芸人の聖地で煮込みと鯨料理を堪能せよ。
看板には「鯨を喰って芸を磨け!!」とある、浅草芸人の集う店。大旦那の河野通夫さんはかつてデン助劇団の二枚目役者だった。往年の名コメディアン、大宮敏充ことデン助は舞台から映画に進出。今のテレ朝で放映された『デン助劇場』は13年も続いた。
店内には芸人のサインや提灯がずらり。中でもビートたけしの名は燦然と輝く。並み居る名店に埋もれぬよう、鯨料理を出すようになったが、たけしも『浅草キッド』で「煮込みしかない……」と歌うほど、そちらも有名。この雰囲気にすかさず酔い、壁中のサインが自分への励ましに見えてきた。芸人であろうがなかろうが、夢を持つ人は一度詣でてみるといい。
「捕鯨舩」の名物メニュー
牛煮込み(680円)は5種のもつが入っている。ショウチョウ・モウチョウ・テッポウ・ウワ・ゲハラ。土日は早々に売り切れるので要注意。
大きな鍋にたっぷり入った牛煮込みは、アクを丁寧に取り除く下処理のおかげで、まったく雑味がない。
鯨の竜田揚げ(1360円)はいささか値が張るが、何人かで出かけてシェアしたい。
くじら御さしみ・皮とさしみのミックス(1600円)。さっぱりした脂が後引かず、お酒ともよく合う。
元祖チューハイ(480円)の名前は、浅草で最初に梅シロップのチューハイをはじめたことに由来する。
【DATA】
捕鯨舩
東京都台東区浅草2-4-3
TEL03-3844-9114
営業/17時~22時、土・日16時~22時
休み/木曜
※値段など情報は取材当時のものです。現在取り扱っていない場合があります。
(出典/別冊Lightning Vol.209「TOKYOノスタルジック横丁」)
Text/ R.Suzuki 鈴木隆祐 Y.Takeuchi 竹内佑騎 Photo/ A.Kuwayama 桑山章 Y.Amino 網野貴香
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