書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX1600

web3、NFT、DeFi、DAO……DGのNCC2022で、最新技術を聞きかじってみた

  • 2022.06.21

最先端テクノロジーの話は難しい。難しいのは当然だが、あまりに分からないと拒否反応を示してしまうものだし、果ては「どうせヤツらが新しい金もうけのネタを考えたんでしょ?」と斜めから見てしまう人も多くなる。

実際のところ、web3、NFT、DeFi、DAO、ブロックチェーン、メタバース……なんていう専門用語を聞くと、世間では拒否反応を示す人も多いのではないだろうか? そういう用語を操る人たちが「アタマの悪いヤツは分からなくていい」と思うのもまた驕慢というものだと思う。

ドットコムバブル以来、テクノロジーが巨万の富を得る手段になっているのも確かだが、最先端のテクノロジーに関わる人、ベンチャーキャピタリストの中には本当にテクノロジーを活用して「悩み多き世界を変えたい」「困ってる人を救いたい」「未来の地球をより良いものにしたい」と願ってる人もいるのだ。

テクノロジーに関わるアタマのいい人は、極力我々のような庶民にも分かるように説明して欲しいし、一般の方も斜めに見ずに(金もうけの種だけだと思わずに)用語をひも解いて、理解しようとして欲しい。ITへの一般の理解の浅さが、今の日本の凋落をもらたしていることは確かなのだから。

Twitterを日本にもたらしたDigital Garageのカンファレンス

というわけで、Digital Garageの主催するNew Context Conference 2022( #NCC2022 )に取材に行ってきた。Digital Garageはいわゆるネット関連のベンチャー企業に投資するだけでなく、マーケティングから育成を行う企業。NCCは、そのデジタルガレージが力を入れているカテゴリーの最新情報を提供するために、世界中から識者を集めて講演・討論を行うイベント。

New Context Conference 2022
https://ncc.garage.co.jp/

今回のテーマは『web3 Summer Gathering——未来からのテクノロジーの波をサーフしろ』というもので、はっきりいって筆者レベルではタイトルからして意味が分からない(笑)

しかしながら、Web2.0の中心となった(そして今も世界を動かしている)Twitterに大きな投資をして、日本に持ってきたのはDigital Garageだし、価格.com、食べログなどを運営し、ブロックチェーン金融サービスを提供するCrypto GarageもDigital Garageの関連会社だっていうことを考えると、ここから未来を展望する何かが育ちつつあるのかもしれない。

(Twitterだって、Digital Garageが日本に持ってきた。そういえば、このEvan Williamsが来日したMeet Up、筆者も取材に行った……)

web3は『join』するインターネット

冒頭はDigital Garageの共同創業者、元MITメディアラボ所長の伊藤穣一さんの基調講演から。いろいろあって実現しなかったが、この人が日本のデジタル庁のデジタル監になっていればまた違ったかもしれないと思う。

まず、web3についての話だが、伊藤穣一さんの話によると、Web 1.0はread。つまり、多くの人が読むことができるようになったインターネット。そして、Web 2.0は、今我々が享受しているAmazonや、アップル、Google、TwitterやFacebookなどのビッグテックによって実現している一般ユーザーも書き込み、情報発信できるようになった世界。

それに対して、web3は『join』つまり参加できるインターネット。

ブロックチェーン技術などを使い、様々な情報を中央集権的な企業に渡さず、暗号化して埋め込む分散型ウェブの世界なのだという。これにより、ユーザー自身がデータを保持して、誰かが支配することなく誰もが透明性を持って検証可能で、収益を得られる世界が来るのだという。

芸術品などに使われ価値を証明することを可能としているNFTや、それ自身が価値を保証する情報を持ったビットコインなどの暗号通貨、同じような仕組みを組織運営に活用しフラットな組織を実現するDAOなど、web3的技術を運用することで、ビッグテックから再び開かれた平等なインターネットを取り戻せるのだという。

テクノロジーにうとい我々からすると、NFTやビットコインだって、誰か知らない人が儲けてるような話にしか聴こえないが(それこそWeb 2.0がが行き着いた場所かも)……本当にそれが民主的なテクノロジーなのだったら、web3に耳を傾けてもいいのかもしれない。

ちなみに、デジタルガレージ的にはWeb 1.0とWeb 2.0は大文字の『W』で始まり、『.0』が付く。これはソフトウェアのバージョン番号を模しているから。それに対して『web3』なのは、そういう古い(ちょっと前に新しかった)レトリックを廃して、権威主義的な大文字ではなく小文字の『w』で始まるのがオフィシャル表記ということである。

分からないと思いがちなweb3は、多くの人に役立つ技術

NCC2022で語られたことの詳細は取材しながら投稿したこのtweet以下の約100本の投稿をご覧いただきたい。片耳で(不得手な)英語、片耳で同時通訳の日本語を聞きつつ、右手で写真を取りながら左手で投稿しているので、いろいろ意味の通らないところがあったり、よく理解している方からすると間違っているのではないかと思うが、その前提で流し読みいただけると幸いだ。

1日、こうやって話を聞いて思ったのは、多くの一般の人にNFTやブロックチェーン、DAOなど、『web3』というのはワケの分からんものだ……と思われがちだが、実際に多くの人のために役立つテクノロジーなのだと言うこと。

NFTも無名の絵が突如高額で取引された話とか、有名ブランドが広告施策で扱ったような話ばかりが取り沙汰されるが、ゲームであるとか、さまざまな個人の作品にしっかりした価値付けができるようになりそうだ。今は投機的に取り扱われ、価値が急上昇したバブルのような話ばかりが聞こえて来ることが逆に信頼を損なっているのかしれない。DeFiにしても、DAOにしても、もっと一般的に使われるようになれば、世の中いろいろ変わってくるのではないかと思われる。

