高まるという意の格言である。糸や編み機だけでなく、綿から製作する「ライディングハイ」のプロダクトはまさにそれだ。そして、細部にまで気を配らなければならないのは、モノづくりだけではなく装いにおいても同じ。メガネと帽子を身につけることで顔周りの...

「アイヴァン」からニューヨークに実在する通りの名前を冠した新作アイウエアコレクション登場

  • 2025.11.21

ニューヨークに実在する通りの名前を冠した「アイヴァン」の新作コレクション。クラシックな要素をサンプリングしながらも現代の空気感を絶妙に捉え服と同等か、それ以上にスタイルを左右する究極のファッショナブルアイウエア。 Allen 2023年、NYに誕生した「ビースティ・ボーイズ・スクエア」。その付近で出...