ストリートカルチャーとリンクするアートとオモチャの世界。

ストリートカルチャーとポップアート、そしてトイは今や現代のアートシーンにおいて重要な要素となり相互に影響し合っている。それぞれが独自の表現手段として使われ、新しいクリエイティブなアイデアやカルチャーの形成に寄与しているのだ。そこで、様々なアーティストやブランドとのコラボトイを共同製作するなどして日本から世界へトイカルチャーを発信しているシークレットベースのHIDDYさんにお話を伺った。

誰かが欲しいと集め出したら、もはやそれはポップアートなのでは?

「シークレットベース」代表・HIDDYさん|日本製のオリジナルプロダクツが世界から高い評価を得ているトイブランド「SECRET BASE」の代表。時代の先を見据えるクリエーション力を発揮し、東京・原宿のフードカルチャーシーンにて話題を集めるたこ焼き屋「いちひく」も経営中!

アメリカンポップアートとトイは、20世紀のアメリカの大衆文化において密接に関連している。そもそもアメリカンポップアートは、大衆文化の象徴や消費社会のメッセージを取り入れた芸術運動だ。一方のトイは子供たちだけでなく、広く大衆に愛される遊び道具である。

例えば芸術家のアンディ・ウォーホルは「キャンベルのスープ缶」などが有名だが、実はブリキのロボットなどトイを題材にした作品も制作していたのが興味深い。そこで独自の視点で様々なアーティストやブランドとのコラボトイを共同制作し、世界中で高い評価を集めるシークレットベースのHIDDYさんにお話を伺った。

HIDDYさんが’90年代当時の思い出として挙げたトイがアストロノーツに扮したミッキーマウスなどのヴィンテージトイ

「僕の中でポップアートと聞くとすぐにトイを想像しちゃいます。’90年代後半〜2000年初頭にかけてトイは遊ぶ物からポスターみたいに飾るようなオブジェになりましたね。花瓶のある家は少ないけどトイが飾ってある家は多いですもん、海外なんか特に(笑)。

プライベート空間に飾って俯瞰で愛でるようになったのが、僕の中でトイがアートに昇華した瞬間かと思っているんです。それに今はSNSが発達して情報伝達が速いじゃないですか。だから今まで注目されてなかった物がSNSで世界中に伝播して、誰かが集め出し資産価値が新たに生まれることになったら、それもまたポップアートのように新時代の潮流になっていくのではないでしょうか?」

ヴィンテージのマクドナルドの照明。ステンドグラス製かと思いきや、入手してからプラスティック製と知りびっくり
日本独自の成形技術により可能となった、ボディ内部が透けて見える“インナースカル” というシークレットベースがクリエイトしたオリジナルの表現方法。彼らの手がけるオリジナルトイは国内外で高い評価を受けている

トイは子供たちの遊び道具から、ポップアート(大衆芸術)の域に昇華している。

1980年代製のレアなモンスター人形。

「ギグリーアイズモンスター」と呼ばれる1980年代のアメリカ製のぬいぐるみ。VANSのような足元がストリート感を醸し出している。イエローの他にピンクもある。今だと世界的に人気が高く相場もウン十万円するとか。本人私物

実際に被れるお面も飾れば立派なアート作品です。

米国ファーストフードチェーンの「ジャック・イン・ザ・ボックス」。“びっくり箱” を意味するお店のキャラクターは戯けた表情のピエロだ。これは60年代の店頭販促用の被り物。現在のキャラに比べリアルな造形だ。本人私物

たこ焼き「いちひく」にて店頭販売するスパイスくんとスパイスちゃん。

東京・原宿に店を構えるたこ焼き「いちひく」のオリジナルスパイス。両サイドのパクチー味とカツオ味は“スパイスくん”、真ん中の梅味は“スパイスちゃん” と言うキュートなキャラクターだ。店頭のみの販売で各650円

SBの定番的な成形手法であるインナースカル!

アーティストであるロン・イングリッシュによる映画『スーパーサイズミー』のピエロを“インナースカル” の成形手法を使ってデザイン。大サイズは各1万4850円で発売中。小サイズのものは現在非売品となっている。

米国のTVアニメ「スポンジ・ボブ」がステンシルアートに!

シークレットベースが手がけたスポンジボブのシルクスクリーンアート。各66枚の限定数で販売され、現在はピンクと蓄光バージョンのみ販売中。シルクスクリーンアートは各8800円、専用フレームは5280円でオーダー可能となっている。

ヴィンテージ・マクドナルドの店頭販促グッズ!

