Starlink
https://www.starlink.com/
世界が衛星インターネット網に包まれる
テスラで自動車業界に大きな一石を投じたイーロン・マスク氏が次にチャレンジしているのが宇宙開発。高度な制御技術を使ってロケットを地上に再着陸させ、コストを提言したり、まったく新しい世代の宇宙服を作ったりと、民間宇宙開発ならではの画期的なアイデアを次々と展開していることをご存知の方も多いと思う。
そのスペースX社の事業のひとつが、多数の小型衛星を低軌道に打ち上げることで世界をインターネットであまねく覆うStalinkだ。
米国は広いため、高速通信が可能な都市部と、ほとんど砂漠に近いような地方の格差が大きく、いまだ充分な通信速度を確保できない土地も多い。また世界的に見ても、まだまだ充分な速度のネット回線が確保できない場所が多く、それらが貧富の差を拡大しているともいえる。
Starlinkは世界中でブロードバンドを確保できるようにしようとしている。紛争でインフラが寸断されたウクライナに、イーロンマスクが即座にStarlinkを展開し、回線を確保することで我々がウクライナの窮状を知ることができるようになったののは記憶に新しい。今後紛争地域や災害地域にインフラとしての衛星通信回線が確保されるのはとても重要なことになるに違いない。Starlinkが世界に展開し終われば、シベリアや、ヒマラヤ、アフリカなどの僻地に住む人でも、外洋を公開するヨットに乗る人でも、等しく高速ブロードバンド回線を得ることができる。
もっとも通信は、国ごとの法律に左右される側面もあるので、Starlinkは国ごとに展開している。日本は10月11日からサービスたスタートしたというワケだ。地図を見る限りでは、今のところ東日本がサービスインしている。
山間部でも、僻地でも高速インターネット網に接続できる
日本の場合は、国土が狭く高速回線が比較的行き渡ってるので、Starlinkの恩恵を被る人は少ないかもしれないが、それでも山間部や離島では、非常に有効な通信インフラになるに違いない。
また、RVというモビリティ向けのStarlinkも用意される。こちらは月額料金は少し高くなるが、月ごとに利用のオン/オフが可能になる。オートキャンプを楽しむ人や、季節を限って別荘に住む人には便利な選択肢になるだろう。
サービス利用料は、月額1万2300円(税込)
Starlinkのサイトでは、すでに注文が可能となっている。
一般的な家庭で使うレジデンシャルのハードウェア料金は7万3000円。サービス利用料は1万2300円となっている。RVの料金は、筆者は今のところ発見できなかったが、海外の価格を見る限りレジデンシャルより2割ぐらい高い代わりにオンオフが可能なようだ。またRVを使うなら、AC電源を確保する必要もありそう。先日記事に書いたIMMOTORのバッテリーとソーラーパネルなどがあれば、アウトドアでも電力とインターネットを確保し続けられる。まったく新しい世代のオフグリッドなノマド生活も実現できそうだ。
世界のどこでも等しくインターネットというインフラにあずかれるようになるというのは素晴らしいことだ。
アフリカのサバンナや、南米のジャングル、ヒマラヤの山間部などから、日々の生活がレポートされる。人権が制限されている国から情報発信がされる。まさに、インターネットの民主化といえるだろう。
それとは別に、そのインフラを一企業が握っていいのかとか、低軌道に何千もの衛星が打ち上がることによるスペースデブリの問題、光害の問題(地上からの宇宙観測の画像にStarlinkの線が多数写り込む)などの問題もある。
イーロン・マスク氏のビジョンと行動力は素晴らしいが、光があれば影もあるということを忘れてはならない。
筆者は申し込んでみたが、住所が通らなかった。表記の問題か、エリアの問題かは分からないが、申し込めたら、続報をお届けしたい。
(村上タクタ)
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