ベルリン在住のコンピュータゲーム会社Klang Gamesの共同設立者Mundi Vondiさんの「所有の概念はメソポタミアで生まれた。それ以来、所有権の強い国が経済的に成長した。そして、今、世界がよりバーチャルになって、バーチャルな所有権が議論になっている」という話はプレゼンのスライドもユニークで興味深かった。

筆者はNFTというとバブルな感じがしていたが、スプツニ子!さんやKawaii SKULLさん、VERBALさん、草野絵美さんの話を聞いて、有史以来何らかのパトロン、出資者、システムに保証されることが必要だったアーティストの権利が、はじめて独自に得られるかもしれないという話なのだと分かった。

Cegaファイナンスの豊崎亜里紗さんの話からは、『Defi=分散型金融』が、世界のすべての人に開かれた、ブロックチェーン上の金融サービスであるということが分かった。これまた、新たな大きな可能性を孕んでそう。

QuantstampのAPACリージョナルマネージャー、小田啓さんは、ブロックチェーン上で意思決定できるDAOの話。ヒエラルキーのないフラットな組織、フラットな意思決定って、空虚な理想論のような気もするし、いろいろ問題も孕んでいる気がするが、実現すれば素晴らしいことだ。

「web3の世界のSuperApp」だというOP3Nの共同創業者であるJaeson Maさんの話も面白かった。Web 2.0の世界だと、YouTubeや、インスタ、SPOTIFY、TikTokなど少数のプラットフォーマーが大部分の利益を握っていたがweb3の世界では、クリエイターが直接利益を得られるようになる。

ちょっと違う筋の話だが、このテクノロジー、メディアには使えないのだろうか? 一次ソースである取材者、一次メディアの記事が、いろんなところにシェアされ、拡散されていく現代のメディアの問題は、そのシェアされた先から一次メディアが収益を得られないことにある。キュレーションメディアや、大手ニュースサイトが得た広告収益が、末端の記者に行き渡らないから、地方や僻地に取材者を置くことが難しくなっている。これって、このブロックチェーンの仕組みで解決しないのだろうか? 取材が終わってからスマートニュース メディア研究所の瀬尾さんと話したら、同じことをおっしゃっていた。我々メディア業界の人間がそう思うのだから、他の業界でもこのブロックチェーンで解決する問題はあるのではないだろうか?

ポルトガルのリスボンに住むweb3Foundationの大日方祐介さんは、日本がweb3の世界で価値ある存在になる可能性について語っていた。2017年頃にその可能性があったのに、一度その可能性は失われた。でも返り咲く可能性はあるという。

なんだって、最初は変わり者のツールだった

分散に意味があるweb3の中心は、Web 2.0の中心であったシリコンバレーでなくなる。コンテンツに価値が生じる世界。だからコンテンツ大国である日本には可能性があったし、これからも立ち後れなければ可能性はあるとのこと。規制環境や、税制の問題さえ解決すれば日本が立ち直れる可能性もあるが……とのこと。

今や誰もが使うインターネットだって、Twitterだって、最初は少数の人が使う「先鋭的な変わり者のツール」だった。

web3も、NFT、ブロックチェーン、DeFi、DAO……なども、現在はバズワードと化してしまっているが、そうやって一度鎮静化してから、我々の生活を支えるシステムとして徐々に浸透していくのかもしれない。ということを考えると、あまり拒否反応を示さずに、徐々に知識として習得しておいた方がいいのかな……と分からないなりに学んだイベントだった。

 

 

 

LiLiCo

昭和45年女

人生を自分から楽しくするプロフェッショナル

LiLiCo

松島親方

Lightning, CLUTCH Magazine, 2nd(セカンド)

買い物番長

松島親方

ランボルギーニ三浦

Lightning

ヴィンテージ古着の目利き

ランボルギーニ三浦

ラーメン小池

Lightning

アメリカンカルチャー仕事人

ラーメン小池

上田カズキ

2nd(セカンド)

アメリカントラッド命

上田カズキ

パピー高野

2nd(セカンド)

断然革靴派

パピー高野

村上タクタ

ThunderVolt

おせっかいデジタル案内人

村上タクタ

竹部吉晃

昭和40年男, 昭和45年女

ビートルデイズな編集長

竹部吉晃

清水茂樹

趣味の文具箱

編集長兼文具バカ

清水茂樹

中川原 勝也

Dig-it

民俗と地域文化の案内人

中川原 勝也

金丸公貴

昭和50年男

スタンダードな昭和49年男

金丸公貴

岡部隆志

英国在住ファッション特派員

岡部隆志

杉村 貴行

2nd(セカンド)

ブランドディレクター

杉村 貴行

2nd 編集部

2nd(セカンド)

休日服を楽しむためのマガジン

2nd 編集部

CLUTCH Magazine 編集部

CLUTCH Magazine

世界基準のカルチャーマガジン

CLUTCH Magazine 編集部

趣味の文具箱 編集部

趣味の文具箱

文房具の魅力を伝える季刊誌

趣味の文具箱 編集部

タンデムスタイル編集部

Dig-it

初心者にも優しいバイクの指南書

タンデムスタイル編集部

昭和40年男 編集部

昭和40年男

1965年生まれの男たちのバイブル

昭和40年男 編集部

昭和45年女 編集部

昭和45年女

“昭和カルチャー”偏愛雑誌女子版

昭和45年女 編集部

昭和50年男 編集部

昭和50年男

昭和50年生まれの男性向け年齢限定マガジン

昭和50年男 編集部