【東京クラフトビール図鑑】手作り感心地よい小さなブリューパブ「クランクビールさかみちタップルーム」(板橋)

  • 2023.10.06

板橋の住宅街に溶け込むように存在しているブリューパブ、クランクビールさかみちタップルーム。ビール好きが高じてブリュワーになったというオーナーが、ビールだけでなく店もDIYですべて手作りした。醸造から販売、接客もひとりで行いながら、常に新しいレシピに挑戦し続けているという。

オーナーの人柄に触れつつ楽しめる、その時々のオリジナルビール。

かつて江戸の4大宿場町として栄えた板橋にある小さなブリューパブ。旧い雰囲気が残る仲宿商店街から数分歩いたところに現れるウッド基調の外観は、決して華美に飾ることなく住宅街に自然と馴染んでいる様子。まさにローカルブリュワリーという言葉がぴったりなこのショップはオーナーの平賀さんがDIYの店作りから始まり、ビールの醸造、店の切り盛りまですべてを一人で行っている。

店内を覗けば「男は黙って立ち飲み」と言わんばかりの椅子ひとつないすっきりとしたレイアウト。手作りのカウンターとテーブル代わりのドラム缶が二つ、仕切りのないエントランスからすべてを見渡せるオープンな空間はどこかアットホームな雰囲気が漂っている。

旧い宿場町として知られる仲宿商店街から少し歩いた住宅街にあるクランクビール。ウッドを基調とした店構えに手書きのレタリング、この飾り気のないハンドメイドの雰囲気が親しみやすさの秘密か

「お酒の中でもビールはアレンジの幅が広い。スタイルの種類も多いし、酵母一つ変えるだけで全く別ものになるんです」

と語る平賀さん。6本のタップに繋がれるビールは生産が追いつく限りすべてオリジナルで、現状同じレシピを再現することなく常に新しい味を模索しているという。根っからビール好きの店主と話しながらビールを味わえる手作りの店。作り手の気持ちが溢れたこの空間で飲むビールは心温まる一杯になるはずだ。

常時4〜6種類のオリジナルビールを用意。すべてではないが、クランクビールのオリジナルはパンチの効いた飲み口が特徴だ。泡を少なく中身を多くのお得感のある配分にオーナーの人柄が表れているようだ
店舗と隣接するブリュワリー。オリジナルビールの醸造から販売まですべて一人で行うのがクランクビールのスタイルだ。仕込みの頻度は一度に約200ℓで週1ペース。同じレシピを繰り返すことなく、毎度新たなビールを作り続けている
壁、天井、カウンターすべてDIYの立ち飲みオンリー。必要以上の装飾性は皆無だが不思議と居心地が良い
店内に置かれた二つの大きなドラム缶がテーブル代わり。仲間と使ってもいいし、初対面の相手と共有することも。仕切りが一切ないオープンな空間から自然とコミュニケーションが生まれる
決して広くはない店内のスペースを有効活用したパイプと天板によるカウンターももちろんオーナー自らDIYで製作したもの。“BEER” のネオンサインが唯一のインテリアといっていいほどシンプルな空間だ
ビール好きが高じて鳶職人からプロのブリュワーに転身した平賀さん。一見強面だが、老若男女問わず親しみやすい性格のギャップもクランクビールの武器といえるだろう

「CRANC BEER SAKAMITHI TAPROOM」で飲みたいビールとフード。

ベルジャンIPA

キレも重みも香りも強い男らしいオリジナルB-IPA。ベルギービールの酵母を使っているため程よく甘みとフルーティな風味が感じられる。

キックイッツセゾン

レモンの皮のような苦味とベルジャンセゾン酵母のフルーティな香りに加え、隠し味のスパイス、アニスの甘みが感じられる爽やかな味。

スリーベリーポーター

3種のベリーを使ったポーターはベリーの香りとモルトによるカカオの香り、酵母の洋梨のような香りが融合したすっきりとした後味が◎

オーナーの平賀さんがひとりで切り盛りしているためレギュラーメニューのフードは数種類の乾き物のみだが、裏メニューとして近所の中華料理店からラーメンの出前が可能。がっつり食べながら飲みたい人も心配無用だ。

【DATA】
クランクビールさかみちタップルーム
東京都板橋区板橋3-40-16
TEL03-6909-6672
営業/17:00~22:00(火~金曜)、15:00~22:00(土曜)、15:00~21:00(日曜)
休み/月曜
http://www.facebook.com/crancbeer

※情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。

(出典/「Lightning2019年8月号増刊 東京クラフトビール」)

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