小林泰彦の『ヘビトラ大図鑑』
男性向けのファッションやライフスタイルを提案するメディアに携わって20年余り。根っこの部分で好きなものや、かっこいいと思うものは、この本に凝縮されています。ヘビーデューティーという言葉を男の衣類の世界に持ち込んだ小林さんのモノに対する向き合い方や、その目線で選んだ傑作・定番の数々を丁寧に紹介しています。
なお「ヘビーデューティー」という言葉は壊れにくいものを指すわけではなく「質実剛健な実用品」という意味で使われたそうです。だからマッキノークルーザーもあればダウンジャケットもあるし、革ジャンもあるけどセーターやノーフォークジャケットもその範疇なのだ。
著者の小林さんに直接お会いしたことはないけれど、兄弟誌『2nd』ではご出演いただいているし、同著の奥付(映画でいうスタッフロールみたいなもの。だいたい巻末にある)には知っているお名前もちらほら。インタビュー記事の出演者にも面識がある。ライトニングや2ndとも近い世界線なのだ。
みなさんが大好きなワークウエアやミリタリーウエア、レザーやアウトドアギアを語る上でも必読だと伝えたい。本質的な男のモノ選びを教えてくれる同著はメンズファッション界の貴重なヘリテージです。
「ヘビーデューティー」という言葉をファッションの世界に持ち込んだ画家・イラストレーター小林泰彦さんの著書。『ヘビーデューティーの本』『ほんもの探し旅』など小林さんの過去の著作物を再編集、加筆したもので、本誌でも度々使用される「ヘビーデューティー」という言葉の意味を深く知るための必読書です。2750円(発行:トゥーヴァージンズ)
アウトドア、ミリタリー、スポーツ、ワークなどを由来とし、現代に至るまで実用品としての魅力を損なわない道具としての衣類を凝縮。
小林さんのアジのあるイラストレーションやひとり語りのほか、自身の愛用品の紹介やインタビュー、用語解説までと読み応えも抜群。
街歩きや登山に関する著書が多いため、フィールド系アイテムのイメージが強いが、フライトジャケットなどミリタリーも網羅している。
(出典/「Lightning 2025年5月号 Vol.373」)
Photo/S.Kokubunji 国分寺杉作
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