古着好き必見! ネクストヴィンテージの教科書【Tシャツの章】

古着ブームは留まることを知らず、ヴィンテージは枯渇、値段高騰も甚だしい。そんな世間でスポットライトを浴び始めたのが、これからヴィンテージになりうる1980年代以降の「ネクストヴィンテージ」。ここでは、そんな古着たちを深掘りしていく。今回は空前のブームとなっている「Tシャツ」を掘り下げてみる。

こんなTシャツが代表的。

言わずと知れたアメリカを代表するバイクメーカー「ハーレーダビットソン」のプリントTシャツ。同メーカーのアイコンであるハクトウワシが大きくプリントされた迫力のある1枚。90年代頃のアメリカ製で、着用や洗濯、それに日焼けによってフェードしたボディはヴィンテージならではの風合い。

頻出カテゴリー。

アイビーリーグなど学校名が入った「カレッジT」。アーティストの作品がプリントされている「アートT」。映画のPRやグッズとして作られた「ムービーT」やバンドのグッズである「バンドT」。企業のロゴやアイコンの入った「企業T」といった5カテゴリーは、深掘りしていく1980年代以降のTシャツの中でも特に頻出するので覚えておいて損は無い。

カレッジ

1万5400円(スタイル202 TEL080-7396-8584)

アート

6万6000円(スタイル202)

ムービー

2万4200円(スタイル202)

バンド

2万5300円(スタイル202)

企業

2万9700円(スタイル202)

年代判別のポイント。

ヴィンテージのアイテムに、年代判別をするポイントがあるように1980年代以降の古着にも同じく年代を判別するためにチェックすべき項目がいくつか存在する。今回のテーマ「Tシャツ」の年代判別していくポイントは主に7つ。これさえチェックしていれば、どんなアイテムを選べばいいのか迷いがちな、近年モノも一目瞭然だ。

袖と裾のステッチ。

まず、見て欲しいのは袖と裾のステッチだ。基本的にステッチの種類は2種類となっており、縫い目が点々と1列に並んでいるシングルステッチの方が旧く、縫い目が2列となっているダブルステッチの方が新しい。シングルステッチは1990年代前半頃までに見られるディテールで、以降ダブルステッチに移行していくのだが、袖と裾が共にダブルステッチになる過程で袖シングルステッチ、裾がダブルステッチといった片方のみがシングルステッチとなっている個体も存在する。

〜1990年代前半/袖・裾シングル

1990年代半ば/袖シングル・裾ダブル

1990年代後半〜/袖・裾ダブル

タグの種類。

タグは年代判別をする上でとても重要だ。ここではデザインではなくタグの素材や形の変遷について見ていく。’80年代後半までは、1枚で薄いタグが付いていることが多く、’90年代に入ると縦に長いタグを折り返して縫うようなタグに変わり、これまでよりも厚くしっかりとした素材になる。’90年代後半になると、ブランドロゴと素材表記が別々にプリントされた2枚のタグが付くようになる。メーカーによって多少の違いはあるがタグからある程度の年代判別は可能だ。

~1980年代後半/1枚タグ。

1990年代/2つ折りタグ

1990年代後半~/2枚タグ

生産国も気にしたい。

’80年代後半からアメリカ以外で作られたものが増えてくるが、顕著にアメリカ製以外が増えてくるのは’90年代半ば頃。ここだけで判断は難しいがひとつの指標として覚えておこう。つまりアメリカ製ボディだと年代が旧い可能性があるということ。

デザインにも年代特定のヒントが。

ボディにプリントや刺繍などでデザインされたTシャツは、そこにもヒントが隠されている。バンドTであれば、ツアーや作品の発売日、ムービーTなら映画の公開年など、要チェック項目だ。

コピーライト。

イラストがプリントされたTシャツの年代判別をする際にコピーライトを確認することはとても重要だ。写真上は’72年以降、写真下なら’89年以降に作られたものと判断が可能となっている。

素材

Tシャツの素材も年代ごとに特徴がある。写真上のタグにはポリエステル50%、コットン50%と記載があるが、割合が1:1綿ポリは比較的’80年代のものが多く、90年代はコットン100%が多い。

(出典/「Lightning 2024年11月号 Vol.367」)

この記事を書いた人
なまため
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なまため

I LOVE クラシックアウトドア

1996年生まれ、編集部に入る前は植木屋という異色の経歴を持ち、小さめの重機なら運転可。植物を学ぶために上京したはずが、田舎には無かった古着にハマる。アメカジ、トラッド様々なスタイルを経てアウトドア古着に落ち着いた。腰痛持ちということもあり革靴は苦手、持っている靴の9割がスニーカーという断然スニーカー派。
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