北米大陸を横断する非合法レースに当時の若者は釘付けだった。
アメリカからはバート・レイノルズ、ファラ・フォーセット、イギリスからはロジャー・ムーア、アジアからはジャッキー・チェンやマイケル・ホイが日本人役として出演する『キャノンボール』は1981年に公開された、カルト的な人気を誇るコメディ・カーアクション映画(レースというストーリーだがアクションが多彩)として有名。
その中でも劇中に登場する美女2人(エイドリアン・バーボーとタラ・バックマン)がイカツイ改造を施したランボルギーニ・カウンタックで、オープニングでは3分以上に及ぶポリスカーとのカーチェイスで、カウンタックというモデルをアメリカ人に知らしめたモデルだった。
当時ランボルギーニはアメリカでは正規輸入されておらず、正規輸入は1985年から。つまり劇中車はイタリアから並行輸入されたモデルで、元々は映画監督の知人が所有していたもの。これを劇中車として借り、おもしろいのは撮影終了後も撮影用のカスタムのまま現存していた。現在もオーナーは変わったがこの実車がレストアされて現存しているのだ。
2024年はそんなカウンタックの45周年イヤー(カウンタックのデビューは1979年)。それを記念して劇中車だったマシンと当時の女優陣が再会したのだ。
本家ランボルギーニでも『キャノンボール』は、アメリカでの販売を後押ししてくれた映画という意味で最大の賛辞を送られる作品だったんだなと再確認。
43年振りに劇中車と再会した2人。じつはお互いキャノンボールの撮影以降初めての再会だったという後日談も。往年の名シーンが甦る3ショット(右がエイドリアン・バーボーで左がタラ・バックマン)が完成した。劇中車のベースはカウンタックLP400Sで、当時ローマのディーラーからアメリカへ輸出された1台だった。劇中車はレストア済みだが、女優陣はノンレストアでも美しい。
衝撃的なスタイリングだったフロントに取り付けられたウイングとヘッドライト。じつはこれは空力性能の向上ではなく、当時のアメリカの法規制だった5マイルバンパーに準拠するためのカスタムだった。苦肉の策が多くのクルマ好きの印象に残った。
リップスポイラーよりも12本出しのマフラーに圧倒されるリアルスタイル。日本人にしてみればデコトラを想像してしまうカスタムである。アメリカはフロリダ州のライセンスプレートが付いているっていうのもポイント。
劇中ではあまり見ることができなかった内装はマスタードカラーレザーで往年のイタリア車らしいイメージ。ステアリング中央にはランボルギーニの猛牛のエンブレムが鎮座する。助手席側の端にある2つのメーターはダミー。トランスミッションは5速マニュアルだ。
リアにはV字のウイングを搭載し、3本のアンテナが空高く伸びているのも当時のまま。映画の撮影が終了してもそのままのカタチで現存していたのは、これがアメリカでもっとも有名なカウンタックだったからにほかならない。
関連する記事
-
- 2024.11.14
ハーレー乗りなら昂らずにいられない、珠玉のバイカームービーが日本上陸!
-
- 2024.11.22
CRONOS(クロノス)が映画『仁義なき戦い』とコラボレーション。広島でイベントも開催!