米国マクドナルドの店頭で使われていた販促用のハンバーガーグッズ。両サイドはテーブルライトとなっており、中央は子供用の腰掛けになっている。国内ブランドにも影響を与えた造形で、世界的にもコレクタブルな逸品。本人私物

村上隆×PORTERのレアな背負えるお花ぬいぐるみ。

日本の老舗バッグメーカーであるポーターと、世界で活躍するアーティストの村上隆氏がコラボレーションをして製作。タンカーの生地を使ったお花のぬいぐるみは、背面のショルダーストラップを使えばしっかり背負うことができる。本人私物

パスヘッドが手がけたシルクスクリーン作品。

米国のグラフィックアーティストであるパスヘッド。ハードコアパンクやヘビーメタルバンドのアルバムカバーやアートワークなど、スカルをモチーフにした作風で知られる。これはパスヘッド本人からHIDDYさん宛に送られたシルクスクリーンアート。2003年頃に入手した作品。

【問い合わせ】
シークレットベース
https://www.secret-b.com
Instagram@hiddy728

※情報は取材当時のものです。

(出典/「Lightning2023年8月号 Vol.352」)

この記事を書いた人
ADちゃん
この記事を書いた人

ADちゃん

ストリート&ミリタリー系編集者

Lightning本誌ではミリタリー担当として活動中。米空軍のフライトジャケットも大好きだけど、どちらかといえば土臭い米陸軍モノが大好物。そして得意とするミリタリージャンルは、第二次世界大戦から特殊部隊などの現代戦まで幅広く網羅。その流れからミリタリー系のバックパックも好き。まぁとにかく質実剛健なプロダクツが好きな男。【得意分野】ヴィンテージ古着、スケートボード、ミリタリーファッション、サバイバルゲーム
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

革とデニムの境界線を越える! デニムのように見えるけど実はコレ、革なんです。

  • 2026.07.02

前号でもお伝えしたが、天神ワークスの開発していた新しい革「リジットレザー」が完成し、この度、遂にレザージャケットとなって登場した。まずはこの写真を見てほしい。これは、天神ワークス代表の髙木さんが1カ月着込んだもの。このエイジング、まさにデニムじゃね? でも、レザーらしいエイジングも見え隠れする、唯一...

王道のデニムセットアップはボトムスで差をつけろ!

  • 2026.06.30

昨今のアメカジブームのなかで、注目度が高まっている“デニムオンデニム”のセットアップスタイル。王道ももちろん良いが、一歩先を行きたいアメカジラバーはボトムスで差を付けてみるのはいかがだろうか。気鋭のブランド「アンバースレッズ」が展開するデニムセットアップはそんな望みを叶えてくれるに違いない。 Amb...

Pick Up おすすめ記事

「ファーストアローズ」創業30周年記念! 「JELADO」「RE-BUILT」とのコラボによる銀で彩った、贅沢なデニム。

  • 2026.06.29

日本屈指のシルバーアクセサリーブランド「ファーストアローズ」が創業30周年を記念して、これまでの集大成かつファンへの感謝の気持ちを込めて、「JELADO」と「RE-BUILT」とコラボしたスペシャルなデニムを制作。限定100本。節目の年に相応しいこだわりに満ちたデニムの詳細を大解剖! First A...

夏の余白に、存在感を。大人メンズの夏スタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介!

  • 2026.06.30

シンプルな装いだからこそ、アクセサリーや小物が着こなしの印象を大きく左右する夏。そんな季節にチャコールグリーンが提案するのは、物語とクラフトマンシップを宿した逸品たち。夏のスタイルに個性と奥行きを添えてくれるアイテムを紹介する。 手仕事が生む、本物の存在感 2002年に誕生したアティースは、「REL...

時とエイジングを刻む。VAGUE WATCH&Co. × CONSIGLIERE THE 1ST SPECIAL WATCH

  • 2026.07.02

時計は時間を刻むもの。本来の目的はそれで十分だが、「エイジングするものに囲まれて暮らしたい」という自称革ジャンの伝道師・モヒカン小川はベルトにもこだわる。そんな彼が愛用するヴァーグウォッチとシルバージュエリーブランド「コンシリエーレ」のコラボウォッチには毎日身につけた分のエイジングが刻まれている。 ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

夏のアメカジがもっと楽しくなる「HEATH」のオリジナルプリントT !!

  • 2026.06.30

横浜を拠点に“大人のアメカジ”を提案する「ヒース」。セレクトショップでありながらハイクオリティなオリジナルプロダクツに定評があり、遊び心のあるアイテムや限定モデルも多く展開している。その筆頭が7.4オンスの肉厚Tシャツシリーズだろう。 [caption id="" align="alignnone"...