2ページ目 - “お宝”コレクターで知られる永井ミキジ。そのはじまりはマクドナルドグッズだった

人からもらったものには責任がもてない

永井はまだヤフオクやメルカリなどが存在しない頃から、さまざまなグッズを集めてきた。“逸品”を発見するために、どんな努力をしていたのだろうか。

「昔はインターネットにつなぐ度、電話代がかかる時代だったじゃないですか。だから外に出るっていうのが絶対でしたね。 若い頃はお金がないんでフリマに行くとか。それこそ僕はファミコンソフトをコンプリートしたかったんですよ。でも、何をもってコンプリートかわからずに自分でいろんな本と情報を擦り合わせてデータ化して、おそらく千本近くのリストを作って ました。

ちょうどその頃はファミコンが落ち目の時期だったんで、みんなソフトを捨てちゃってたんですね。それで『僕、コンプしたいんで、捨てるなら譲ってくれませんか?』って呼びかけたんです。それでもらったはいいんですけど、『マリオブラザーズ』などの人気作は被るんですよね。

コンプリートの為にトレードとかすればいいんですけど、名前が書いてたり、それぞれに思い出のあるマリオブラザーズなんですよ、それってコンプリートよりも大事なことのような気がして、だからいまだにもらったソフトは持ってるんですけど、安易にもらうのはやめました。責任もてるのかなと。だからみんなに『ください』って言うのは、今はないです」

物の価値は手に入れた人の感性で決まる

やはり永井の品物に対する姿勢は、ひたすら律儀で真摯である。それだけ大切に集めた物は、一体どのようにして管理・保管されているのだろうか。

「集めた物は飾ってはいないです。数がすごいんで、箱に入れてジェンガの後半みたいになって積まれてますよ(笑)。でも自分で欲しいと思って買ったものしかないから、どこに何があるかはすぐわかるんですよ」

それでは、品物を手に入れようとする際の“あり・なし”の境界がどこにあるのか聞いてみる。

「僕の根底には『おもしろい』『見たことない』『洒落がきいてる』ような物がどうしても好きなんですよ。あと、展示会などで販売しても、本当に自分が『惚れた』物じゃないと、人は買いませんよね。それは本当に不思議で、ブランドとか価値があるからとかではないんです。人が惹かれる物には、何か目に見えない魅力って絶対あると思いますね」

※…黄色と赤色のピエロのドナルド・マクドナルド 、ハンバーガーを盗むいたずらっ子のハンバーグラーなど個性的なキャラクターばかり。

「おもしろい」「見たことない」ものを集めたい……掘り当てた逸品たち

1.サッカー選手日本人形

五月人形的なものだが顔も腹立つし、PKを蹴ってるシーンだったとしたら…シチュエーションも考えるとさらに腹立たしい。

2.携帯電話ホルダー

工具部品などを使った雑貨、当時の流行を反映したコギャルのガラケースタンド。

3.網走からのたより

日本一厳しい環境と言われた、網走刑務所(博物館 網走監獄)の土産キーホルダー。囚人が家族に送った手紙と考えると泣ける…。

4.ツルピカデスクライト

電球がハゲ頭になっていて、電源を入れると光るデスクライト。

5.やっちゃん酒器セット

サントリー「なっちゃん」のパロディ。当時はこういうパロディが、街の至る所で平然と販売されていた。

6.オオサンショウウオペーパーウェイト

素人が作ったものだが姿形に愛嬌があって、北海道の古道具店で購入。

7.木製の鬼人形

デンマークの木製玩具工房、スヴァイストゥルップ製で60年代のもの。愛嬌があってこういうのも好き。

8.EXPOʼ70記録ノート

当時小学生と思われる子供が、大阪万博を観光した時の記録を綴ったノート。パビリオンやチケットのスクラップの間に貼られた、「ボクたちが泊まったホテル」のメモなどが味わい深い。

9.考える人ネクタイピン

何も考えずに作ったアイテムを、何も考えてない人が買ってネクタイを留めてるのを想像するとおもしろい。

10.原始人ソフビ

寝て、酒飲んで、あくびして男の理想というか嫌なところがすべて表現されてる気がして迷わず買った。

(出典/「昭和50年男 2023年5月号 Vol.022」)

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昭和50(1975)年生まれの男性に向けて、「ただ懐かしむだけでなく、ノスタルジックな共感や情熱を、明日を生きる活力に変える」をテーマに、同世代ならではのアレコレを振り返ります。多彩なインタビューも掲載。
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