寒い季節に熱が高まる、冬型塊根の魅力「チレコドン編」。
寒さも一段と厳しくなってきた11月下旬、私の住む長野では最低気温が氷点下になる日も出てきました。
夏型の塊根植物は休眠期に入り、暖かい屋内で春の訪れをじっと待つ季節。そんな寒い季節に愛好家たちの熱が高まるのが、秋から春にかけて生育期となる冬型の塊根植物。
今回は、冬型塊根の中でもマニアックな品種も多く愛好家に人気の「チレコドン属」の植物をいくつかご紹介させていただききます。
超小型の人気種、ノルテーイ。
小型な品種が多く存在するチレコドン属の中でも、超小型種と呼ばれるほど小さなチレコドン・ノルテーイ。南アフリカ・西ケープ州が原産の希少種です。
生育期に展開する多肉質な葉が特徴的で、表面には赤い斑点模様が浮かび細かな微毛に覆われています。塊根部は最大でも5㎝以下ぐらいにしか成長しない品種です。
小さいながら何とも言えない存在感があり、その可愛らしさから女性人気も高い植物です。参考価格:1万3200円
爬虫類っぽさが漂うルブロベノーサス。
南アフリカ、ナミビアなどに自生するチレコドン・ルブロベノーサス。流通もそれほど多くはない品種ですが、ウロコの様な跡が残る白っぽい表皮はどことなく爬虫類感があり、マニアックな品種を好む愛好家に人気の品種です。
こちらは南アフリカの現地球で、チレコドン属らしい肉厚な葉を出し始めています。参考価格:1万9800円
万物想の和名で呼ばれるチレコドンの代表種。
正式な名称はチレコドン・レティキュラーツスですが、万物想という和名の方が有名なチレコドン属の代表格ともいえる人気種。
南アフリカからナミビアの乾燥地帯であるナマクアランドに自生しており、花が咲いた後の花茎が枯れて残る姿が特徴的です。画像の個体の様に枯れた花柄が密集した個体は「アフロタイプ」などと呼ばれ人気があります。
万物想という和名の由来は分かりませんが、何とも風情のあるネーミングではないでしょうか。
※過去に撮影した資料画像のため、価格表記は無し。
可愛らしい万物想の実生株。
親指サイズほどの、万物想の実生株。花茎が多く残った現地球の様な迫力はありませんが、小さな実生株も人気があります。
国内で種から育成された実生株は、現地球と比べ育成もしやすく価格もやや手頃なので初めての人にもオススメです。参考価格:9130円
デリケートな茎を持つブックホルジアヌス。
小さな実生株や挿し木の個体など流通も多く、比較的入手しやすいブックホルジアヌス。可愛らしい樹形と小さな多肉質の葉が特徴的な小型種です。
ブックホルジアヌスの茎は繊細で柔らかいため、少々折れやすいことでも知られています。ただ、折れてしまった場合は枝挿しで育てて増やすことができる品種です。参考価格:4400円
葉を愛でる珍奇種、シングラリス。
塊根植物でありながら、塊根よりも葉が目立つ珍奇種「チレコドン・シングラリス」。画像の個体は、まだ芽吹き始めたばかりなので葉の直径も1.5㎝程度ですが生育期には用土の表面を覆うように、葉はぐんぐん大きくなります。
葉が大きくなるにつれ、表面には血管の様な葉脈が浮かび上がります。
葉の裏は紫色。
シングラリスの葉は肉厚で細かな微毛に覆われています。そして、もう一つの特徴は葉の裏側の紫色。表と裏で全く異なる葉の色も、この植物の珍奇さを際立たせていると思います。参考価格:6600円
群卵と呼ばれる小型種。
群卵という和名で呼ばれる小型種、チレコドン・シヌス – アレキサンドラ。和名の通り、卵の群れの様な楕円形の葉が特徴的な品種です。
群卵は「ぐんらん」もしくは「ムレタマゴ」と呼ばれる場合があります。参考価格:5280円
稀少な珍種、デシピエンス。
南アフリカ・北ケープ州のごく限られた地域にのみ自生する、チレコドン・デシピエンス。現地では岩の割れ目などを這うように自生しています。
珍種として人気のあるデシピエンスは、流通も少なく入手困難な希少種でもあります。画像の個体は、塊根部分の幅が9㎝ほどの大きめな現地球です。
小さな個体が多いため、大きな現地球はさらに稀少と言えます。参考価格:2万9700円
今回は、個性的な品種が多く人気の高いチレコドン属の植物を紹介させていただきました。
チレコドン属は今回紹介した以外にも人気種や珍種が数多く存在する塊根植物になります。それらの品種も、また別の機会にご紹介できればと思っています。
【DATA】
BIZARRE GREEN
長野県長野市篠ノ井布施高田879-1
TEL026-247-8160
営業時間 11時~20時 火曜定休
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